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『なぜか「娘に好かれる父親」の共通点』

2005年04月26日 | Weblog
『なぜか「娘に好かれる父親」の共通点』
多湖 輝著  新講社発行  1300円


 まえがき-父よ、あなたは娘に好かれていると「断言」できますか?

 女の子が生まれると、父親の目尻は二センチぐらい下がります。
「これがまたかわいいんだ。もう誰に何と言われようと、親バカでかまわない」
 そんなことを言って、幼い娘の写真とかツーショット写真を、会社の仲間や仕事先に見せびらかしたことが、どのお父さんも一度や二度はあるはずです。
 ところが、目の中に入れても痛くないほどのかわいがりようで育ててきたのに、いつの間にか娘との距離が離れていってしまいます。いつしか娘のほうが、父と距離を置くようになってしまうのです。
 父親が一歩出れば、娘は二歩下がるという感じでしょうか。
 ここで多くの父親は娘がわからなくなってしまいます。
「そんなに露骨に避けなくたっていいじゃないか」
 というわけです。
 小さい頃はあんなに「パパ、パパ」となついていたのに、なぜこんなにも避けられてしまうのか、いったいどこですれ違ってしまったのか。「お父さんの洗濯物といっしょにわたしのを洗わないで、お母さん」などというセリフがなぜ娘のロから出てくるのか。悩む父親は意外に多いのです。
 あるいは、一時期、娘が父を避けるのはハシカのようなもので、時期が過ぎればまた昔のようになるだろうと楽観視している父親もいます。
 楽観視というよりは、そこに一縷の望みを託しているということかもしれません。
 いずれにしても幼い少女の頃のままの「パパ大好き」という関係が続いている父娘のほうが少ないのです。
 なぜそんなふうになってしまったのでしょうか?
 距離ができた関係を昔のように近いものにすることは可能でしょうか?
 そのためにはどのようにすればいいのでしょうか?
 そんなことを、娘をもつお父さんの立場に立って考えてみたのがこの本です。
 と言っても、まだ娘が幼いお父さんは、「うちの娘に限って自分を避けるようになるはずがない」と楽天的に考えているかもしれません。
 娘が思春期を迎えた頃のお父さんは、「その『まさか』がわが家で起きていて、最近は娘と話もできない」とやや呆然としているかもしれません。
 あるいは、すでに成人した娘といっしょに暮らしているお父さんは「忙しさにかまけているうちに、この他入行儀の関係は今さらどうすることもできない」とあきらめているかもしれません。
 この本では、そんなすべての日本の父親のことを考えていこうと思っています。ですから今はまだ娘が幼くていい関係が続いているお父さんにも、あるいは転ばぬ先の杖として役に立つのではないかと思います。
 距離ができてしまった娘との関係を修復するといっても、娘のご機嫌をとってすり寄っていくのではありません。
 そんなことをしても距離は埋まりません。
 そうではなくて、むしろ今、娘とはうまくいっていなくても、父親らしく娘と接していくにはどうすればいいのか-父親としての自然体の姿を考えていきたいと思います。
 父親には父親の役割があります。娘との関係を再考するというのは、軽くなってしまった父親の役割を取り戻すということでもあります。ふたたびよき父親を演じるにはどうすればいいのかということでもあります。
 そんなことをみなさんといっしょに考えていきたいと思います。                                      

以上まえがき

多湖輝 Akira Tago
1926年生まれ。東京大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業、同大学院修了。
千葉大学名誉教授。心理学者。元千葉大学附属小学校校長。
東京都・「心の東京革命」推進協議会会長。(財)中央教育研究所理事長。
(財)ソニー教育財団顧問。(学)マルチメディア・アート学園校長など歴任。
著書に、
『「二人きょうだい」の人のための本』
『12歳からのマナー集』
『「一人っ子長女」のための本』
『「一人っ子長男」のための本』
『「長女」のための本』
『今も心に残る「しつけの一言」』
『子どもとつき合うのがヘタなお母さん・お父さんへの「手紙」』
『学習力は丸暗記でつける』


 娘の結婚式の最後に新婦の父親の挨拶をしている自分を想像しています。しっかりと語っているのか、それとも涙を流しているのか、どうせなら号泣がいいな。長女と次女で差があっちゃまずいな。などと考えてしまいました。

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