子どもができる前は女の子が欲しいって思ってた。大きくなっても、友だちのように一緒にいられるから。だから、女の子が生まれたときはすごく嬉しかった。でも、そのあと男の子が生まれてわかったの。女の子は所詮、友だちなのよ。だから、楽しいけれど、どこか張り合ってしまうところもある。パパと内緒話をしているところなんか見ると、腹が立つこともあるわ。でも、男の子は恋人なの。たとえ自分の子どもでも、異性なのよ。だから張り合ったりしない。無条件になんでもしてあげたい。逆に、優しい言葉をかけられたら、それだけで元気になれる。娘と彼氏の話をするのは楽しみだけど、息子と彼女の話をしたら、きっと複雑な気分になるんじゃないかしら。
湊かなえの小説のある一文。
「男の子は恋人なの」
妙に、気になるページだった。
30年以上、何百人になるか男の子、そしてお母さんを見てきた。我が家にも男の子はいる。そして私自身、昔男の子だった。この一文で何か府に落ちたような気がする。母にとっての息子の存在のある一面を感じた。
「でも、なんだかなあ……」
母になったことがないから、やっぱりわからない。父にはなったが(父と言えるかどうか?)娘もわからない。やはり娘は宇宙人か?
『贖罪』(文庫) 湊かなえ著 双葉社/2012年
上記の一文はこの本の260ページ。
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入となる。
娘を喪った母親は彼女たちに言った――あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結束は!?
(カバー裏表紙より)
湊かなえは読ませるなあ。
湊かなえの小説のある一文。
「男の子は恋人なの」
妙に、気になるページだった。
30年以上、何百人になるか男の子、そしてお母さんを見てきた。我が家にも男の子はいる。そして私自身、昔男の子だった。この一文で何か府に落ちたような気がする。母にとっての息子の存在のある一面を感じた。
「でも、なんだかなあ……」
母になったことがないから、やっぱりわからない。父にはなったが(父と言えるかどうか?)娘もわからない。やはり娘は宇宙人か?
『贖罪』(文庫) 湊かなえ著 双葉社/2012年
上記の一文はこの本の260ページ。
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入となる。
娘を喪った母親は彼女たちに言った――あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結束は!?
(カバー裏表紙より)
湊かなえは読ませるなあ。