風土記の丘だよりinかい

やまなしの考古博物館やmaibunCの活動のこと
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ヘビノネゴザ・・・文保法制定60周年の記念日に寄せて

2010年05月30日 | 遠出して


 ヘビノネゴザという名前のシダ植物の一種です。
この一見して何の変哲もないシダの仲間と「文化財保護法」の制定60周年が
どう結びつくというのでしょうか。
話は少しばかり込み入って、少々長くなりますがどうぞ最後までお付き合いください。

 さて、このヘビノネゴザですが、先ず観察した場所が問題です。
それは、次のような場所・・・。



 国指定史跡「長登銅山跡(ながのぼり・どうざんあと)」でありました。
現地に設置されていた説明板ですが、この中に「奈良の大仏の原料銅を生産していた」
とありますが、ここでの調査所見と、東大寺境内から出土した奈良時代の大仏鋳造に関係した遺構からの
鋳造関係資料の科学的分析データとから、奈良の大仏を鋳造した際の銅は、
この山口県美祢市美東町長登にある長登銅山から供給されたと考えられているそうです。

 初めに掲げたヘビノネゴザは、「金山草(かなやまそう)」とも呼ばれ、
銅や鉛などの重金属が大好きなシダ植物だそうで、金属鉱床を探す際の目印となることが
昔から鉱山開発者(山師ともいいます)の間ではよく知られたものだったそうです。
実際に銅山跡にこのヘビノネゴザを見てきたのですが、ちょっと感激でした。



 こちらの建物は、銅山跡の近くに建つ「長登銅山跡資料館」であります。
館内には、「奈良の大仏のふるさと」をキャッチコピーとして、奈良の大仏の建立と
この長登鉱山跡の調査、銅山の歴史、史跡指定概要、
また周辺に見られる明治維新関係の史跡のことなど、たくさんの情報が
多くの貴重な資料を交え、展示紹介されています。



 場面はがらっと変わって、国指定史跡「大内氏遺跡」の中の
調査され復元整備が進められている館跡の一部であります。
大内氏ときましたから、場所は、山口県山口市でありました。

 

 また場面変わりますが、何かの会議風景ですね。
何の会議かといいますと・・・ここが大切なのですが・・・全国の
公立のmaibunCの連絡協議会の会議なのであります。
この5月27・28日の両日、山口市で会議が開かれ、会議の後は
「大内氏遺跡」や「長登銅山跡」などを見学するエクスカーションが持たれたのです。

 さて、今回の記事タイトルに出てくる文化財保護法制定60周年ですが、
同法は、昭和25(1950)年5月30日に公布されました。
それなので、今日が60周年の記念の日に当たるのであります。
 maibunCの日常的なお仕事や「大内氏遺跡」「長登銅山跡」などの史跡のこと
その他いろいろなコンテンツがこの法律に規定されているのであり、
敗戦後の混乱の中から立ち上がり、今日の文化的な国家(?つくかも)が築かれてきた
その根っこの部分にこの重要な法律があるということを考える日になるのではないかと・・・。
この辺りが、ヘビノネゴザから始まったお話しの今回のシメであります。
コメント
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