〔ジャンク品が蘇った SONY TC-7650 1973年発売〕
退職した先輩がオーディオにはまったのに影響を受けて、私も若いころほしくても買えなかった高級オーディオ機器を物色してそれなりに聴けるアンプやスピーカーを手に入れました。
と言ってもオーディオショップなどで販売されているものはとても手が届かないのでもっぱら「YAHOOオークション」です(^^;
山水のアンプやビクターのスピーカ―などウン十年まえの名器が手ごろな値段で手に入ります。と言っても人気のある機種の完動品は結構な値がついていますからジャンク品狙いです。
今回手に入れたのはオープンリールデッキです。 喫茶店などではよく大きなリールをクルクルと回しながらジャズなどをながしていました。 貧乏人の私たちは半年~1年分の年収くらいの値段の高級機器で憧れの的でした。
スマホやipodで音楽を聴く時代に、でっかくて重い(20数キロもある)、しかもテープをまいた大きなリールを装着して手間暇のかかること・・・(*´Д`)
こんなものを回しながら酒でも飲んだら気分いいだろうなぁ、なんて思うのは高値の花にあこがれた私たちの世代だからこそのものでしょう。
このオープンリールデッキ(SONY TC-7650)は1970年代のものですから発売以来40年以上も経過したものです。 電源コードが切れていて動作確認できないジャンク品扱いのものだったため格安で落札できました(5000円ほど)。
届いて電源を入れてみると、案の定ランプはついたものの操作しても何も動きません。でも「YOUTUBE」でyoshidano2001さんという方がSONY TC-7650の修理について何本かの動画で紹介されていて大変参考になり、これで再生できるようになりました。感謝・感謝です。
外観も写真ではあまりいいものではなかったのですが、掃除して磨いてみると接着剤が剥がれたりしている部分はあったものの錆などはなくてつまみはピカピカになりました。40年も前にはメーカーもしっかりしたものづくりをしていたんですね。今ではほとんどプラスティックで作られているものまでアルミのダイキャストだったりします(最初の写真)。
こういうメカを観てると嬉しくなる(^^;
ガラスコーティングのヘッドは40年たっても健在
回路基板は配線が外れないので修理は大変だ
こうしてばらしてしまうとネジが余ったり足りなくなったりする。 トレイに入れていてもそうなるのだから性格のせいかもしれない。
録音が不調でしたがyoshidanoさんの動画で録音バイアス回路が参照できたので電解コンデンサのショートを発見、取り換えで無事修理ができました。 修理の7~8割は回路図が手にはいるかどうかで決まります(部品が手に入らないこともありますけど)。 最もこの後の機器はほとんどがICで組まれており回路図があっても基盤交換の世界なので、古い機械は修理も楽しい?のですね。
基盤左上の青い小さな電解コンデンサが不良。 回路図なしで故障部品を見つけるのは無理ですね。
修理が完成して音を聞いてみるとこれがなかなか素晴らしく、私のジャンク機器で聞くには必要十分な音質でした(19cm/sだと高域は30khzくらいまでは伸びている)。 デッキがなおったので10号のリールとテープ(10,000円)、リールクランパー(3000円)をオークションで落札したのですが、本体5000円にたいしてなんか割り切れない気分です (*´Д`) 。
ジャンクテープには録音されていてこれを聴くとなんとも懐かしいあの時代の雰囲気ではないですか、オールド・オーディオは時代まで運んできてくれました。 オークションで「父の遺品整理」なんて書いてあると寂しさも感じますがその方の分まで大事に使いたいですね。