日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

日比谷の話を休題して青山

2018-05-06 15:04:56 | ふさおまき(オス)日記
昨日日比谷、本日青山。
はい、上京数十年、こんな身になるとは。

青山学院大の体育館で、Bリーグの試合を観ました。



サンロッカーズ渋谷VS大阪エベッサ
さて、どちらを応援するのでしょうか?と自分でも迷う組み合わせですが、
そこは初心者の役得で盛り上がりを優先します。
つまり、ホームチームの渋谷サンロッカーズの即席ファンになりました。
チームカラーの黄色いシャツを着ていったのは、
Bリーグにはまっている、小守スポーツのTトレーナーのご指導によるものです。

しかし、選手がみんなデカい。
2メートル越えが3人もいるし。
小さめの選手がいるなとパンフレットを見ると、ポイントガードという肩書きです。
守り優先のお仕事のようですが、その一人、山内盛久選手でも175センチ75キロ、私より背は高いしずっとがっしりしています。



始まるとその展開の速さが魅力なのが分かります。
攻め手が、一瞬の油断で守りに変わり、その都度バックの音楽がハイテンポから低い鳴動にと転換します。
チアリーダーたちも、『Gogoサンロッカーズ!』から、『ディフェンス!』と声援が変わります。観客席を向いているのに、どうやって試合の進行を見ているのか、
抜群のシックスパックをどうやって作り上げて入るのかと思う以上に、応援のプロとしての技を感じます。



第3エンドまではシーソーゲーム、しかし最終エンドで大阪側の攻勢が強まります。
残り四分で6点先行されたときは、もうだめだと思いましたし、
渋谷側選手の動きも悪くなったように見えました。

しかし!
スポーツの勝負は試合が終わるまでまで分からないという、金言はプロバスケットでも同じでした。

まずはファールの積算によるペナルティー。1エンドで5つファールをすると、次からはファールをするごとにフリースロー日本が与えられます。
攻勢をかけていた大阪側は、その頃すでに5つファールを犯していました。
残り四分、ファールでフリースローがイン。
4点差。
続いて攻撃してゴール。
二点差。

さらに。
相手に渡ったボールを電光石火、中に割って入り、すぐに奪ったのはポイントガードの山内選手でした。
身長差30センチの相手もなんのその、
躊躇なく放ったロングシュートはスリーポイントでした。
真ん中から、網を揺らすするりと乾いた音だけ残してのゴールとなり、ついに逆転。
タイマーは59.5秒の残時間でした。



サンロッカーガールズも最後まで声を枯らします。



サンロッカーズ勝利。
ヒーローインタビューはポイントガードの山内選手でした。

初のBリーグ戦、私の声も森進一です。



音楽を書き留めるという苦難

2018-05-06 03:03:04 | ふさおまき(オス)日記

12時間音楽に浸った初体験でなかなか神経は高ぶっていますが、

聴いているときにも言語化しようとしてかなわない、といいますか、

言葉にできても音の豊かさに言葉がついていかないもどかしさに身が縮みます。

本屋大賞「蜜蜂と遠雷」はえらい作品なのだとつくづく思います。

 

だから、メモ。いつかちゃんと言葉にできるように。

10時15分~11時「ドナウから黒海へ」

ブラームス:ハンガリー舞曲1,4,5番はフルートの細かいスタッカートが印象深いところです。楽器同士が追いかけあうような展開に、

      ところどころ音が引くようなシーンが表れて、日か季節が変わったような曲想かと感じるのでした。

      5番はCMでも出てくる耳に馴染んだ曲で、ドイツ音楽の伝統を受け継いだというブラームスの豊かな表情が気持ちよく

      耳に入るのでした。

バルトーク:ルーマニア民俗舞曲は、交響楽の中にスポットなって表れる民族楽的曲調が明らかで、これが19世紀後半のハンガリーに生まれた作曲家が

      20世紀に西洋学的音楽様式へと昇華させた技能なのだと納得するのでした。

エネスコ:ルーマニア狂詩曲第2番はとにかく早い、いや速い。100m走りか競技ダンスかという激しさは心拍も上がり、

     肉体化を求める曲。そんな言葉が頭に浮かぶと、言葉は貨幣であり、五感で把握した事象を肉体化して等価で他者に伝える道具なのだと、

     見知らぬ音楽体験に照射されるのでした。曲の終盤、音が無くなり終わったかと思ったあとに指揮棒が一振りされて、高音が伸びて本当に終了する

     エンディングの技術は、脳裏に日没後に一瞬だけ茜空を焦がす光芒を思わせるのでした。

     続くルーマニア狂詩曲第1番は、前3曲で、編成に数を求めず5000人収容の大ホールに力が弱いと感じられていた

     今回の演奏者であるルーマニアの「トランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団」が

     大いに音を鳴らして本領発揮、特に弦楽器が音の輪郭を明らかにしいていました。

     ヴァイオリンを高く長く伸ばす弾き方の中に、キーンと響き、まるで遠い上空を飛ぶジェット機の映像が浮かび

     面白いものだと愉快になったのでした。

 

本日の6分の1、まずは書き留めてみました。

続いて5月6日に続編

12時15分~13時

出演者:ボリス・エレゾフスキー(ピアノ)、ウラル・フィルハーモニー・管弦楽団

    ドミトリー・リス(指揮)

曲目

ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調op.95「新世界より」から 第4楽章

 やはり名曲です。今回のラ・フォル・ジュルネのタイトル「モンド・ヌーヴォー 新しき世界へ」には

 どストライクのタイトルですし。久々に通して聴くと、映画的エンディングともいえるかなり分厚いラストシーンは

 ただ讃えて終わるだけではなく、未来へ続くメッセージがこもっているような音の階層が差し込まれているような

 感じをうけました。

 ただ演奏についていえば、このオーケストラは本日初弾の演奏で、指揮者について行っていないもどかしさも。

 特にチューバの遅れが気になったり、バイオリンの音が途中で躓いたようにも聞こえて、

 もう少しだけゆっくり振ってくれてもいいのでは、などとそれこそ僭越なことを考えたりしました。

 

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番ト短調 OP.40

 ①アレグロ ピアノが出てくるとスター登場の魔法が舞台にかかります。

       しかし最初の音はオーケストラが奏でて、ピアノが引き継ぎ展開します。

 ②ラルゴ 今度はピアノの音から立ち上がります。ここまで感じていた微妙な指揮とオーケストラのずれは微塵もなくなり、

      一体としての肉体性を持ち始めてきたようです。

 ③アレグロ ビバーチェ 中盤に実に綺麗!なバイオリン協奏が現れます。あとでもう一度聞きたくなるフレーズ。

      最後は圧巻のピアニスト、激しく踊る指は、ドンと突き、素早く流れ出し華麗に輝きます。

      ラフマニノフはピアニストであり作曲家であるそうです。ロシア革命から逃れてアメリカにわたってからは

      もっぱら演奏者としての名声が先に立ち、在米25年で作曲家としての大作は6品。その一つが

      このピアノ協奏曲第4番であり、ロシア時代より「創意に富んだ輝かしい楽想が新境地」になっていると

      完全なパンフレットのコピーに、プロデューサーとしてよりも舞台の役者としての

      音の表現が先んじて、あの激しい指の舞踏に行きつくのだろうと想像したりするのでありました。

 

休憩。

一日たって5月7日。

3幕目はバイオリンに前橋汀子様を迎えて1階を見渡す限りは満席です。

5000人のホールを埋めるネームの強さは、赤いドレスの堂々とした佇まいにも表れています。

共演は再びルーマニアはトランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団。

曲目

メンデルスゾーン:「夏の夜の夢」から序曲 op.21

 今日聞く6ステージの中で、メンデルスゾーンは最も古い時代の作曲家です。

 1809年生まれで1847年に幕を閉じる人生は、隣に座る彼女に言わせればただただ美少年そのもの。

 古典の時代、とはいえ曲を書いた時には最先端なのでしょうから、

 ロマンチックと感じる甘い曲調は、前橋ソリストの大きなアクションに浮かび上がる繊細なメロディーによって

 古き良き時代とため息をつきながら聞くのがちょうどよい感じがいたします。

 

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 0p.64

 とても綺麗な流れの曲だと思いつつ、作曲家の代表作といわれる本作を初めて聞く私には、

 瀬も淵も見分けられず、やや焦りながら聞いていたことを白状します。

 遠慮がちな小鳥が緑陰の枝を渡り、地鳴きを短く重ねているのがもどかしく、

 もっと羽ばたいて囀ってくれぬものかと思うがごとく。

 当時にはなかった「カデンツァ」が楽章の中央に来るとパンフレットにあるのを

 後で聞きなおして確認しなければ。

 

再び息継ぎ。また明日。

そしてまた一日、仕事が終わって帰宅しました。

ラ・フォル・ジュルネの曲観はようやく5月5日の16時30分に入ります。

 

◆出演者

アンドレイ・コロベイニコフ(ピアノ)

ウラルフィルハーモニー管弦楽団

ドミトリー・リス(指揮)

 ◆曲目

チャイコフスキー:イタリア奇想曲

 手元のメモにはこう記している。「サロンでの描写。点描から動画へ」

 短い曲の短い曲間に、暗い中でペンを走らせているので字も判別しにくいところも言い訳しながら、

 最終版の盛り上がりに気持ちが高ぶった記憶がよみがえります。

 1840年生まれのチャイコフスキーが、1880年にイタリア旅行にインスパイアーされた出力だそうです。

 

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調OP.26

 音楽祭のテーマ「新しい世界へ」が私を混乱させます。

 たとえ20世紀とはいえ、97年前にロシア出身の作曲家が30歳の時に

 ロシア革命を逃れたブルターニュ地方で作曲に取り組んだ、という説明があっても、

 私にとっての新しい世界が感じられないと、頭にクレスチョンマークが散逸します。

 記憶できる主旋律がなく、一方で激しく上下して鍵盤をたたく指と、

 それを可能にする手首の柔らかさに視覚的印象が釘付けとなり、さぞや音楽家もスポーツ選手同様に

 目的に至る動きのドリルを繰り返して練習しているに違いないと考えていたのでありました。

 

今日も一幕で幕を閉じるブログの進み具合でした。

 

ラ・フォル・ジュルネの曲観はようやく5月5日の18時30分に入ります。

 

◆出演者

クルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団

カスパル・センダー(指揮)

 ◆曲目

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」OP.35

 1.海とシンドバッドの船

 2.カランダール王子の物語

 3.若い王子と王女

 4.バグダットの祭り~海~青銅の騎士の立つ岩出難破~終曲

千夜一夜物語、つまりアラビアンナイトの夜伽話を題材にした曲。

現代日本では信じられない精神的脆弱性と、理不尽な嫉妬心に乗っ取られた王と結婚した

若い妃の聖女性に頼る物語は、ただただ艶やかさを頼りにして手に取ったという

中学生の自分を思い出す物語ですが、インスパイアされた曲は全く耳にしたことがありませんでした。