犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ヒトとは何か

2010-04-01 23:19:27 | 文化人類学
 人類の起源をさかのぼる,と言った場合,まず問題になるのは「人類=ヒト」の定義です。古代人類の名称には,人類の特徴を表しているものがあります。

たとえば,

ホモ・サピエンスは「知恵のあるヒト」。
ホモ・ハビリスは「器用なヒト」
ホモ・エレクトスは「立つヒト」

そのほか,これまでいろいろな思想家が,ヒトの本質的な特徴をあらわすためにいくつかの名称を考え出しました。

ホモ・ファーベル(=工作するヒト,ベルクソン)
ホモ・ロクエンス(=言葉を使うヒト,D・B・フライ)
ホモ・ルーデンス(=遊ぶヒト,ホイジンガー)
ホモ・デメンス(=錯乱したヒト,ゲーレン,丸山圭三郎)
裸のサル(モリス)

パンツをはいたサル(栗本慎一郎)なんていうのもありました。

 すべての古代人類に共通する特徴としては,「直立二足歩行」があげられます。というか,直立二足歩行していたかどうかが,人類の定義になっているようです。

 もっとも古い直立二足歩行の証拠は,360万年前のアウストラロピテクス・アファレンシスの「足跡」の化石ですが,直立二足歩行はそれよりも約200万年さかのぼると推定され,それが「人類の歴史600万年」の起点になっています。

 二足歩行する動物は,カンガルー,ダチョウ,ペンギン,エリマキトカゲ,チンハンジーなどもいますが,脊椎が地面に対して垂直になっていないので,「直立」とはいえない。「直立二足歩行」は人類だけの特徴なのだそうです。

 ヒトがなぜ直立二足歩行することになったのかはよくわかりませんが,大きく重くなった脳を支えるため,というのが有力です。

 また,二足歩行によって手が自由になり,手の使用が大脳をさらに発達させ,大きく重くした,などというスパイラルが考えられています。

 そのほかヒトの身体的特徴としては…

脳がでかい(体重に比べて)
体毛が薄い
武器として使える身体部位がない(牙,鋭い爪など)

 生理的特徴は…

赤ん坊がかよわい
発情期がない(というか年中発情している)
生殖以外の目的で交尾する

頭がいい(らしい)
痔になる
腰痛になる
汗をかく

 行動の特徴は…

しゃべる
ひもが結べる
キャッチボールできる
道具を使う
道具を作る
道具を使って道具を作る
焼き肉を食う
食べすぎることがある
食中毒になる
航海する
パンツをはく
化粧をする
名前がある
殺し合う
自殺する
埋葬する
介護する
絵をかく
学習する
冗談を言う
思い出し笑いをする
嘘をつく
おままごとをする
喜怒哀楽がある…

 これらさまざまな特徴のうち,あるものは猿人以来の特徴であり,あるものは原人段階で獲得したもの,あるものは現世人類のみの特徴です。

 以下,上の項目について,一つ一つ検討していきます。

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