「EU Film Days 2010」 で観た2作目は、日本でも公開された2007年のイタリア映画 『湖のほとりで』。
先日のイタリア映画祭にも一緒に行った、イタリア好きの同僚を誘って観に行った。
のどかな小さな村はずれにある湖のほとりで発見された美少女アンナの死体。捜査が進むにつれ、住民たちの人間関係や家族のあり方が明らかになっていく――。
誰もが皆、“人に言えない悩み” を抱えて生きていた。(EU Film Days 2010公式サイトより)
舞台は恐らくスイスやオーストリアの国境に近い、イタリア北部の美しい村。
その小さな村で起こった殺人事件の話なのだが、謎を解きながら犯人を追って行くといういわゆるミステリー/サスペンスものとはちょっと違い、人間関係や人物像、様々な形の愛を描きながらやがて意外な犯人に辿り着く。
発見されたアンナの死体には争った形跡が見られなかったため、顔見知りの犯行とされ、捜査が始まる。小さな村ゆえ、住民の誰もが皆顔見知り。捜査の指揮を取るのは、この村に越してきたばかりのベテラン警部サンツィオ。しかし、村をよく知る部下と共に進めて行く捜査は難航する。
そんな中、次々と浮かび上がってくる住民たちの人間関係や家族関係。サンツィオは、そこから紐解いて事件解決に導いて行く。そして話が進むにつれ、なぜアンナは殺されなくてはならなかったのかということが明らかになって行く。
その辺の展開は、なかなか面白かったのだが、ゆっくりと話が進んで行き、人々の感情の描写を丁寧に描いているわりには、いまひとつ感情移入することができなかった。
派手さのないとても静かな作品だったが、やはりこの作品はミステリーではなく、ちょっと重たいヒューマン・ドラマだと思った。
渋い親父デカ、彼もある悩みを抱えていた