防災士日誌

自然災害における防災活動、救助訓練などの参加レポート

仁川地すべり跡を訪れて

2008-12-23 19:44:04 | 災害史・災害跡・防災施設を訪れて

皆さん、こんばんは。

今日は仁川地すべり跡について報告します。

まずは阪神・淡路大震災での地すべりの被害について、また仁川地すべりがどういったものだったのかを説明します。

 【阪神・淡路大震災(兵庫南部地震)での仁川地すべり被害

阪神・淡路大震災によって発生した土砂災害で、最も大きな被害が出たのが仁川百合野地区です。地すべりの規模は、幅約100mで、深さ15m、移動土塊は約10万㎥に達し、崩壊土砂は二級河川仁川を埋塞するとともに、家屋13戸を押しつぶし、34名の尊い人命を奪いました。


仁川百合野町地すべり

土砂災害には大きく分けて3つのタイプがあります。

簡単に説明しますと。

崖崩れ
雨水がしみ込んだり、地震により弱くなった急斜面が突然崩落すること。

土石流
大雨による雨水と一緒に谷や斜面の土砂が一気に流れ出すこと。

地すべり
比較的緩やかな斜面が地下水などの影響などでゆっくり動き出すこと。


通常の地すべりは年間に数mm程度以下の運動で、地すべりで死者が出る事はあまりありませんが、それでも仁川百合野町地すべりのように死者を出す例外的な高速地すべりがあります。

高速地すべりとは地震などで発生し、速いもので毎秒5~10mまたはそれ以上なので、崖崩れや土石流同様に危険地帯にいると逃げる間もない速さで襲ってきます。

高速地すべりについては、こちらの京都大学防災研究所 佐々恭二教授の「地震時の高速地すべりのメカニズムとその予知」を参照ください。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/17/02/05022101/003/008.pdf



【災害地を訪れて】

現地に着いて、まず仁川百合野町地すべり資料館に入る前に周りを散策したのですが、資料館横に地すべり跡を見渡すように慰霊碑が立っていて、そこから地すべり跡を見たときは胸が締め付けられる思いでした。

震災当時は逃げる間もなく高速地すべりで犠牲になられた34名の方が本当に無念だったと思います。

皆さんが住んでいる地域に土砂災害が起きる危険性が無くても、自分がそういった場所に行き災害が発生する可能性があるかもしれません。
その時の為にも、頭の片隅にでも土砂災害の知識を少しでも知っておいてください。知識があって知恵を絞れば対応も大きく変わると思います。

仁川地すべり資料館については以下のサイトを参照ください。

http://web.pref.hyogo.jp/hs04/hs04_1_000000023.html



日ごとに寒さも増してきましたので、皆さんも風邪など引かずに体調にはお気をつけください。

おやすみなさい。


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