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ロック・クラシックス その七

2006-09-17 | music : basics


誰もが経験していることだけど、頭の中をひとつのフレーズが駆け巡って、一日中離れなくなったりすることがよくある。
昨日一日、突然何の前触れもなくこの曲がずーっと私の頭の中で流れていた。
普通、TVやお店なんかのBGMで流れていたりしたのがきっかけで、頭から離れなかったりするのだが、この曲はそんなきっかけも何もなく、自分でも不思議なくらい突然流れ出した。
もうこれは、“聴け!” というお告げなのかも知れない・・・と思い、今日棚から引っ張り出してきて、本当に久しぶりに聞いた。
The J. Geils Band、81年リリースのアルバム 『Freeze Frame』。
頭の中で流れていたのは、あまりにも有名な曲、「Centerfold ~ 堕ちた天使」。
何年ぶり?というくらいずーっと聴いていなかったし、J. Geilsのアルバムはこれと72年に出たライヴ・アルバム 『Full House Live』 しか持っていないし、バンドのこともさほど詳しくはないが、当時感じたカッコ良さは色褪せていなかた。
ブルーズ、R&Bをまっすぐに歩み続けた、永遠のクラブ・バンド。
そして何と言っても、J. Geilsと言えばこの男、Vo.のPeter Wolf。
針金のような細~い足に、ピタッとした革パン or ブラック・ジーンズのダンディ・ガイ。もうこの上なくめちゃくちゃカッコいい! 
ロケンロールを地で行く男だ。武骨で不器用で硬派な男のソウルを、ハスキー・ヴォイスでクールに歌う。
「Centerfold」 は、ポップなメロディ・ラインとMTV時代という背景に見事にマッチして、彼らはこの曲で一気にスターダムへと駆け上った。
“Na~Na~Na NaNaNa~” のフレーズは、とても親しみがあって一度聴いたら忘れられないメロディ。
そのメロディと同じシンセのイントロのあとに、Peterが叫ぶ “Come on!” の一声で、もう一気にノリノリになってしまう。
そして、学校の教室でメンバーが歌って踊りまくるプロモ・ビデオも忘れられない。
もちろんこの曲だけでなく、Magic Dickのハープが唸りまくるブルーズ・ロック、胸に沁み込んでくるバラード、ポップに色付く荒削りなロックetc...たくさんの素晴らしいナンバーが収録されている。
また彼らはライヴに定評のある、真のライヴ・バンドでもある。
そして、マイク・スタンドを振り回して踊りながらシャウトするPeterは、男も惚れるほどにカッコいいのである。
そんなPeterはこのアルバムを最後に83年にバンドを離れ、その後もバンドは続いたが、あまりにもPeterが看板として大きすぎた為、やがて活動休止となった。
今でもPeterはダンディにロックし続け、来年ニュー・アルバムがリリースされる。

 クール&ダンディなPeter Wolf