無精髭

無精者の日記です

汚れっちまった悲しみに

2013-08-02 07:54:04 | 日記

町田康×中原中也『汚れっちまった悲しみに』

 

 「汚れっちまった悲しみに」は朝日新聞連載の「プロメテウスの罠」で掲載された、大熊町で林業に携わっていた高橋さんが畳1枚分のベニヤ坂に書いたという中原中也の詩です。 高橋さんは大熊町に戻ることをあきらめいわき市に中古住宅を買い生活しています。  

 中原の詩は土地や環境が汚れてしまったことを嘆いているわけではないのですが、放射能に汚染されて失ってしまった当たり前の生活や自然、そして喪失感に押しつぶされそうな心にジンジンと響きます。

 そして今も新たな汚染がつづいているのです。

 

 「汚染水漏れ口2年間放置」 「福島第一、汚染水危機」 「海への流出止まらぬ恐れ」 (朝日新聞8月1日、3日)

 放射能汚染が止まりません。 「冷温停止」したはずの原発ですが、気体として0.1億ベクレルは今も放出が続いているし(東電発表)、海の汚染はもっとすごい。 小出助教は、海への放出は東電が発表した陸の汚染「広島原爆160個分」の何十倍もの放出があったに違いないと話されていますがさらに汚染が続いているのです。 高濃度に汚染された配管の坑道の水位が潮の満ち引きに同期して上下している(海とつながっている)事を知りながら何ら対策も取らずに2年間も放置するなどとんでもないことですが、一方でこの作業現場(2号機、3号機タービン建屋の海側)は非常に線量が高く、以前に視察に参加した時点でも1400マイクロSV/hもの線量でバスも急いで通過したくらいのところです。 こんな所で1時間作業をすると1.4mSV被ばくしてしまいます。 一般人の年間許容線量を1時間で超えてしまうのです。  作業員の大量被曝が懸念されます。