今回のオリンピックで、初めて耳にしたのがパシュート。
調べると、2006年からオリンピック種目になったということですから、競技そのものは前からあったようです。しかし、これが耳慣れないのは、これまで「追い抜き」と呼ばれていたからでしょう。新語の採録に定評のある三省堂の国語辞典の最新版にもこの言葉はありません。
3人一組で行われるこの競技は、とりわけチームワークが重要。順番を入れ代わりながら、先頭の選手が後ろの二人の風除けになって、体力を温存。3人全員がゴールした時のタイムを測るんだそうです。
この競技で、日本チームは、ライバルのオランダをおさえて見事に金メダル。
オランダは長距離のメダリストを揃えた錚々たるメンバー。個人の実力の総和ではたぶん日本をしのいでいたと思われます。実は、オランダはパシュートの練習をしたのは1週間だけで、「1週間も練習すれば日本に勝てる」と豪語していたそうです。
これに対し、日本の4人(控えも含め)は、なんと300日も共同生活をして、チームワークを磨いてきた。一糸乱れぬレースぶりはこの練習の成果でしょう。
一方、地元韓国チームは第一回戦で敗退。この敗戦が大騒ぎになりました。(リンク)
韓国チームは、3人のうち2人がもう一人を大きく引き離してゴール。3人目のゴールがチームのタイムとなるので、当然、記録は悪い。パシュートではありえないゴールの仕方です。
さらにあろうことか、競技後のインタビューで、先にゴールした2人(キム・ボルム、パク・ジウ)が遅れた選手(ノ・ソンヨン)を非難するようなニュアンスの発言をしたことから、韓国世論が激昂。
大統領府の国民請願掲示板に「キム・ボルム、パク・ジウの国家代表資格を剥奪すべきだ」という意見が書き込まれ、10万人以上の支持を集める事態に。
その後、ノ・ソンヨンが「練習で差別されていた」「パシュートの練習は一回もしていない」などという内幕暴露的な発言も出た。
ま、選手のレース振りや発言にも問題はありますが、まだ競技が残っているのに、「国家代表資格剥奪」を叫ぶというのもやりすぎの気がします。
これまで、韓国が負けたときの非難の矛先は相手選手に向けられるのが常でした。今回のオリンピックでも、ショートトラックでそのような騒動があり、マスコミはそのような世論に批判的でした(リンク)が、韓国民の非難は、自国選手に対しても容赦がありません。
最新の画像[もっと見る]
- ベトナム技能実習生の物語 10時間前
- 総選挙の結果と大災害 15時間前
- 日本語教育能力検定試験 2日前
- ワールドシリーズ観戦 4日前
- 「違国日記」と朝ドラ「おむすび」 1週間前
- 韓国便り~マンネフェチプ 1週間前
- 韓国便り~マンネフェチプ 1週間前
- 韓国便り~カンジャンケジャン 1週間前
- 韓国便り~カンジャンケジャン 1週間前
- 韓国便り~カンジャンケジャン 1週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます