無精髭

無精者の日記です

止まったままのメガソーラー計画

2012-10-01 23:22:13 | 日記
 昨年の暮れだったと思いますが南相馬市桜井市長の話を聞く機会がありました。 その頃市は大きな問題を抱えていました。 それは震災復興に力を振り絞って働いてきた市職員の大量退職(100名を超える)の問題でした。 全力で頑張っているのに、市民の不満不安のはけ口にされて多くの職員が精神的なダメージをうけ定年前に退職しようとしているというのです。 翌年3月には看護士を中心に本当に大量退職が発生しました。 市長はこの町を復興に立ち上げるには職員にも市民にもわずかでも希望が持てる具体的な計画が必要で、その一つはメガソーラーなど自然エネルギーの建設や研究機関の誘致だ、と話していました。 ソフトバンクの孫正義社長のてこ入れでトントン拍子に進むかと思われたこれらの計画が一向に進まないと思っていたら、なんと農水省が農地転用に待ったをかけているというのです。 農地に住宅を建てたり農業以外の目的に使用する場合はこの農地転用許可を受けなければならず、この制度は農地の乱開発を抑止して食料自給率を高めようという農水省の方針に一定の成果を上げてきたことは事実でしょう。
 しかし、いま相馬郡、双葉郡においては津波被害に加え、放射能汚染で田畑は荒れ放題に放置されているのです。 とても優良農地などと言えるものではありません。 汚染の主体をしめるセシウム134、137の半減期は134が2年ほどですが137は30年と長くその比率は1:1とされているので放射能は10年ほどで半分以下になるでしょうが、その後はだらだらと100年あまりもかけて減少していくのですから、農家にとっては致命的です。 しかも田んぼで言えば耕地整理された優良田圃でさえ4割方減反させられているのです。 農地として不適格となった被曝地を転用して何とか復興しようとして知恵を絞っている自治体に冷や水をかけるような農水省の態度には驚きをこえて怒りを感じます。