1.『本で床は抜けるのか』 西牟田靖 (本の雑誌社、2015年)
気づけば部屋中本だらけ。
底抜け危機勃発!
蔵書家たちの対策は?
売却、電子化、書庫づくり……どの方法で切り抜ける?
家族も巻きこむ蔵書問題へ果敢に挑んだ体験記。
【本書に登場する人たち】
蔵書をまとめて処分した人(内澤旬子)
蔵書を電子化した人(武田徹、大野更紗)
私設図書館を作った人(内記稔夫、中野純、大井夏代)
大きな書庫を作った人(松原隆一郎、草森紳一)……
(帯より)
「床が抜ける!」
昔、お袋によく言われたことを思い出した。畳に本棚がめり込んでいたっけ。本は捨てられない。
著者は、増えた本を仕事場から自宅に持ち込むことも一因となり、娘を抱えた妻と別居、離婚に至った。本が離婚の理由になるとは。最近本棚の空きスペースが無くなり、とうとう禁断の床への平積みになってしまった。台所へも侵食してしまったし、困った。
2.『コロノスのオイディプス』 ソポクレス (岩波文庫、1973年)
『オイディプス王』で我が目をつぶしたオイディプスの、その後の放浪の旅と父子の葛藤、神との和解を描く。人知人力をもってはいかんともしがたい運命、そしてそれを知りながらも屈服せずに我が道を歩むオイディプス。この悲劇は、運命の底知れぬ恐ろしさと、それに対する人間の強さというものを考えさせずにはおかない。(表紙より)
以前読んだ『オイディプス王』の続編、戯曲。できれば演劇として舞台で観てみたい。
3.『フランス人は10着しか服を持たない』 ジェニファー・L・スコット (大和書房、2014年)
高級料理を食べて、たくさん買い物をして、あちこち旅行をしても心から満足を感じられないあなたへ。アメリカでベストセラー!
貴族の家にホームステイした著者が見た情熱的に、お金をかけずに、生活を心から楽しむ方法 (帯より)
典型的なカリフォルニアガールだった著者は、フランスの貴族の家にホームステイすることになる。その家を取り仕切るマダム・シックから学んだのは、毎日“特別な日”のように生きること。 (表紙裏より)
10着と言っても、ワードローブが10着しかないわけではない。この中に上着類は含まない。シャツ類は含まない。夏用、冬用、春秋用、各10着ということ。けっこうな量になると思うのだが、ジャージと練習着しか着ない自分としてはあまり関係が無い世界か。娘が読みたがったので渡した。感想はまだ聞いていない。
4.『人間失格』 太宰治 (青空文庫、1999年)
大庭葉蔵;主人公、東北の金満家の末息子、気弱なため道化を演じる。
竹一;中学の同級生、葉蔵の道化を見抜き二つの予言をする。
堀木正雄;葉蔵が通う画塾の生徒。6つ年上、葉蔵によからぬことを教え込む。
ツネ子;カフェの女給、葉蔵の2つ年上、葉蔵との入水心中で死亡。
渋田;ヒラメと呼ぶ。古物商、葉蔵の身元保証人になる。
シヅ子;雑誌社の記者、葉蔵に漫画の寄稿を勧める。
シゲ子;シズ子の娘、葉蔵に懐く。
ヨシ子;タバコ屋の娘、葉蔵と所帯を持つ。
マダム;バアの主人、葉蔵の保護者のよう。
薬屋の奥さん;未亡人、葉蔵が薬に頼る事になったきっかけ。
本作は自伝的な小説なのか完全なフィクションなのかどちらかわからない。発表の年が没年となっているが、太宰自身はなんと語るのだろうか。
読み進むと、正直な所、胸が悪くなるような「拒絶反応」が出てきた。
「俺の趣味じゃない!」
本作にははしがきとあとがきがあるがその二つに救われたように思う。はまってしまったのか? ずいぶん前、『グッド・バイ』を読んで太宰はやめた。
この年になってまた、「太宰はしか」はいやだ。
先日娘の部屋の床に、この文庫本が置いてあった。持っていたのに。
青空文庫とはインターネット上の電子図書館。国内で著作権が切れた文学作品が数多く紹介されている。かなりお得なサイト。
ダウンロードした後、ディスプレイ上だと読みにくいので、私はいつもプリントアウトして読んでいる。ページをめくるという作業がないと読んだ気がしない。
下記、青空文庫のURLです。一度お立ち寄りを。
http://www.aozora.gr.jp/