武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

咀嚼、脳、立位バランスとスローフード

2011年02月11日 | コラム
先日のNHKためしてガッテン「脳と体を刺激せよ!」で歯と噛み合わせについて特集していました。


 歯がないと握力などの筋力が低下するのは有名な話ですね。それだけではなく歯がないと下顎が不安定になり、立位バランスが低下するという報告がされていました。噛み合わせ不良で脊柱側湾や前湾・後湾などなど様々な変化が起こります。
多分、大方のセラピストが知っているのはここまでではないでしょうか?

今回のためしてガッテンでは歯と脳の関係についても述べていました。


 歯茎にある歯根膜は圧刺激にとても感度がよく、1,000分の5mmの差を検出できるそうです。そして、その歯根膜からの圧刺激は三叉神経を介し運動野、感覚野だけではなく海馬、前頭前野そして線条体を賦活する作用があるとのこと。
線条体はやる気・活力を司る領域なので、噛める・噛めないは様々な影響を心身に及ぼしていくということが最近分かった知見だそうです。
また、歯の本数が少ないと、側頭葉内側の委縮が顕著になるとも言ってました。この部位は海馬にあたり、アルツハイマー型認知症での画像所見と高い相関があるそうです。

 以前の私のブログ記事
「世界気功フォーラム」
で歯の噛み合わせが、頭蓋縫合に影響を及ぼしているので噛み合わせ低下は脳脊髄液の還流低下そして覚醒低下などを引き起こす可能性があると書きました。噛むという行為や噛み合わせは様々な面で大切なんですね。患者さんの評価・治療で噛み合わせや顎も大切、と改めて思いました。


一昨年から厚生労働省は「噛ミング30」ということを提唱しているそうです。一口で30回噛みましょう!ということなんですが皆さんどうでしょうか?
私は学生の頃、体育会系の部活に所属し早飯食いが当然でした。人より早く食べるのが美徳的なところがありました。そして、勤務先の病院でも職員は男女を問わず皆早飯食いです。

 そんな環境の中で暮らしていたので私も早く食べていました。でも、今は人目も気にせずかなりゆっくり食べるように意識しています。(ここからは今回のガッテンの内容ではないんですが)良く噛み唾液の分泌を促しながら食べるとデトックス効果も得られるとか。ヨガの行法で唾液の分泌を促すものがあるんですが、古代インドでは唾液は薬として考えていたようです。ちなみに唾液の分泌量が多いほど、ガン細胞を減じるという動物実験も報告されています。

 神経生理学・生化学的な知見だけではなく、精神的にもゆっくりと噛んで食べることは大切です。食べ物に感謝し、きちんと味わい、食べ物の「氣」を吸収するのであれば自ずと咀嚼数は増え食事はゆっくりとなります。

 皆さん、いかがでしょうか?忙しい現代社会ですが、姿勢を正しゆっくりと心を静め食事をする習慣を付けたいものです。

 心を静めることで様々な光景が見えてきますよ。





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2 コメント

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初めまして (セラピスト)
2011-02-11 17:46:04
良いブログを見つけました!

文献等、参考にさせていただきたいことが盛り沢山で嬉しいです。

これからも楽しみにしています。
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ありがとうございます (武道PT)
2011-02-12 23:01:36
お褒めの言葉ありがとうございます。リクエストなどあったらアップしていきますので、気軽にコメントをして下さい。今後とも宜しくお願い致します。
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