無精髭

無精者の日記です

米NSA苦渋の改革?・・・・瀕死の機密王国アメリカ

2014-01-19 07:36:12 | 日記

 「盗聴批判 苦渋の改革」 今日の朝日新聞の2面に17日に行われたオバマ大統領の国家安全保障局(NSA)の情報収集の改革に関する演説に関する記事がでていました。
これはCIAの元職員スノーデンの暴露によって明らかになった米国によるドイツのメルケル首相の携帯電話傍受などによって高まった国際的批判の対応にせまられたものです。
 しかしこうなることはスノーデン氏の暴露がなくとも緊急に米国が取り掛からなければならない改革であったことは「トップシークレット・アメリカ」で明らかです。 政府を持ちこたえられないほどの財政がひっ迫しているアメリカの中で、機密関係の財政だけが青天井で増殖を続け、しかも誰もブレーキを掛けられない事態まで病状は進んでいたのですから、表の言葉とは裏腹にスノーデン氏の暴露はアメリカにとっては最高機密の泥沼から這い出す「一本の蜘蛛の糸」だったはずです。

 米国の情報政策が破綻に瀕していることは、イラク戦の時、ドイツに住むイラク人の作り話が大量破壊兵器の根拠にされたことなどが「トップシークレット・アメリカ」で紹介されていましたが、そればかりではありません。 昨年4月のボストンマラソンでの爆破事件です。 厳重な警戒体制の中で、競技中に2度の爆発が起こり、3名の死亡者と282人が重軽傷をおいました。 驚きなのは事件が起きたのが4月15日14時45分で、4月18日の午後5時20分にはFBIが街頭の監視カメラ映像から容疑者の写真を公開、4月19日午前0時ころには犯人逮捕(兄死亡、弟重症)にいたったことです。
 さすがアメリカと言いたいところですが、実は犯人は2002年頃に難民としてアメリカに移民したチェチェン人の二人兄弟でした。 機密情報機関が最優先で監視対象としていた条件にピッタリのターゲットだったのです。 少なくとも複数の情報機関がこの家族を含め交友関係、日々の行動、思想傾向、さらに通信傍受などあらゆる情報を蓄積していたことでしょう。  最高レベルの警戒態勢をひきながらテロを防げなかったことはアメリカ社会に衝撃を与えたはずです。  9.11の時にも米情報当局は事件後間をおかず容疑者の氏名まで発表しました。  その後アメリカ政府は青天井の予算を機密情報関連政策につぎ込み人員、財政とも雪だるまのように肥大しました。 しかしその能力はかえって低下し重要な情報をくだらないゴミ情報の中に埋もれさせているのです。 アメリカはますます警戒心を高めすべての外国人、移民、自国民さえスパイの疑いをかけプライバシーさえ反故にして民主主義の盟主の座から転げ落ちているのです。  テロを防ぐ最良の方法は紛争の武力による解決を避け、世界から貧困や憎しみの連鎖を減らすことです。 これには忍耐と長い年月がかかりますが、この間の米国を中心にした力による解決が、以前にまして紛争を拡大させ民族や宗教対立を拡大させて日々多くの犠牲者をつくりだしていることからも明らかです。

 賢明なアメリカ国民が目を覚ましつつあるものと期待せずにはいられません。