書院から蓬莱島をのぞむ。
実は、先日の京都行きは重森三玲美術館訪問のためでした。ここは重森三玲の旧宅をご遺族が管理されており、場所柄、建物や庭園の維持のため制限が多く、思うような写真が撮れませんでした
そのため悩みましたが、やはりアップすることにしました。
美術館へようこそ。
もともとは近くにある吉田神社の社家である鈴鹿家の邸宅を後年三玲が譲り受けたもの。主屋部は招喜庵として文化施設として利用されていますが、通常は非公開。私は一度写真展を観に来たことがあります。(京都国際写真祭その3【招喜庵】)
以前訪れた方のブログを拝見していると書院の中の写真があるのですが、私が行った時は書院や茶室の一部は撮影禁止。書院奥から庭を撮影することだけが許可されました。
1枚目の写真上部に少しだけ映り込んでいる照明は、イサム・ノグチから贈られたものだそうです。
まるで生き物のようで今にも動き出しそうな石。
三玲ならではの曲線も健在。
石は鑿などで好みの形に削らせるとか。
行き届いたお手入れで元気いっぱいの苔。
坪庭。敷石の置き方や窓枠などこれでもかのモダンな造り。
解説をしてくださる方は、三玲氏の面影を残す親族と思しき方。角ばった骨格と少し気難しそうな佇まいは、写真や映像で見たことのある三玲氏を彷彿とさせ、三玲氏の言葉を直接聞いているようで嬉しくなります。
桂離宮を思わせる市松模様ですが、波の曲線でひとひねり。
近くに京都大学があり、5分も歩けば大通りへ出るのですが、そんな喧騒もここには届かず、とても静かです。
茶室の好刻庵は1969年、書院前庭は1970年の作だそうですから、晩年の70歳代の作品ですね。終の棲家を意識しての制作と思われますが、茶室や書院からの景色は、穏やかさの中に闘志とも言える尖った感性が垣間見えるものでした。
ちなみに茶室入室見学は10月の他は、12月6日~3月中旬、それ以外は外からの見学のみだそうです。また月曜日は休館です。
庭は生きもの。季節を変えて、また違う風情を楽しみに来たいです
紅葉が色づくとまた風情が変わるかもしれません。
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