無精髭

無精者の日記です

おぞましい人間の所業

2015-01-29 19:47:36 | 日記

 連日「イスラム国」にとらわれた後藤さんのニュースが流れていますが、彼のおかれている状況を想像すると背筋が冷たくなる思いです。

 なぜ人間はこれほど酷いことができるのでしょうか。 


 人間以外の動物は自分の命を維持し守るための最低限の命しか奪いません。  高度に精神が発達した人間は科学技術を発展させ様々な思想を深め文化の華を咲かせてきたのにいまだに人間どおしで大量殺戮を繰り返しています。

 第一次世界大戦の犠牲者数 戦死者1600万人 負傷者2000万人

 第二次世界大戦の犠牲者数 戦死者5000~8000万人 (軍人2200~2500万人、民間人3800~5500万人)

 アフガン戦争の犠牲者

 イラク戦争の犠牲者

 「イスラム国」の問題もイラク戦争の続きといえます。

 アメリカは9.11テロのあとにテロとの戦いと称して上記アフガニスタンでの「不朽の自由」作戦、つづくイラクで「イラクの自由」作戦を展開しました。 結果は皆さん御存じのとおり、「自由と民主主義」をもたらすはずが、悲惨な戦争の際限ない拡大です。  凶悪な独裁者による統治と「正義の使者」アメリカによる自由のための戦争とどちらが人々の犠牲を強いたのでしょうか。 ましてやブッシュの目的は「父親の遣り損なった仕事の完結と石油利権」だったのですからなおさら「悪魔の所業」です。  為政者は自らの敵を倒すための大義名分「錦の御旗」を手にしました。 大国は堂々と「テロとの戦い」を始めたではありませんか。 

 どんなに正しいと思われることでもその社会の経済や政治の発達段階と無縁に適用できるものではありません。  人々の非和解的対立を解消できるだけの歴史的発展がなければ強権的統治もその社会の発展段階として通らなければならない道なのではないでしょうか。

 「自由と民主主義」は私たち先進国と言われる社会に住む者にとっては普遍的価値のように考えられていますが、それは同時に「お金至上主義の資本主義の基本理念」でもあるのです。
人間が自由と民主主義を手にするためにはこの巨大化した資本を手なずけなければなりませんが、今私たちはますます虐げられているように見えます。 

 「イスラム国」を単にテロリストの集団というとらえ方からはいつまでたっても問題は解決しないのではないでしょうか。 イスラム国を産んだイラク戦争、アルカイダを世界に拡散させたアフガン戦争、アルカイダを強力な組織に育て上げたソ連のアフガン侵攻とアメリカによるアルカイダ支援、日本をこの渦の中に巻き込もうとする安倍政権のたくらみ、戦争の歴史をまた繰り返させたくはありません。  戦後日本の歩んできた道を大事にしたいものです。

 最後に米軍によるすさまじい爆撃、この街には「テロリスト」以外の人はいないのでしょうか、