武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

武道PT的リストマニア 瞑想のすすめ編

2010年10月07日 | 文献紹介(武道PT的リストマニア)
key word:瞑想 頭蓋仙骨療法 筋膜リリース ヨガ フェルデンクライス

前回のblogにて
脳科学的に言うと『瞑想』とは
脳にあるデフォルト・ネットワーク(無意識・休息時に働く脳回路)を活性化させる行為であると紹介しました。


今回の武道PT的リストマニアはセラピストである自分もスッキリできる瞑想編。どれも健全な内容です。内的言語(顕在意識や自我)が暴走している方は瞑想すると違う自分が見えてきますよ。
またデフォルトネットワークが発達すると発想が豊かになりクリニカル・リーズニングや治療が独創的かつ効果的になるかもしれません。

他にも瞑想状態となると、
頭蓋仙骨療法・筋膜リリース・FI(機能的統合)の触診・治療技術が向上する
催眠・心理療法の理解・実践力が向上する
動作分析が楽になる(三次元的解釈やメンタルローテンションが得意になる)
武道・スポーツが上達する
自分の身体が楽になる
などのセラピストとしてのメリットが多くあります。


呼吸を感じるエクササイズ
井上 ウィマラ著
評価 ☆☆☆
前半は基礎運動学などでお馴染みの呼吸生理学について解説されていて学生時代のおさらいという感じですが、後半はとても引き付けられます。呼吸をする意味、自分の涅槃(死に面した瞬間)までポジティブに考えさせてくれます。


実践ヴィパッサナー瞑想呼吸による癒し
ラリー・ローゼンバーグ箸
井上ウィマラ訳
春秋社
評価 ☆☆☆☆☆
ハーバード大学、シカゴ大学、ブランダイズ大学で教鞭を取っていた社会心理学博士による瞑想実践法の紹介と解釈。西洋化された現代日本人には西洋人による東洋思想のひもとき方の方がピンとくるのかもしれません。心が洗われる本です。


ブッダの瞑想法
ヴィパッサナー瞑想の理論と実践
著者 地橋秀雄
春秋社
評価☆☆☆
Amazonにて評価が高かったので買いました。ウ゛ッパッサナー瞑想について理解するには良いのかもしれません。


白隠禅師『夜船閑話』に学ぶ
丹田呼吸法
著者 村木弘昌
三笠書房

評価 ☆☆☆☆
医学博士である著者の夜船閑話の解釈と実践法。丹田呼吸といってもいろんなやり方があるんですね。武道・武術を学んでいくと必ず白隠禅師の逸話は出てきます。有名な『軟酥の法』はフェルデンクライスのATMなどとの関連を考えながらひもとくと面白いかもしれません。


シンプルメディテーション
瞑想をこれから始める人の本
著者 綿本 彰
新星出版社
評価☆☆☆☆
綿本氏はヨガ関係の本を何冊か出版してます。カットで使っている写真がとても美しく瞑想イメージを沸き上がらせてくれます。またこの本はCD付きなんですが綿本氏の声がとても良く聞いていると癒されます。ヨガの
世界感は心理学的に紐とくととても面白いですよ。


太極拳をはじめませんか
著者 王茂斌
春秋社
評価☆☆☆☆
太極拳は理学療法でも転倒予防効果があるということで近年、脚光を浴びるようになってきました。太極拳も合氣道と同じく奥深いようです。この本は簡単な動作を組み合わせ形に囚われずに太極拳の効果を出す事を主眼としてます。太極拳素人の私がいくつか視聴したDVDの中で一番しっくりきたのがこの本でした。動禅・立禅に役立つかもしれません。患者さんのバランス指導にもヒントをくれます。


ヒーリング・ボディ
[からだを超えるからだ]

著者 上野圭一
海竜社
評価☆☆☆☆

ある意味ショックな内容でした。ドラッグと瞑想の関係について鍼灸師である筆者の体験も含め記述してあります。国中がドラッグ漬けだったベトナム戦争前後のアメリカでは大統領からヒッピーに至るまで多くの者がドラッグ漬けだったとか。アメリカの瞑想愛好者の中にはドラッグでの幻覚体験を期に、副作用の少ない瞑想に向かうものが増えたそうです。そういえばTHE BEATLESはドラッグに走り、その後インド(チベット?)まで行って宗教・瞑想にはまったりしてたと聞いたことがあります。脳内麻薬中毒者というところでしょうか?瞑想は注意しないとやはり危険なようです。


瞑想しない生活も危険(自我の崩壊や自殺など)ですが現実を無視して瞑想漬けになるのも危険なようです。ひぇー。

お互い気をつけましょう!!

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