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バーボンと土の匂い

2005-11-17 | music : basics


私がThe Black Crowesを好きだということを知っている人は、“あー、やっぱりねー” と思うだろう。
でもこの人たちの音楽をよく聴いていた当時、バンドをやっていた男の子によく 「女の子が聴くって珍しいね」 って言われた。
まあ当時の女子は、ニューロマ系にハマってる子が多くて、やれJohn Taylor(Duran Duran)だの、デヴィ・シル(David Sylvian / JAPAN)だのと騒いでいたから、そういうことを言われても仕方なかったのかも・・・。
いや、私だってDuranは好きだったし、John Taylorの美形ぶりにはうっとりしたクチだ。
でも、でも、この飾らないアメリカの大地を思わせる、男くさくて田舎くさいロックン・ロールは、何故か自然と耳に馴染んでいた。
アメリカ南部ジョージア州Atlanta出身(全くCrowesと同じ・・・)の4人組、その名もまんま、The Georgia Satellites。
この人たちの音楽を言葉で連想すると、「土」 「酒場」 「カウボーイ・ハット」 「泥まみれのトレーラー」 「Gジャン」 「ボッ・キュン・ボンの派手なお姉さんたち」 「バーボン」 etc...とまあ、典型的なアメリカの片田舎が浮かぶ。
実際、“田舎もの” とか “イケてない集団” とか、それはもう言いたい放題言われていたのは確かだった。でも、そんな外見なんていいじゃないか。音が良ければ・・・。(でもVo.のDan Bairdは、カッコ良かった)
Satellitesの音楽は、全曲にボトル・ネックのスライド・ギターがうなりまくり、ご機嫌なテレキャスが炸裂していて、ベース・ラインもイカしている。
そして何と言っても、グルーヴ! このグルーヴ感がたまらなく好きで、こういう音が今や私のルーツ的存在となっている。
彼らの音を知らなくてもこの時代に洋楽を聴いていた人なら、トム・クルーズ主演の 『カクテル』 で流れる 「Hippy Hippy Shake」 を歌っていたバンド、と言えはわかるだろうか・・・?
私はアメリカ南部へは、テキサス州のDalasにしか行ったことがないが、きっとAtlantaも同じような匂いがするのだと思う。お酒は飲めないけど、Satellitesの音にはバーボンの香りがする。
そして郷愁に満ち溢れていて、地元の酒場で綺麗なお姉さんにちょっかい出しながら酔っ払っているオヤジたちが目に浮かぶ。
「女の子が聴くって珍しいね」 と言われても仕方がなかったのかも知れない。巷では、“田舎のFaces” とか “Stonesフォロアー” とか言われていたが、私の耳には典型的なアメリカの音として入ってきた。
Satellitesよりは古いが、同じ南部出身でも何故かLynyrd Skynyrdはさほどハマらなかった。「Free Bird」 と 「Sweet Home Alabama」 は好きだが・・・。
それは、やはりDanのVo.にあったように思える。Vo.の声質とギターのメロディで好き嫌いがハッキリしてしまうのだ。

89年にリリースされたこの3rdアルバム 『In The Land Of Salvation And Sin』 は、Danが在籍した最後のアルバム。
もう思わず踊り出したくなるような、なんの飾りもないストレートなロック・ナンバー満載の最高傑作。
Danの元気のいいVo.とギターの音が絶妙に絡み合い、親しみやすいメロディを聴いているだけで、本当に気持ち良くなる。
それまでのSatellitesは、結構ストレートなワン・パターンのロックン・ロールが中心だったが、このアルバムではリズムに変化を加えたり、アコースティック・ナンバーを入れたり、泣きのスライド・ギターを全面に出したりと、様々な試みをしている。
だがそれは決して方向性を変えたという訳ではなく、楽しくノリのいいロックには変わりない。
一曲目から軽快なロックが駆け巡る。Drs.&Bのリズム、うなるギター、転がる様にすべるホンキー・トンク・ピアノ、そしてパワー全開のVo.。
彼らの曲には、必ずと言っていいくらい、ご機嫌なメロディの中にホロッとしてしまうようなフレーズがある。
M-2 「All Over But The Crin'」 でのオルガンの音がドラマティックに流れるサビもそうだし、ミディアム・ロックのM-5 「Six Years Gone」 のサビのメロディはノスタルジックで、じわじわーっとしみるDanのVo.に虜になってしてしまう。
ひとつ戻って、M-4 「Shake That Thing」。この曲の変則的なDrs.のリズムとスライド・ギターの音色は、めちゃくちゃカッコいい。この曲は、Little FeatのLowell Georgeに捧げた曲で、Feat並みのリズム・セクションを展開している。
車のCMでお馴染みの 「Hush」 を歌っていたJoe Southのカヴァー曲、M-6 「Games People Play」 では、BのRick PriceがリードVo.を取っている。
この曲はカヴァーでありながらも、“これぞSatellites!” というような音で、サビの “La da da da・・・La da da dee~” のコーラスは、つい大声で一緒に歌いたくなってしまう。
ガラッと変わって、M-7 「Another Chance」 はドラムレスのドブロやマンドリンが入ったカントリー・テイスト溢れるテンポのいいアコースティック・ナンバー。Vo.も全員が掛け合う曲で、こういう曲をライヴで聴いたらきっと楽しいだろう。
その後も痛快なロック・ナンバーが続き、M-11 「Sweet Blue Midnight」 では、「Shake That Thing」 でもバック・コーラスをしている、70年代ウェスト・コースト系ミュージシャンの妹分と言われ、Neil Youngのバック・アップでデビューした、少女のような可愛い声が印象的なNicolette Larsonとデュエットしていて、その愛らしいVo.とDanのちょっとダミった声が妙にマッチしている心地よいバラード。
もちろんここでもスライド・ギターが泣きまくっている。哀愁漂うメロディを、彼女の声が更に切なくさせている。

Nicolette Larson 『Nicolette』 1978(デビュー・アルバム)

M-12 「Days Gones By」 は、GのRick RichardsがリードVo.を取っている。SatellitesにはRickがふたりいて、それぞれ “A-Rick” “B-Rick” というニック・ネームが付いている。
このA-Rickは、後にIzzy Stradlin & The Ju Ju Houndsのメンバーとなる。
そして最後に2曲、気持ち良くロックして全14曲が終る。最初にも書いたが、Satellitesのアルバムではヴァラエティに富んだサウンドが散りばめられているこのアルバムが、やはり最高傑作だ。

Danが抜けた後のSatellitesは、ふたりのRickがVo.を取っていたが90年に解散。
Danはソロで活動し、最高に気持ちのいいロック・アルバムをリリースした。彼のソロについてはまた改めて取り上げようと思っている。最近の彼はプロデューサー業も行なっているようだ。
ちなみに、今ではアメリカン・ロック屈指の名プロデューサーBrendan O'Brienは、Satellitesの初期のメンバーだった。

Dan Baird 『Buffalo Nickel』 1996
Dan Baird 『Love Songs for the Hearing Impaired』 1998

ポップス・クラシックス その弐

2005-11-12 | music : basics


この人たちの音楽は、私の師匠。この音楽が、私の “ポップス好き” の根底に常に在る。
いろんなヴァージョンのベスト盤が出ていて、何枚か持っているのにも関わらず、また買ってしまった。
Big Beatから2000年にリリースされた、The Zombies 『The Singles Collection : As & Bs 1964-1969』。
Zombiesの14枚のシングル両面を順番に聴くことができる、なんとも涙涙のアルバム。で、買ってしまった理由のひとつに、ジャケが相当気に入ったってのもある。
イギリスのレンガ造りの家が建ち並ぶ街中で、荷車に乗っておどけたポーズをとる4人のメンバーと、その荷車のハンドルを持つColin Blustone。
モノクロのこの写真、とってもステキで、目を丸くしてちょっと首をかしげた若きColinが、「ん? 何?」 と語りかけているようなのだ。
その上、もちろんシングル・コレクションはこれが初めてではなく多種出ているが、もうこのColinと目が合った時、「僕を連れて帰ってね!」 と言っているかのようで、迷わずレジに向かったのだった。(笑、でもマジ)
スリーブの中もこれまた感動もの! シングルのジャケ写や、当時のパブリシティの写真や記事がモノクロでコラージュされていて、1967年のファンクラブからの手紙も載っている。

1964年の1stシングル 「She's Not There」 から始まり、A・B、A・Bと繰り返され、1969年の 「Imagine The Swan」 のB面 「Conversation Off Floral Street」 で終る。
聴く度に本当におなかいっぱいになって、幸せな気分になる。A面は当然のことだが、B面も素晴らしい曲ばかり。そして、どの曲も全部大好きだ。とりわけ、「The Way I Feel Inside」 の最初のアカペラは、鳥肌もの。
当然オンタイムで聴いていないし、これがA面であれがB面で・・・というような聴き方をしていた訳ではなかったので、改めてB面だったことを知った曲もたくさんあり、その楽曲の素晴らしさに改めて感動。
当時は全く評価されなかった彼らの音楽が、30年以上経った今、これほどまでにたくさんの人に愛される音楽となるだなんて、本人たちは思ってもいなかっただろう。
Colinは今でも本国のclubでライヴをやっているし、去年日産ティーダのCMに 「Time Of The Season」 が起用されたのがきっかけで実現した、Chris Whiteのインタビュー(レコード・コレクターズ)では、なんでも “Odessey & Oracleツアー” を計画中と言っていた。
去年この記事を読んだ時は、“ウソでしょ!?” と思った。もし、実現して来日したらぜーーーったいに行くけど、その後の話は聞かないので、期待せずにいる。
Zombiesの曲は、とても優しい。それは、ColinのVo.にもあるが、メロディが本当に優しくて心が温まる。
歌詞も優しくて切なくて、そして可愛い曲が多く、何故当時あんなに酷評だったんだろう?と不思議でならない。そのサウンドとはウラハラのバンド名がいけなかったという意見が多いが、やはりそうなのだろうか・・・。
今では彼らの音楽をこき下ろす人など、皆無に等しいだろう。全く時代というものは皮肉なものである。

ロック・クラシックス その弐

2005-10-09 | music : basics


子供の頃、FMラジオから流れてきたこの曲に私は殺られた・・・。
その曲は、「Killer Queen」、言わずと知れたQueenの名曲だ。
フィンガー・スナップで始まるイントロ、まるでクラシックのような、それまで聴いたことのないコーラス。
この曲は、今でも聴くと涙ぐんでしまうくらい、思い入れがある。
レコードを買ったのはずいぶん経ってからだったので、それまではラジオ番組の “Queen特集” みたいなのを録音して聴いていた。
そのテープは擦り切れるほど聴き、そしてピアノをやっていた私は、早速ピアノ譜を買って、Queenの曲を必死で覚えたもんだった。
中でも 「Bohemian Rhapsody」 は本当に衝撃的だった。
“これはRockなのか?” と、我が耳を疑ったことは今でも記憶に残っている。
Freddie Mercuryの卓越したヴォーカルとカリズマ性も凄かったし、Brian Mayのギターの音色は、それまで聴いたことのない音だった。
そして当時、“Music Life” で見たRoger Taylorにひと目惚れしたり・・・。(本当に可愛かった)
田舎に住んでいた私は、Queenの来日コンサートを子供が遠くまで観に行くことを親が許してくれるはずもなく、当然のように観に行った5つ年上の従姉妹を疎ましくさえ思ったものだった。
Queenに精通している人はたくさん居るし、ここでとやかくQueen論を述べるつもりもないし、述べるほど詳しくないが、70年代に夢中になった音楽のひとつにQueenがあり、今でも愛すべき音楽のひとつとしてシッカリと私の心の中にある音楽なのだ。
これまでQueenのベスト・アルバムはいろんな種類が出ているが、そんな 「Killer Queen」 や 「Bohemian Rhapsody」、「You're My Best Friend」 「Don't Stop Me Now」 「Crazy Little Thing Called Love」 「Somebody To Love」 「We Are The Champion」 と、私を魅了した曲を全て網羅しているのが、94年に出たこのベスト・アルバム 『Greatest Hits』。
「Love Of My Life」 が入っていないのは、残念なのだが・・・。
今でも全く色褪せることなく、この上なく素晴らしい楽曲の数々。
そんな名曲の数々を、オンタイムで聴けていた自分がうれしい。

Freddieが亡くなった時は、ショックというより、訳がわかんなかった。とにかく信じられなかった。
92年の秋にSimply RedのコンサートでWembleyに行った時は、同年4月に行なわれたFreddieの追悼コンサートのことを思い出し、何とも言えない気持ちになった。
まさかQueenが復活するとは、思いもしなかった。
Vo.が変わるというのは、Queenでなくなる・・・と思う。しかもFreddieのVo.は、並たいていではない。
もうすぐ来日するが、Paul RogersのVo.で数々の名曲を聴くのはどんな感じなのだろうか・・・。
正式には、Queen+Paul Rogersということなのだが、やっぱりFreddieと比べてしまうのではないだろうか・・・。
Bad CompanyやFreeは好きで聴いていたのでPaulを否定する訳ではないが、私はやはりQueenの曲はFreddieのVo.でしか聴けないと思ったので、少しだけ迷ったが、コンサートには行かない。

ポップス・クラシックス その壱

2005-09-27 | music : basics


ケネディ大統領とキング牧師の暗殺、ベトナム戦争など、暗黒の時代だった60年代アメリカ。
だんだんと古き良きアメリカの時代を取り戻しつつあった60年代後半に、とってもポップで楽しい音楽があった。
バブルガム・ポップという言葉が生まれたのもこの時代。
わずか2年くらいのブームだったそうだが、そのバブルガム・ポップの代表的バンドがこの1910 Fruitgum Company。
なんか怪しげなおっさん風の人がいるかと思えば、金髪のキュートな美少年タイプもいる5人組のこのバンド。
そんなチグハグなルックスとはらウラハラに、彼らの音楽は甘くてポップで可愛い曲ばかり。
このベスト・アルバム 『The Best Of 1910 Fruitgum Company : Simon Says』 には、そんな彼らのキュートなナンバーがぎっしり詰っている。
名曲 「Simon Says」 を始め、「Candy」 「Dee-Licious」 「1910 Cotton Candy Castle」 や 、モロ “サザエさん” のエンディング・テーマ曲のようなイントロの 「Bubble Gum World」、思わず踊り出したくなるような 「Goody Goody Gumdrops」 と言った、甘~いお菓子をタイトルにした曲がずらり。

私は、Redd Krossを通してバブルガム・ポップと呼ばれる曲を聴くようになり、Ohio ExpressとこのFruitgum Co.を知った。
バブルガム・ポップとは、風船ガムのように子供でも口ずさめるような、親しみやすいポップなサウンドという意味で、一般的にはティーンをターゲットにした “お子様ポップス” という風に捉えられていたようだ。
しかし30年以上経った今聴いても、そして風船ガムなど見向きもしなくなったこの大人が聴いても十分に楽しめるサウンドだ。
お子様ポップスだからと言って、決してあなどってはいけない。
お遊びではなくちゃんと楽器も演奏してるし、そのポップなメロディ・ラインは現代のポップ・バンドにもたくさん影響を与えている。
私見だが、そもそもポップスというのは、覚えやすくて楽しくて、親しみやすくて可愛いメロディが基本だと思う。
そこから哀愁やら泣きやらが、広がって行くのだと思う。
そういう点では、このFruitgum Co.の2分ちょっとのポップスは基本中の基本。
無駄がなくシンプルで、一度聴けばすぐにメロディを覚えることができる。
そしてその音からは、水玉模様やパステルカラーが溢れるダイナーに横付けされた、ピンクのキャデラック・・・。
そんな60年代のアメリカを思い浮かべることすらできる。
でも、ずーっと聴き続けていると物足りなさを感じてくるので、たまに聴くのが丁度いい(笑)。

ロック・クラシックス その壱

2005-09-18 | music : basics



きっとRockが好きな人なら、この二枚のアルバムは聴いたことがあるのではないだろうか・・・?
アルバム全体を聴いていなくても、何曲かは絶対知っているはず。
かく言う私も、通過したひとり。
BON JOVIの86年3rd 『Slippery When Wet』 と、88年4th 『New Jersey』。
20年近く経った今でも、この二枚からの曲を何曲かLIVEでプレイしているという。
『Slippery When Wet』 収録の 「You Give Love A Bad Name」 や、あまりにもメジャーな 「Livin' On A Prayer」 や、「Raise Your Hands」 「I'd Die For You」 「Wild In The Streets」。
『New Jersey』 収録の 「Lay Your Hands On Me」 「Bad Medicine」 「Living In Sin」 「Wild Is The Wind」 「I'll Be There For You」 など、いい曲が揃っている。
当時、BON JOVIを聴いていると言うと、ミーハー的な目で見られたりしたけど、着実にキャリアを築き、精力的にLIVEを行い、変わらぬ人気でいられるのは、やはり実力だと思う。
2年前、Londonのハイド・パークで行ったコンサートでは、9万人以上の観客が集結した。
Londonの友達が観に行ったのだが、そのパワフルなステージは貫禄に満ち溢れていたそうだ。
この二枚のアルバム以降は聴いていないが、常にロック・ミュージック・シーンに名を残している彼ら。
Richie Samboraが反町隆史とコラボしたり、Jon Bon JoviがTVドラマ 『アリー my LOVE』 に出た時はびっくりしたが、ニュー・アルバム 『Have a Nice Day』 も出て(ジャケがやけに可愛い)、今なお衰えることなく多くのファンを魅了している。

巷ではBON JOVI=ハードロックという公式になるのかも知れないが、KISSやAerosmithなんかを聴いていたこともあり、BON JOVIのようなメロディアスなのは、一時期結構聴いていた(但し、メタルはNG)。
今ではすっかりジャニーズ一色の大晦日の東京ドームも、当時はHR/HM系バンドのカウントダウン・コンサートが行われ、BON JOVIが出た時は観に行ったものだ。
今はもうこの二枚のアルバムも手元にはないが、聴けばきっと懐かしくなるだろうし、ほとんど歌えるんだろうな・・・。

80's MTV全盛期

2005-09-14 | music : basics


今日、コンビニで流れていた曲が頭から離れない。
“Hold Me Now, Oh~ Oh~ Warm My Heart, Stay With Me・・・”
男性ふたり、女性ひとりのルックスがバラバラの3人グループ、Thompson Twinsが歌う 「Hold Me Now」。
80年代のミュージック・シーンをリアル・タイムで過ごして来た人は、すぐに歌えると思う。
イギリスのテクノ・ポップ、ダンス・ミュージックというジャンルで人気が出たバンドだが、MTVが全盛だったこの頃、自分が特に好きなジャンルの音楽じゃなくても、ヒット・チャートを賑わす曲は自然と耳にこびりついている。
1980年、MTVの開局第1号オン・エア楽曲となったBugglesの 「Video Killed the Radio Star / ラジオスターの悲劇」。
ミュージック・ビデオ(PV)を皮肉ったこの作品をきっかけに、一気にMTV全盛期となった80年代。
良くも悪くも、好きも嫌いも、本当にいろんな曲が流れ、そしていろんな曲を知った。
オムニバスで、“ベスト・ヒット80's” みたいなのが、何パターンも出ているので、一枚くらい手にしたいと思ってはいるのだが、なかなか購入までには至らない。
(何か、“これ” と言ったオススメがあれば、教えて欲しい。)
MTVの映像がくっきりハッキリと今でも覚えている曲は、少なくない。
パッと浮かぶだけでも相当挙げられる。

a~ha 「Take On Me」
Van Halen 「Jump」
Kajagoogoo 「Too Shy / 君はToo Shy」
Paul McCartney & Michael Jacson 「Say Say Say」
Frankie Goes To Hollywood 「Relax」
Limahl 「Never Ending Story」
The Cars 「You Might Think」
Mick Jagger & David Bowe 「Dancin' In The Street」
Irene Cara 「Flashdance...What A Feeling」
Starship 「Sara」

あぁぁぁ・・・やっぱりキリがない(笑)。
Culture Club、Duran Duran、Cyndi LauperやPhil Collinsなんかも、MTVを通してずいぶん聴いた(見た)。
本当に、ジャンルを問わずいい曲がたくさんあった。
もちろんそんな中には、いわゆる “一発屋” もたくさんあったが・・・。
うーーーん、懐かしい。↓のThe Eaglesといい、少し懐古趣味に傾いている今日この頃。
タイミングよく、この 「Hold Me Now」 を耳にしたもんだから、余計気になってしまった。
まだ、耳から離れない・・・・・Hold Me Now・・・・・。

かつて愛した音楽

2005-09-12 | music : basics



Soul Asylumのニュースに歓喜の雄叫びすら上げていた私は、休みの今日一日、ひたすらSAを聴いたあと、70年代にトリップしていた。
当時、それまで洋楽と言えば、とあるUKのアイドル・グループ(タータン・チェックのあのグループ)に夢中だった私は、その頃兄のように慕っていたセンパイとその仲間たちの影響で、いろんな洋楽を聴くようになっていた。
StonesやKISS、Queenなどに夢中になる一方で、一時期ウェスト・コースト・ミュージックにハマっていた。
最初はロクに英語の歌詞もわからないまま、耳から入ってくる音に酔っていたが、その後、歌詞カード片手に曲を覚えたり、辞書を引いて意味を調べたりしたものだった。
そしてその時期に、Carole KingやJames Taylor、Nicolette Larson、Jackson Browne、J.D. Souther、Steely Dan、The Doobie Brothers、Little Feat、Russ Kunkel、Danny Kortchmar・・・と言った、歴史に残るミュージシャンをたくさん知った。
中でもいちばん好きになってハマったのが、The Eaglesだった。
でも私は、あの誰もが知っている超有名曲 「Hotel California」 は好きではない。
何故なら、もうその頃のEaglesは、自虐的で終っていたから。
だから、アルバム 『Hotel California』 が歴史的名盤なんて言われてることに納得はしていない。
いちばん好きで良く聴いていたのは、2ndの 『Desperado』 だった。(写真右)
CANDYのトピでも書いたが、80年代半ば頃までの国内盤は、本当にどうしようもなくセンスのない日本語のタイトルが付けられていた。
私が今でもほとんど輸入盤しか購入しないってのは、この頃の影響もあるのかも知れない。
例えばその 『Desperado』。いいじゃない、“Desperado” で・・・。わざわざ “ならず者” にしなくたって・・・。
でもその後、この曲をThe Carpentersがカヴァーした時の邦題は、“愛は虹の色” だった。
うーん、主旨がわからない・・・。でも、当時の映画もそうだったな、とつくづく思う。
“愛と○○の~” ってのがめちゃくちゃ多かった気がする。
“ならず者” だけじゃない。収録曲のほとんどがそんな感じ。
「Certain Kind Of Fool」 は “その種の愚か者”、いや、確かにそうだが直訳だよ・・・。
1stに収録されている 「Train Leaves Here This Morning」 ⇒ “今朝発つ列車” や、「Earlybird」 ⇒ “早起き鳥” には、もう笑うしかない。
他にも、「I Wish You Peace」 ⇒ “安らぎによせて”、「One Of These Nights」 ⇒ “呪われた夜”、「Pretty Maids All In A Row」 ⇒ “お前を夢みて”、「Try And Love Again」 ⇒ “素晴らしい愛をもう一度”、「The Greeks Don't Want No Freaks」 ⇒ “グリークスはフリークスお断り” などなど、挙げたらキリがない。
邦題で言われても、どの曲だかさっぱりわからない。
まあ、こういうダサい邦題も徐々になくなり、今ではまず見かけなくなった。
なので、Jellyfishの 『Spilt Milk』 が出た時はさすがに驚いた。
“こぼれたミルクに泣かないで” だなんて・・・。

この邦題ネタだけで、十分トピが埋まりそうなので本題に戻すことにしよう。
Eaglesの当時持っていたレコードは、全部処分してしまったので、手元にある音源はカセット・テープだけだった。
ある日突然じっくりと聴きたくなり、そんな時に役立ったのがベスト・アルバム。
Eaglesのベスト・アルバムも何種類か出ているが、どれもイマイチ選曲に納得が行かず、購入までに至らなかったのだが、2001年に出たこの 『The Very Best Of The Eagles』 の選曲は良かった。(写真左)
私の好きな2ndにはコンセプトがあり、とても重要なストーリー性があったので、全アルバムからピック・アップしたベスト盤はいかがなものかとも思ったが、これはなかなかいい選曲で、デジタル・リマスター盤だし、私の聴きたい曲をちゃんと押さえてくれていた。
Eaglesは、GのGlenn FreyとドラムスのDon HenleyがリードVo.を取る曲がほとんど。
私はDon Henley派で、彼のハスキーで哀愁に満ちた声が大好きだ。
時々リードを取るベーシスト、初期はRandy Meisner、その後はTimothy B. Schmitだが、このふたりのVo.も好きだった。
特にRandyが歌う 「Take It To The Limit」、Timothyが歌う 「I Can't Tell You Why」 は本当に切ないバラードで、しんみりする。
Glenn Freyの声はあまり好きではないので、自然と好きな曲もDon Henleyが歌う曲になってしまうが、やはりなんと言っても 「Desperado」 は最高のバラード。
ピアノの音色が、これほどまでに悲しげで切なくて綺麗なバラードは、この曲とBilly Joelの 「Honesty」 とEric Carmenの 「All By Myself」 ぐらいではないだろうか・・・。
「Desperado」 はThe Carpenters以外にも、Rinda Ronstadtもカヴァーして、今では代表的なクラシック・ロックの一曲と化しているが、今聴いても古さは全然ない。
時にはじっくりと、こういう懐かしい曲を聴くのもいいもんだ。
そして、久しく聴いていなくてもちゃんと歌詞を覚えていて一緒に歌えるということ。
かつて愛した音楽は、何年経っても色褪せない・・・。

うれしい再評価

2005-09-07 | music : basics


1985年にこの一枚のアルバムだけをリリースして解散したバンド、CANDY。
ここんとこ、POWER POPのリヴァイヴァル傾向が起きたりしているので、もしかしたら名前くらいは聞いたことがあるという人も少なくないだろう・・・。
更にメンバーのひとりが、元Guns N' RosesのGilby Clarkなので、それで知っている人もいるだろう。
この時代は、まだ国内盤ではわざわざ和訳をしたタイトルが付けられていた時代で、このアルバムも 『Whatever Happened To Fun...』 が “ウィークエンドでファン・ファン” という、今聞くと何ともダサいタイトルが付けられていた。
メンバーのファッションやヘアスタイルを見る限り、少し安っぽいメタル・バンドを思い描きがちなこのジャケット。
ただこれは、当時彼らの拠点であるL.A.を含め、HR/HM全盛期だった為、レコード会社やマネージメントに無理矢理そういうルックスにさせられていたらしい。
しかし曲を聴くと、どれもとっても親しみ易いメロディで、キャッチーでメロディアスなポップ・ソングが詰っている。
メンバー4人が共通してThe Beatlesが好きで、様々なポップ・ミュージックの影響を受けてきた中で誕生したCANDYサウンド。
しかし、当時のバック・グラウンドの風潮(HR/HM全盛期)が影響して、彼らの音楽は受け入れられず、成功をつかめないままバンドは解散してしまった。
その後、Vo.のKyle Vincentはポップ・ミュージック・シーンで地道に活動を続け、POWER POPのコンピレーション・アルバム 『Yellow Pills』 シリーズにも参加している。
BassのJonathan DanielとドラムスのJohn Schubertは、その後Electoric AngelsというHRバンド(・・・と言っても、そのサウンドはPOPだった)を経て、The Lovelessというバンドを結成。
96年にリリースしたデビュー・アルバムには、KyleとGilbyも参加した。
そしてGilbyは、Kill For Thrillというバンドを経て、92年にご存知Gunsに参加。
Gunsでプレイしていても、常にGilbyはポップ・ミュージックが好きで、いつも聴いていたと言う。

CANDYに話は戻るが、彼らのサウンドはThe Rapsberriesを継承していると言っても大袈裟ではないくらい、甘くてきらめいている。
そしてその歌詞も、恋に破れた男の心情を描いていたり、儚い想いを綴っていたりと、正にPOWER POPの王道のような歌詞なのだ。
当時はB級と言われ、一部のポップ・ミュージック・ファンにしか受け入れられなかった彼ら。
しかし時が経ち、改めて評価された彼らの音楽は、熱心なポップ・ミュージック・ファンを魅了している。
私が金欠だった時に、いろんなレコードやCDを売ったりしてた時でも手離さなかった、最初で最後のこのアルバムは、残念ながらCD化されていない。
また、中古レコード店やオークションでは相当の高値で取り引きされているのにも驚いた。
でも2003年にはレア・トラックスを含むCDが発売され、再評価されている。(写真下)



70年代の貴公子

2005-08-29 | music : basics


70年代の後半、私にとって彼は王子様だった。
甘いマスクと透き通った声に惹かれ、当時の私のハートに舞い下りた。
彼の名は、Peter Frampton。
Humble Pieのメンバーだったことなどその当時は知る由も無く、ただ彼の甘い声がラジオから流れてくるのをひたすら聴いていたもんだった。
後に全世界で1000万枚のセールスを記録することとなる、『Frampton Comes Alive!』 という2枚組のライヴ・アルバムを買い、毎日のように聴いていた。
これが1976年で、Cheap Trickの 『At Budokan』 が79年のリリースだから、ライヴ・アルバムというものを買ったのも、これが最初だったと思う。
今ほど様々な録音技術がまださほど発達していないこの時代のLIVEだが、音質は良く、熱い熱気が伝わってくる。
後にBon JoviのRichie Samboraが 「Livin' On A Player」 で “ふんが~ふんが~” とチューブを加えて音を出すトーキング・モジュレーターがメジャーになったが、それをイチ早く使っていたのが彼で、大ヒット・ナンバーの 「Show Me The Way」 のイントロでふんだんに使い、印象的なサウンドを生み出した。
また、その華麗なギター・ワークも多くのギター・キッズを虜にしたようだ。
しかしその後、交通事故での大怪我や機材を積んだ飛行機の墜落と、様々な不幸が続き、80年代にはその人気は一気に衰え、いわゆる “一発屋” の印象が強くなってしまった。
ところが、95年には 『Frampton Comes Alive II』 をリリースしてその健在ぶりを証明。
ただ私は70年代の頃の王子様の彼のままで十分だったので、その後は追わなかったし、そのアルバムも聴いていない。

以前ここで映画 『Reality Bites』 のサントラを取りあげた時に、Big Mountainの 「Baby,I Love Your Way」 を聴いていたら、無性にPeter Framptonの曲が聴きたくなり、レコード棚から久しぶりに出して聴いてみた。
(「Baby,I Love Your Way」 はPeter Framptonのオリジナル曲)
そして先日、ユニヴァーサル・ミュージックが出している “Masters Collection” シリーズのCDを買った。
POP&ROCKでキャッチーな曲が満載で、LIVEも何曲が収録されている。
ただひとつ、「I'm In You」 が入っていない残念さを除けば、懐かしさに浸れる、聴き応え十分のベスト盤だ。


タイム・スリップ

2005-07-19 | music : basics


「Without You」 ・・・この曲は、私のいちばんの思い出の曲。
でもHarry Nilssonが歌う 「Without You」 ではなく、Heartがカヴァーした方。
高校三年生の文化祭で自主映画を作ったのだが、その作品のテーマ・ソングにこの曲を使った。
当時、バンドを演っていたクラス・メイトからの音楽の影響はかなり私を刺激してくれて、過去のいろんなアーティストを知り、私の中に浸透して行った。
この曲は、Ann&NancyのWilson姉妹が中心のロック・バンドHeartの1977年のアルバム 『Magazine』 に収録されている。
映画のエンディングにこの曲を使い、試写の時に、あまりにもドラマティックで感動的なこの曲に心打たれ、即行で選曲した子にレコードを貸りた記憶が鮮明に残っている。
自己満足だが、その映画の出来がすごく良くて、感動のラスト・シーンにこの曲がとても合っていて、そして受験前だというのに、クラス全員がとても仲良かったので、連日連夜撮影や編集に明け暮れ、担任の先生以外 “受験受験” とうるさい中、一致団結で完成させたという、今でもいちばんステキな思い出として私の心に焼き付いている。
そんな思い出とともにこの曲はとても大事な曲であり、大切に胸の奥に仕舞っておきたい曲だ。
切ないピアノのイントロ、Annのハイ・トーン・ヴォイスが冴え渡り、ガンガンに盛り上がって、これでもか、というくらいにドラマティックに展開して行くサビ。
Can't live if living is without you I can't give, I can't give any more・・・ この曲を聴くだけで、あの頃の光景が鮮明に思い出され、タイム・スリップできる。

Heartと言えば、ハード・ロック色の強い女性ロック・バンドとして知られているが、美人姉妹のロック・シンガーとしてビジュアル面でも人気を博していた。
日本では、 「Never」 「These Dream」 「Alone」 などが大ヒットしたが、それでも日本での人気は今ひとつという感じがした。
彼女たちは大のZeppelinファンで、バンドをスタートする前は、Zeppのカヴァー・バンドだったし、アルバムやライヴで何曲も披露している。
95年に活動を中止し、2002年に再活動したという話を聞いたが、今はどうしているのだろうか・・・。

後にオリジナルのNilssonの 「Without You」 を聴いたが、私にとって、やはりHeartヴァージョンに勝るものはない。
彼女たちが歌うバラードの素晴らしさは、「Alone」 を聴いたことがある人にはわかるだろう。
その後、マライアもカヴァーしたが、全くもって論外だった(笑)。