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The Enemy @Club Quattro, Shibuya 05/21/09

2009-05-23 | performance


サマソニ出演前に来日したThe Enemy(エナミー)のワン・ナイト・ギグは、思いっきり熱い英国ロックを肌で感じることのできた一夜だった。
Primal Scream(プライマル・スクリーム)の 「Rocks」 など心地良いBGMが流れる中、だんだんフロアが埋まって行った。
開演時間7時が過ぎ、Pulp(パルプ)の 「Common People」 が流れてきて音量がだんだん大きくなったので、この曲を機にスタートか?と思って気持ちが高ぶったのだが、途中で場内アナウンスが流れてガクッ。で、続いてThe Verve(ヴァーヴ)の 「Bittersweet Symphony」 が流れてきて、より一層ヴォリュームが上がり、客電が落ちて3人が登場した。
Vo.のTom(トム)のポジションは左端で、クアトロの柱がちょっと邪魔だったが、ギリギリ全部見える位置にいたので3人はよく見えた。Tomの後ろにキーボードが見え、サポートがいたようだったがほとんど見えなかった。
“Hello! Tokyo!” と言って 「Away From Here」 でスタート。いきなり “ウウェオウェオッ” とは! 大好きな曲なので気持ちが高鳴った。
そして信じられないことに、全く間髪入れずにぶっ通しで曲が続いた。MCもない。でもこのぶっ飛ばしが、ある意味高揚した気持ちを持続させ、ぐいぐいと引き込まれて行った。
小柄なTomは迫力ある声でシャウトしまくり、同じく小柄なドラムスのLiam(リアム)のビートは、その華奢な体からは想像できないほどの力強いビートを打ちかましてしっかりと音を支えていた。
そしてベースのAndy(アンディ)だが、演奏はともかく残念だったのは、コーラスが下手だったこと。ただ吠えてるだけで、全くハーモニーになっていない。CDではきれいにハモっているのに、ライヴでこうだとちょっと・・・。
「Had Enough」 から 「40 Days 40 Nights」 への流れは最高で、アドレナリンが止まらなかった。
中盤でアコギに持ち替えて “この曲をみんなに贈るよ” と言って歌った 「51st State」 では、それまで勢いまっしぐらだった流れを、爽やかな空気で包み込んでひと息付かせ、また 「We'll Live And Die In These Towns」 で一気にヒート・アップ。だんだんと高揚して行くような盛り上がりが気持ち良く、途中サビを客だけに歌わせ、続く 「This Song」 でも大合唱。そのあとは再び勢いまっしぐら。
「It's Not OK」 ではAndyのダイブがあり(お決まりらしい)、次にまさか演るとは思わなかった 「Happy Birthday Jane」。メランコリックなバラードを、情感たっぷりに聴かせてくれた。
本編最後は 「You're Not Alone」 で、この曲も大好きな曲。ぶっちぎりの疾走感に満ち溢れていた。
アンコールは2曲。“サマーソニックで会おう!” と言って全18曲、一気に駆け抜けたライヴが終った。
意外にもニュー・アルバムからの曲は少なく、「Be Somebody」 を期待していたのだが、やらなかったのが残念。
音がもの凄くぶ厚くてヘヴィで体の芯までビートが響き、とにかく溢れんばかりの勢いのある、エネルギッシュでタイトなライヴで、正に “ワン・ステージ完全燃焼” という感じだった。きっと彼らはライヴ・バンドとして、どんどん大きくなって行くに違いないと確信させられた、満足の行くライヴだった。
客層は男女半々くらいで、UKバンドを観に来る男の子は結構オシャレなんだけど、今回はメタボな(それもかなりの)男子が目立ったなぁ・・・。


★写真は、UKのファンサイトより。