犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

妻、倒れる

2018-09-20 23:14:03 | 介護生活

 東京にいる三女からのラインに気が付いたのは昼休みでした。

「お母さんがテニスコートで倒れて救急車で運ばれてる。テニスコートの人が連絡してくれた。お母さんも途中で電話に出て、なんとかしゃべれる状態だけど、ちょっと危険かもって、自分でも言ってた」


「埼玉医大に運ばれた。私も行ってくる。熱中症かな?」


 すぐに三女に電話をしましたが、まだ病院に向かうタクシーの中。

「熱中症なら、そんなに心配いらないでしょう。ぼくは今日は行けないから、付き添ってあげて」

 三女に託しました。

 午後の会議が始まってすぐ、三女からの第二報が来ました。

「くもまっかしゅっけつ。即入院」

(えっ!!)


 会議を中座し、すぐに電話しました。

 クモ膜下出血で、脳の動脈瘤が破裂したこと。
 カテーテル手術で動脈を修復すること。
 軽い出血なので、8割がた助かること。
 手術は3時間ぐらいで終わること。

などを聞きました。

 その日の仕事はすべてキャンセルし、新大阪から新幹線で東京に向かいました。

 クモ膜下出血!

 昔 、原因不明のひどい頭痛で、タクシーで都立病院に行ったことがあります。

 外来は混んでいて、順番が回ってきたのは3時間後でした。

 待っている間、スマホで「ひどい頭痛」などのキーワードで検索すると、「クモ膜下出血」がヒット。

 順番が回ってきたとき、先生に

「もしかしてクモ膜下出血じゃありませんか?」

と聞くと、

「大丈夫です。クモ膜下出血だったら、もう死んでます」

と一笑に付されました。

 私の中では、クモ膜下出血は「死」と強く結びついています。

 新幹線の中で、クモ膜下出血について調べたりしているとき、三女からのライン。

「手術成功したけど、左手足に麻痺があるので、もう一回手術するらしい。ゼロから別の手術だから、さらに3時間ぐらいかかる」

 私が埼玉の病院に着いたのは、夜8時過ぎ。二度目の手術はまだ終わっていませんでした。

 茨城にいる二女、遅い夏休みをとって、島根に車で旅行していた長女夫婦も駆けつけてくれました。

 3時間ぐらいと言われた二度目の手術が始まって、すでに5時間。家族の不安が募ります。

 夜11時過ぎ、手術室から執刀医が憔悴した様子で出てきました。

「カテーテルで、血栓を何度も掻き出したんですけれども、血流は完全には戻りませんでした。左半身に麻痺が残るかもしれません」

 妻は、ともかく一命をとりとめました。


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2 コメント

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お大事にしてください (スポック)
2018-10-05 15:14:35
とりあえずは生命の危険が去ってよかったです。
今後、リハビリで生活に支障が無いレベルになればよろしいのですが。
同じような年代の人間として、心よりお見舞い申し上げます。
返信する
スポックさん (犬鍋)
2018-10-15 23:07:04
返信が遅れました。

あたたかい言葉がけ、ありがとうございました。

幸い、妻の回復は順調で、現在リハビリ中です。通常の生活に戻れるかはまだわかりませんが、相当時間がかかるでしょう。

気長に介護していきたいと思います。
返信する

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