ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

実用性。

2006年01月08日 | blog
なんでも、モノは実用性だけじゃない。じゃないですか。
実用一点ばりだけのものと、そうじゃないモノの境界線ってどのへん?

100円ライターは実用一点張りですよ。
でもBicのカラフルなやつとかはちょっと違うか。
服とかは違いますよね。

お米を計るプラッチックのカップと、
ごはんがくっつかないイボイボのしゃもじは、実用一点ばりです。
お米は日本人にとって大事なものだけれど、だからそういう道具は
あまりにも「使う」がゆえに「超実用品」になっちゃった。
そのへんに、もうちょっとだけ「情緒」があってもいいんじゃない?とかおもったりして。

うーん、考えてみると、
ほんらい機能性/実用性だけでいいような「白もの(家電)」に、
「余計な華飾(かしょく)」とかしちゃうから、ヘンなことになっちゃうんだな。
いわゆる「デザイン」とか必要ないものに、
本来の意味での「デザイン」をしてこなかったというか。
(D&DEPARTMENTの商品は「本来のデザイン」だなぁ。昔ばかりがいいわけじゃないけど)

デザインが「華飾」になっちゃった、その原因っていろいろあるけど、
わたしの持論としては、「作り手が作ることに慣れてない」ということだと思ってます。
買うこと、消費する事に対して、作る「機会」が少なすぎる。
消費とものづくりのバランスが崩れて、経験のインフレが起きつづけている。
たとえそれを「なりわい」にしていようとも。

自信がないから、「余計なこと」ばっかりしちゃう。
どんどん作らなきゃなんないし。
また誰でも簡単に作れちゃうし。

なんてひまなことを考えている連休のナカ日。