BRING UP

①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

「東京島」

2010年06月10日 | Weblog
「東京島」
桐野夏生著  新潮文庫  552円

 清子は、暴風雨により、孤島に流れ着いた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、なぞめいた中国人が漂着する。三十一人、そのすべてが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震える―。
 東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世記。谷崎潤一郎賞受賞作。
   以上、裏表紙より

 新都心の紀伊國屋の入り口に大量に平積みになっていたので手に取った。表紙の木村多江が好きだったので興味を持った。
 島の住人31人が男、女はただ一人、どうなるの。「日本一不幸が似合う女優」が主演の映画か、なるほど…。ということで購入した。

 面白い。「一気読み」だった。冷えたビールと同じ一気飲みならぬ、一気読み。
 島の各所をブクロ、ジュク、シブヤ、キタセンジュ、チバ、オダイバ、コウキョ、トーカイムラなどと呼んで、まるでトウキョウが東京であるかのように見立てて、それそれのライフスタイルを保ちながら暮らしている。人物描写がそれぞれにマッチしているようでうまい。
 読んでいくうちに大体の結末は予想できるのだが、これは判らなかった。しかし良かった。どのように終結させていくのか疑問だったが、完璧なラストだった。

 エンタテイメントとしてOK。

 女性が読んだらどんな感想を持つのだろうか。

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