日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

薬師丸ひろ子様 「今度は愛妻家」拝見しました

2010-01-17 01:21:22 | 映画
大変失礼ながら、あなたを見るために映画館へ足を運んだのは
中学生以来です。衝撃的なデビュー「野性の証明」に心奪われた私は
「戦国自衛隊」そして「ねらわれた学園」とも、封切り直後に大阪の
映画館へ出かけておりました。
中学生にとってのアイドルといえばそれまでですが、あのころは
とにかくあなたの瞳を見て、あなたの言葉の語り口に必死な意志を感じて、
生きる糧としていました。


その後も多くの映画に出演され、最近では「三丁目の夕日」では
すっかり昭和を代表する若き母となっておられましたが、
なぜか、当初のような、一途な思いは消えていました。
ふつつかものです。

なぜふつつか者かと言えば、「今度は愛妻家」で再会したからです。
やはり薬師丸様は、私のあこがれを今になっても保っておられる。
さまざまな劇評や宣伝での誉め言葉も目にしていますが、
40代の妻という役の芝居ぶりの巧みさよりも、
昔を思い起こさせる、真摯で暖かい愛する人を見つめる瞳と、
優しく丸くくすぐるような発声で届けられる愛する人への言葉が
この映画のスクリーンにはあったのです。

ストーリーを紹介すべき映画ではありません。
どのような人にもお勧めしたいというものでもありません。
ただ、私は涙せずにはいられませんでした。
薬師丸様が歩いた雑司ヶ谷鬼子母神界隈を、必ず明日には訪ねようと思いました。
沖縄読谷村のさとうきび畑の風が聞こえてきました。
写真はフィルムで撮るのがいいと思い出しました。
そして。
妻をもっと大事にしようと思いました。

私にとってそういう映画です。


映画「風が強く吹いている」満足度満点

2009-10-31 19:34:45 | 映画


初日、新宿ピカデリーで見てきました。
外は快晴、見終わった後の心も快晴といった感じです。
なんか、いいんですよね、走り方が。出演者の本気がそのまま。
体が切れていて、足運びが鋭い。テンポも速く、着地して蹴り足を巻き戻し、
地面からの反力で膝が自然に高く上がる。
格好いいんです。上下動の少ないフォームは長時間走り込んで、
体に覚え込ませたものに間違いない。
そうでなければ、中継風の映像構成をするとき、絶対ばれます。
どういうことかというと、この映画は、全身ショット、アップショットだけではなく、
ビル上からの俯瞰、ヘリからの空撮まで使い、走り方をありとあらゆる方向から
撮影しているのです。もし「部分」でしか走っていなければ、絶対偽物であることが
分かってしまうと言う危険な構成なのに、いや、本当に箱根駅伝の正月中継を
見ているのではないかと思えるほど、役者たちの走りに違和感が無いのです。
だってそうでしょ。普通、野球ものとかを映画でやる場合、えらくアップばかりで、
全身映像なんてほんの少し。それでも全身が映ったとたん、体ができてないわ、
力のバラスがバラバラだわでガッカリすることばかり。
そんな不満が今回はまるでなく、ストーリーラインにとけ込んでいるのです。
主役・ハイジを演じる小出恵介、走(かける)役の林 遣都はもちろん、
箱根に駆ける無謀とも思える夢に挑む青竹荘の10人みんながやりとげています。

2時間の映画ですから、ストーリーの豊かさ、とくに登場人物それぞれの個性や
それを育んだ20年前後のヒストリーは小説や漫画と比べものにならないほど
薄められてしまうのですが、映像と音の迫力が、青春のさわやかさ、希望、努力
友情を真っ直ぐに届けてくれることとなるのです。

そう、もう一度大学生に戻りたい。劇場を出るときに真っ先にでた、私の正直な
感想です。