無精髭

無精者の日記です

仮設焼却炉の見学しました。

2014-02-15 14:58:53 | 日記

 「台風並みの大荒れ」のあらしの中相馬市光陽の仮設焼却炉の見学に参加してきました。 
見学は相馬市と新地町の住人と福島市や除染廃棄物焼却炉の建設が決まった飯館村や、爆発事故を起こしながら稼働中の鮫川村からも参加があり、総勢30人弱でした。

 大嵐で傘もさせないので部屋の中から焼却炉を眺めて、環境省のかたと相馬市の担当者から説明を受け、質疑応答などで理解を深めました??

 「ND」というけれど本当に大丈夫なんですか。 ということが一番質問がでました。
この仮設焼却炉は震災がれきの減量化のために環境省が建設したものですが、線量の高い除染廃棄物の設備としては不安があります。  除染廃棄物用の焼却炉は放射線管理を徹底し、最初からバグフィルターの複数設置や、廃棄物管理、主灰・飛灰などの管理保管設備も考えた設計になっています。(それで十分とは思いませんが)

 ではなぜ「ND」ではだめなのかというと「ND」となる数値の幅が広すぎるのです。
具体的にいうと排気塔の排ガスの測定器の測定限度は2Bq/N㎥ですが、そもそもの排ガスの放射線濃度は震災がれきで5Bq/N㎥程度、除染廃棄物との混焼で10~50Bq/N㎥(環境省がおこなった一ノ関での検証焼却での値。 岩手の一ノ関は風によって流された放射能が落ちて相馬並みに汚染した。)がバグフィルター前の濃度でした。 排ガス量が膨大なため希薄されて数値が低いのです。 バグフィルターの性能は99.9%の除去能力といいますが、例えば粉じんの60%しか取れなくとも震災がれきの場合は「ND」となってしまいます。 混焼の場合は50Bqの場合だと96%とれれば「ND」となります。

 「ND」で排出される最大の放射能の量はというと、相馬の焼却炉の場合の排ガス流量は約83、000N㎥/h(N㎥は0℃、1気圧の容積)ですからもし検出限界の2Bq/N㎥が漏れていたとすると166、000Bq/hの放射能が環境に拡散されても測定結果は「ND」ということになります。 一日ではこの24倍3984、000Bqの放射能が環境に再拡散されても「ND」で放射能は出ていません。ということになります。

 もちろんこれだけの放射能が実際に出ているというのではありませんが、この測定法では0Bq~3984,000Bqまでが「ND」なのです。  これでは納得できません。
国立環境研究所でさえ焼却施設の排ガス対策について、「 国が行う「対策地域内廃棄物」については高濃度の廃棄物も存在することからより高度な技術的対応が必要になることも考えられます。」 として原発ゴミ焼却炉やバグフィルターの2重装備などを提案しています。 震災がれき焼却施設で除染ゴミの焼却はやっぱり危ないと言わざるを得ません。

 焼却後の放射能は大半が飛灰に存在することになります。 飛灰の放射線量は毎日測定されていてその数値は、震災がれきのみだと800Bq~3000Bq/kgでしたが、除染廃棄物を混焼するようになって値がはねあがり直近の2月1日には14、710Bq/kgとなりました。
これらの管理もただテントの中にトンパックに入れて保存するだけで大丈夫なのでしょうか。
仮処分場も決まらぬまま放置されてはたまりません。

 あとは測定データの公開です。 相馬市は当初試験焼却のデータを隠ぺいしました。(10月9日~12日のデータを公表しないまま11月のデータを公表) 環境省は指摘後でさえこのデータを12月になって初めて公表し、現在でも昨年12月までのデータしか公表していません。
爆発事故を起こした鮫川の焼却炉は毎月末毎にデータをきっちり公表しているのですからおとなしくしている相馬は舐められたものです。  
データの公開は迅速・正確でないと信頼を得られません。  モニタリングポストやリアルタイムモニターの醜聞などはもってのほかです。
少なからぬ税金を使って対策するのですから国民の健康を守るためにつかってほしいものです。

 

 

 

 

 

 



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4 コメント

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焼却施設の煙突から大気中に放射性セシウムが放出される件 (樗木博一)
2014-02-18 16:56:54
掲題の件についてPeace Philosophy Centre のブログに投稿しました。
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/blog-post_22.html
ご参考になれば幸いです。
                              以上
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専門的ご指導を (無精髭)
2014-02-19 23:40:50
樗木様
コメントありがとうございます。
樗木さんのYOUTUBE動画見ていました。
除染廃棄物の処理には頭を抱えています。
専門的な助言をお願いします。
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シンチレーション方式の検出器による実験提案 (樗木博一)
2014-02-20 15:12:00
YOUTUBEの動画でわかるように、私は、国が定めた測定法ではなく、シンチレーション方式の検出器を使った排ガス測定実験を提案しています。
自治体の首長、行政担当者、議員にとって、人々の要求がないのに、このような実験を行っても誰からも感謝されないし、何のメリットもないので、実験の提案を受け入れてくれる自治体は現在の所ありません。
排ガス測定実験を実施して、排ガス中に放射性セシウムが含まれていることが明らかになれば、対策も可能になると思います。
私はただの技術者で、提案できるのはこのくらいです。
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焼却施設の煙突から大気中に放射性セシウムが放出される件 (樗木博一)
2014-03-03 16:51:28
焼却施設の煙突から大気中に放射性物質が放出されている可能性について、三田茂医師(今春、岡山に避難予定)も講演会にて言及されていましたので、お知らせします。

ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造
ゴミ焼却施設の煙突から大気中に放射性物質が放出されている可能性について、三田茂医師も言及
http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/4f58ba972d205073de91bc41617e540b
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