井上ひさし『四十一番目の少年』文春文庫,2010年

著者の実体験にもとづいた小説の由。
これを読むと、ずっと昔の、自分の子ども時代の”暗黒感覚”を思い出す。思えば、子どものときはそれなりに苦しく辛かったことがあった。いまはそれさえ忘れかけていた。自分の子供時代の暗黒体験は、誰にも明かさない永遠の秘密。子ども時代に”心底困った”体験があったからこそ、好く言えば”慎重な”、悪く言えば”ずる賢い”いまの自分に成長したのかもしれない。
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