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『鳴き龍』くらべ その1【大徳寺】

2016-05-23 21:55:56 | 京都

肝心のところは撮影禁止です。

 

春の京都禅寺一斉拝観で、『鳴き龍』が公開されているので行ってきました(現在は終了)

本日は大徳寺の鳴き龍をご紹介。

狩野探幽35歳の筆の『雲龍図』は、今から約400年前のもの。お寺としては、建仁寺や天龍寺なんかの方が古いのですが、そちらにある『雲龍図』は昭和の画家が描いたもので、古さでは大徳寺のものがダントツだとか。ただし、格式としては建仁寺や天龍寺の方が上なので、こちらの2寺には玉を持った昇り龍が描かれ、大徳寺のものは玉を持たない『鳴き龍』なんだそうです。

さすがに角の鳳凰なんかは薄くなって判別しづらくなっていますが、中央の龍は墨が綺麗に残っていて、表情まではっきりと観ることができます。骨太でちょっと肉厚な龍の表情はいたずらっ子のようにも見え、案外に陽気な龍です。探幽もまだ若くて元気だったということでしょうか。

ボランティアガイドの方が手を叩くと、体育館ほどもある高さの天井からうわん、と音が跳ね返ってきます。

ほほぉ、これが『鳴き龍』なんですね。

乾いた、甲高い鳥の声のような響きが、なるほど龍の鳴き声みたいです。現代人は大音響にある程度慣れていますが、昔の人は度肝を抜かれたことでしょう。400年前と同じ音が返ってきていると思うと、楽しいです^^

『雲龍図』のある法堂のすぐ近くには国宝の唐門があります。法堂や唐門はもちろん、周りの庭も撮影禁止なので残念ながらこちらには掲載できませんが、日光の陽明門を想像していただければ雰囲気はわかっていただけるかと思います。

唐門に近づくと、ワイシャツ姿のおじさんがすすすと近寄って来て、解説が始まりました。こちらもボランティアガイドの方。――この唐門は聚楽第の遺構で、明治に移築され、十年ほどまえに修復して塗り直して云々・・・。汗だくになりながら、ものすごい勢いで解説していきます。・・・この門は色の鮮やかさも豪華だが、それ以上に意匠に使われている動物の種類が豊富で、中国の故事に基づいて云々・・・。

鯉やクジャク、獅子に牡丹と一気にしゃべり終わったら、突然踵を返して門から離れていきます。??? 後から来た別の観光客の方と一緒についていくと、途中で90度に向きを変え、門の側面でストップ。今度は横から見た門の意匠解説です。夢を食らう獏や蜃気楼のシン(だんだん難しくなってきてこの辺りはうろ覚え^^;)など、聞きなれない動物に問い返したら、漢字で名前を書いたアンチョコをずずいっと前に出して見せてくれました。ううむ、慣れてます。まことにスキのない解説。でも、すこうしテンポが早い・・・

最後に、「めったに見られるものじゃないからゆっくり鑑賞してってください」との言葉を残すと、風のようにその場から去って行かれました。恐らく、新たな観光客が来る前に退散? なさったと思われます。この日は30度はあろうかという真夏日。暑かったんでしょうね でも、端折ったりせずに、全部をきちんと解説してくださいました。どうもありがとうございます

来てみて気が付いたのですが、大徳寺といえば一休和尚のいたところ。その他にも石田三成のお墓(通常非公開)や千利休が秀吉に難癖をつけられる発端の一つとなった山門(とても豪華でした)に、大徳寺納豆と、そういえば、という見どころがたくさんありました。

一休さんゆかりの一休こんぶと大徳寺納豆。

大徳寺納豆を試食しましたが、全然甘くなくてびっくり。かぎりなく塩昆布に近く、保存食って感じでした。疲労回復に良いそうです。

三成公のお墓もあります。

撮影禁止は残念ですが、実際に足を運ばないと見られない景色をとっておくのは大事なことかもしれません。

明日は相国寺の『鳴き龍』訪問記です

 

 


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