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小悪魔とお母さんの調和

2006-02-04 | music : basics


昨夜見た 「ベストヒットUSA」(現在BS朝日にて放映中だが、何日か遅れて民放でOAされる)で流れた、Fleetwood Macの 「Hold Me」 のPVを見たら、Macのアルバムを聴きたくなり、Macの中で私がいちばんポップだと思うこの 『Mirage』(1982) を引っ張り出して聴いた。
このバンドほど数多くのメンバー・チェンジを繰り返し、様々なトラブルと向き合ってきたバンドは、ロックの歴史の中ではとても稀なのではないだろうか・・・。
Mick FleetwoodとJohn McVieのリズム隊の名前がそのままバンド名になり、他のメンバーの入れ替わりが激しくて何度も解散の噂が流れたが、この二人が要で居る限りバンドは不滅なのだ。
ブリティッシュ・ブルーズ・ブーム全盛期に結成されたMacだが、私はアメリカ人のメンバーが加わり、USでの地位を確立した頃から聴いたので、あんまり英国バンドのイメージがない。
そして、70年代に加入した歌姫Stevie Nicksが在籍していた頃のMacをいちばんよく聴いた。
実のところ、私はStevieの声はあまり好きではなく、Christine McVieの歌声の方が好きで落ち着く。
しかし、Stevieの小悪魔的な存在はもの凄いものがあり、当時のMacには欠かせなかった。
“小悪魔” という表現がこれほど似合う女性は、彼女を置いて他にいないと私は思う。
そしてChristineの優しく包み込むような声にはお母さんのような暖かさがあり、Stevieとは全く対照的だ。
このアルバムでは特に、明るくハッピーなポップ路線を行くChristineと、ブルーズやロック、カントリーを基調とするStevieのふたりのVo.がバランス良くまとまっている。
そして、Lindsey BuckinghamとChristineとStevieの3人のメイン・ソングライターが個性的に放つそれぞれの曲が、バランス良くいい味を出している。
PVで見たM-9 「Hold Me」 のChristineとLindseyのツインVo.はキラキラしているし、アコースティック・ギターの音をバックにアヴァンギャルドにStevieが歌う M-5 「Gypsy」 も素晴らしい。
あまり好きではないStevieの声でも、この曲は聴き入ってしまう。
ソング・ライティングにキャリアを感じさせるポップなM-2 「Can't Go Back」、フォーキーなナンバーM-3 「That's Alright」、しっとりと聴かせるバラードM-12 「Wish You Were Here」 などいい曲がたくさんで、珠玉のポップ・アルバムと言えるだろう。
派手さや大掛かりな策略もなく地味ではあるが、とてもまとまりのある、Macならではの80年代ポップスに順応した音作りが楽しめる。
『Rumours』 もいいが、このアルバムは肩を張らずに聴いていられる一枚である。
それにしても、Macのジャケットのアート・ワークは、本当にどれも美しく素晴らしい。

 『Rumours / 噂』 1977

3人それぞれが、ソロ・アルバムをリリースしたのもこの頃。
そしてこのあとバンドは活動休止となり、その後StevieとLindseyの脱退、Christineのツアー参加拒否と、ついに終わりかと思われたMacだったが、97年にStevieとLindseyが復帰してアルバム 『The Dance』 をリリース。
小林克也によると、Macは今年この頃のメンバーで何かをやらかそうとしているそうだ。

ポップス・クラシックス その五

2006-02-01 | music : basics


私は、好きなアーティストを通じて知る音楽というのがとてもたくさんある。
彼女もそんなひとり。60年代に活躍した、イギリスを代表する女性ポップス・シンガーのLULU。
彼女に興味を持ったのは、Soul Asylumがカヴァーした 「To Sir With Love」 がきっかけだった。
映画 『いつも心に太陽を』 の主題歌である。ラスト・シーンでLULU自ら出演し、劇中で歌っていたあの曲。
この曲をカヴァーしたSoul Asylumのセンスにも脱帽だったが、93年に放送された彼らの 「MTV Unplugged」 でこの曲を歌った時、サビからLULUが登場し、一緒にデュエットした。
「To Sir With Love」 はとても好きな曲だし、その時の彼女の歌い方がとってもソウルフルだったので、ちゃんと聴いてみたいと常々思っていた。
そしてかなり遅くなったが、去年EMIからリリースされた2枚組のコンピを購入した。
たっぷりと39曲聴いて思ったのが、その歌の上手さ。元々彼女はR&B志向だったそうで、ポップな曲をものすごくパワフルでソウルフルに歌っている。
The Beatles 「Day Tripper」、Bee Gees 「To Love Somebody」、Bob Dylan 「The Mighty Quinn」、Steve Winwood 「Gimme Some Lovin'」 などなど、たくさんのカヴァー曲も収録されていて、持ち前の歌の上手さで彼女独自のものに仕上がっている。
また彼女は、『いつも心に太陽を』 以外にも 『007 / 黄金銃を持つ男』 の主題歌を歌ったりと、映画音楽に携わることが多く、曲も映画音楽っぽくストリングスを壮大に使ったアレンジのものが多く、アルバムを聴いていると、サントラ集を聴いている気分にもなる。
起用したアレンジャーのひとりには、なんとLed ZeppelinのJohn Paul Jonesがいるのだから、これまた凄い!
Burt BacharachとHal Davidコンビの名曲 「House Is Not A Home」 も聴き逃せない。
アグレッシヴなその歌いっぷりに、うっとりと聴き惚れてしまう。
16歳でデビューし、アイドルと言われていた当時の可愛いらしい曲を始め、パンチの効いた声でシャウトする曲、しっとりと歌い上げる曲etc...。
世間ではオールディーズと言われるかも知れないであろう様々な曲調の歌を、私はとても楽しんで聴いている。
そう言えば、90年代前半にTake Thatとコラボした 「Independence」 がよくFMで流れていたことなんかも思い出したり・・・。
今も現役で歌い続ける、息の長いシンガーLULU。本当に歌の上手さは絶品!
「To Sir With Love」 は何度も何度も聴いているが、映画はあまり内容を覚えていないので、近々 『いつも心に太陽を』 を観ようと思う。

★マンスリーで変わるプロフィールの画像。今月は、若き日のKeith Richards。可愛いっっ♪

ロック・クラシックス その五

2006-01-09 | music : basics


昨年暮れのRod Stewartのトピにも書いたが、アナログ盤で所有しているアーティストのものは、ベスト盤のCDをよく聴く。
今回もそんなアナログ時代のアーティスト。
成功と破壊の道を駆け抜け、たった5年で幕を下ろしたイギリスのバンド、Mott The Hoopleの 『Greatest Hits』。
アナログ盤がリリースされたのが1976年で、CD化されたのが1987年、そしてその後何度も再発されている。
黒いサングラスにブロンド・ヘアのVo.のフロントマンIan Hunterは、70年代初頭のLondonでムーヴメントが起こった妖艶なグラム・シーンに、T-RexのMarc BolanやDavid Bowieらと共に、華々しくきらめいていた。
(私はBowieの声があまり好きではないが、T-Rexはお気に入りのひとつだ。)
そう、Mottはいわゆるグラム・ロック・バンドと言われていた。
特にグラム特有のド派手なメイクやきらびやかなコスチュームに身を包んでいるわけでもなかったが、そう呼ばれていた。
それは彼らの背景に、David Bowieがいたからなのかも知れない。
しかし私にとって、その叙情的なメロディがとても魅力のMottに、グラムという言葉はない。
Mottを最初に聴いたのは、David Bowieがプロデュースした名盤 『All The Young Dudes』。
とっても英国的なイラストのジャケがステキだったのと、忘れてしまったが確かバンドをやっている人に薦められて聴いたんだと思う。
当時のダサい邦題とはひと味違って、“すべての若き野郎ども” というタイトルも気に入った。
オン・タイムで聴いたわけではなかったが、しんみりとした哀愁に満ちた楽曲、シンプルなロックン・ロールの数々にアンテナが反応した。
軽快なピアノの音もロックしてるし、後にBad CompanyのメンバーとなったMick Ralphsがギターということもあってか、やはりグラムというよりかはブルーズ色漂うロックだ。
 『All The Young Dudes』 1972

このベスト盤の一曲目を飾るのは、彼らの曲の中でも特に好きな 「All The Way From Memphis」。
イントロから連打する転がるような弾けるピアノと、ストレートでシンプルながらも華麗に展開するロック・ナンバーで、Brian MayやMichael Schenkerなんかも、この曲をカヴァーしている。
ホーン・セクションもギターの泣きメロも、めちゃくちゃカッコいい。
イギリスのバンドがアメリカのMemphisを題材に、ロックン・ロールについて歌うというのは、特に当時誰もが憧れていたアメリカン・ドリームを描いている。
Mottの歌詞には、こういうアメリカ的なフレーズがたくさん出て来る。
例えばM-2 「Honaloochie Boogie」 には “Chuck Berry” が、M-4 「Born Late '58」 には “キャディラック” が登場する。
そして、彼らの歌詞はすべてロックン・ローラーの人生について歌われている。
M-3 「Hymn For The Dudes」 のアコースティックで祈るように歌うIanのVo.と、間奏でドラマティックに奏でられるギター・メロは、邦題の “野郎どもの賛歌” という表現がピッタリ。
David Bowieが書き下ろしたM-5 「All The Young Dudes」 は、やはり泣けるナンバーだ。
もうイントロのギターから、胸にきゅーんと来てしまう。アグレッシヴで叙情的なメロディにグルーヴ感が漂い、この曲でMottはスターダムにのし上がった。
T-RexやBeatles、Stonesが歌詞に登場し、当時の悶々としたロッカーの心情が哀しげに歌われている。
M-7の 「Ballad Of Mott The Hoople」 は、メンバーのことを歌ったカントリーっぽいメロディのバラード。
哀しげに歌うIanのVo.とオルガンの音とスライド・ギターが、彼らのロック魂を切に奏でている。
“Ladies and gentleman, the Golden Age of Rock 'N' Roll!” という語りから始まる、M-8 「The Golden Age Of Rock 'N' Roll」 は、もう王道のロックン・ロール・サウンドの何者でもない。
“The Golden Age of Rock 'N' Roll will never die” という歌詞のまんま、こういうサウンドはいつの時代にも受け入れられ、永遠に不滅だろう。
M-10 「Saturday Gigs」 は、その邦題 “モット・ザ・フープル物語” にあるように、69年から74年の間に駆け抜けた、Mottの情熱的かつ悲劇的なバンド人生が切実に歌われた、悲しいメロディのバラード。
この曲は、崩壊寸前となったMottが最後に残したシングルで、その後バンドはあっけなく崩壊した。
アッという間の破滅だった。原因は、Ianと、David Bowieのかつての相棒Mick Ronsonとの出会いだったらしい。
それがどう影響したのかは詳しく知らないが、Ianの一方的判断でMickをバンドに入れ、それまでのギターをクビにしたことにより、バンド内の空気が最悪となったのが大きな理由と言われている。

“69年は楽しかった・・・思いっきり楽しみ、将来を夢見ていた。
 70年、僕らはひとつになっていた・・・キングス・ロードのアパートが溜まり場だった。
 71年はみんなが僕らのところに集まってきた・・・Mick(Jagger)を 「TOP OF THE POPS」 から
 蹴落として、奴らより上手くプレイしたさ。
 72年は混乱の年だった・・・過去の出来事に振り回された。
 73年は最も盛り上った・・・僕らは話題の中心だった。
 そして74年はブロード・ウェイ・ツアーだった・・・とても素晴らしいツアーだった。
 あの土曜の夜のステージを覚えているかい? 僕らは覚えているよ。
 夢中だったかい? 僕らは夢中だったさ。
 僕らはノリまくったよ。何故なら、君があんなにノッてくれたから・・・”

と、バンドの歩みが赤裸々に歌われている。本当に切なく悲しいメロディで、ぐっときてしまう。
自ら真実のバンドの楽しい思い出と苦しみを最後に歌ったバンドは、後にも先にもMott以外にいない。
全て包み隠さずに、完全燃焼したバンドの短い生命を歌っているのだから、涙を誘わずにいられない。
Mottのバイオを何も知らずに曲だけ聴くと、もしかしたらアメリカのバンドと思ってしまうかも知れない。
バラードに代表される、哀愁漂う湿ったメロディは英国的だが、軽快なロックン・ロールは、アメリカン・ロックっぽくもある。
彼らは解散後も、Queen、The Clashなど、あらゆるミュージシャンに影響を与えてきた。
それは、Ianの表情豊かなVo.と、ワイルドでアグレッシヴ、ドラマティックでストレート、かつ叙情的なサウンドが魅了しているに違いない。

心の中に響くロック・シンガー

2005-12-28 | music : basics


アナログ盤で所有しているアーティストのものは、ベスト盤のCDを買う傾向が多い私。
このアルバムは、90年にリリースされたRod Stewartの4枚組BOX SET 『Storyteller : Complete Anthology 1964-1990』 から更に絞りに絞って一枚のアルバムにした、同年リリースの 『Downtown Train : Selections From The Storyteller Anthilogy』。
 『Storyteller : Complete Anthology 1964-1990』 1990

現在の彼は、いろいろなアメリカのスタンダード・ナンバーをカヴァーした曲を集めたアルバムをシリーズで出したりして、今でも精力的に活動を続けている。
本国イギリスでのRodは、今では日本で言うところのいわゆる演歌歌手のような存在になってしまっているが、実は素晴らしいロックン・ローラーなのだ。
そして、私がハスキー・ヴォイスにめっぽう弱いというきっかけを作ったのもこの人。
Facesという偉大な伝説バンドを経てソロになり、音楽シーン以外にもいろいろお騒がせしてきた彼だが、このアルバムが出た頃まで私は彼が大好きで、最高にカッコ良くて、最高にセクシーで、そして最高に素晴らしいシンガーだった。いや、今でもそうなのだが・・・。
もちろん現在の彼を否定する訳では決してないが、70年代、80年代にRodが放っていた音楽は、誰にも真似のできない素晴らしさがあった。
このアルバムに収録されている曲だけでは、到底十分に彼の音楽を語ることが出来ないのは言うまでもないし、まだまだもっともっと素晴らしい曲が山のようにある。
しかし、Faces時代の曲からソロの後期まで万遍なく集めた聴き応えのある一枚である。

オープニングは、Facesの最高傑作と言っても過言ではない 「Stay With Me」
 『A Nod Is As Good As A Wink...To A Blind Horse』 1971 収録
軽快なロックン・ロールのリズムで始まるスピード感のあるRon Woodのギターに、Ian McLaganのピアノが絡んだかと思うと、歌前でグルーヴのあるミディアム・テンポに変わるところが気持ち良すぎる。
この曲のRonのギターは、本当に何度聴いても渋くって素晴らしい。そのRonの絶妙なギターとIanの跳ねるピアノを中心に、Ronnie Laneのベース、Kenny Jonesのドラムと全ての楽器が絡み、滑走する最高のロックン・ロール・ナンバーだ。

続くは 「Tonight's The Night (Gonna Be Alrights)」 と 「The Killing Of Georgie (PartⅠandⅡ)」
 『A Night On The Town』 1976 収録
「Tonight's The Night」 のグルーヴは本当に気持ち良く、Sam CookeやCurtis Mayfield、Marvin Gaye、Wilson Pickett、Smokey Robinsonなど、多くのR&Bミュージックに影響を受けてきたRodらしい、ビートの心地よいナンバー。
当時の恋人の囁きも入った大ヒット・ナンバーで、ビルボードのチャートも1位になり、長い間上位にランク・インしていた。
「The Killing Of Georgie (PartⅠandⅡ)」は、アコギの音色に乗っかる、哀愁と深みを帯びたRodのVo.が切ないミディアム・バラード。後に再評価され、名曲と謳われた。
PartⅡに入ると、それはまるでThe Beatlesの 「Don't Let Me Down」。似ているというよりか、そのままである・・・。

そして 「Passion」
 『Foolish Behaviour』 1980 収録
The Rolling Stonesがディスコ・サウンドに目覚めた(?) 「Miss You」 を受け継ぐかのような、ディスコティックなナンバー。
転がるようなピアノの音が印象的。歌詞には世界の主要都市が出てきて、“Tokyo” もちゃんと出てくる。

「Young Turks」
 『Tonight I'm Yours』 1981 収録
邦題に “燃えろ青春” という、何ともダサいタイトルが付けられていた。が、この曲のイメージを衝いているな~と思う。Rod自身がプロデュースしていて、その時代に合った曲を生み出そうと、試行錯誤している姿が伺える。

次は 「Infatuation」
 『Camouflage』 1984 収録
AORミュージック・シーンで活躍していたMichael Omartianによるプロデュースのこの曲は、よりドラマティックになっている。
しかし 「Young Turks」 同様、当時の音楽シーンに合わせた、少しロックから離れた感のする曲だ。
この時のツアーを私は初体験し、背筋をピンと伸ばしてスタンド・マイクを振り回しながらステージ狭しとピョンピョン跳ねるRodに魅せられたものだった。

続くは最高に切ない 「People Get Ready」
 「People Get Ready」 1985 シングル・リリースのみ
この曲は前にも “温水バトン” で取り上げたが、Rodがこの曲のJeff Beckのギター・プレイを聴いてVo.を志願したという、名コンビ復活のImpressionsのカヴァー曲。
間奏のJeff Beckの泣きまくるギターと、Rodの痛切とも言える叫びが、胸の奥底にグググ~ッとくる最高のバラード。

そして 「Forever Youg」 と 「My Heart Can't Tell You No」
 『Out Of Order』 1988 収録
Duran DuranのAndy TaylorとChicのBernard Edwardsとタッグを組んで制作されたこのアルバムからは、数々のヒット曲が生まれた。
Duranっぽさを感じるスピード感のある 「Forever Youg」、Chicっぽさを感じるおしゃれなサウンドの 「My Heart Can't Tell You No」。この曲のサビのメロディは、素晴らしい。

続いて 「I Don't Want To Talk About It」 と 「This Old Heart Of Mine」
 『Atlantic Crossing』 1975 収録
ここでは、2曲共1989ヴァージョンを収録。Rodがイギリスからアメリカに渡ったターニング・ポイントのアルバムで、一際存在感を放っていた2曲のバラードがこの 「I Don't Want To Talk About It」 と 「Sailling」。
A面をファースト・サイド、B面をスロー・サイドとするRodお得意の構成は、このアルバムが最初で、このB面は本当にもう何度聴いたことか・・・。
そして、再アレンジされたヴァージョンも、切なすぎるくらいに素晴らしいバラードに仕上がっている。
The Isley Brothersの曲をカヴァーした 「This Old Heart Of Mine」 は 、1989ヴァージョンでは本家のRonald Isleyとデュエットしてシングルとして再発され、大ヒットした。
イントロのピアノのメロディがとてもカッコ良くて、私はこっちのアレンジの方が好きだ。モータウンの名曲がRodのVo.によって軽快に、それでいてソウルフルに歌われ、甦っている。

最後を飾るのは、「Downtown Train」
 『Vagabond Heart』 1991 収録
89年に既にシングル・リリースしていたこの曲は、Tom Waitsのカヴァーで、本家Tomのあのダミ声と違い、Rodの歌の上手さに惚れ惚れするとってもソウルフルなナンバー。
プロデュースは、 The BugglesのTrevor Horn。数々のヒット曲をプロデュースしてきた奇才Trevorだが、Rodの味を存分に生かした仕上がりになっている。

こうやって代表曲を通して聴いていると、Rodって本当に素晴らしいシンガーだな~と、改めて実感する。
そして彼のフォロワーは、Paul Youngを始め、The London Suede、The Replacements、Paul Weller、Lenny Kravitz、The Black Crowesから、oasis、Supergrass辺りまでと、多くのミュージシャンに多大な影響を与えている。
そして彼は、いつまでも私の心の中にステキな歌を響かせてくれるシンガーである。
まだまだもっともっと素晴らしい曲はたくさんあるので、徐々に取り上げて行こうと思う。

ロック・クラシックス その四

2005-12-22 | music : basics


“You should've been gone・・・” で始まる、ハイ・トーン・ヴォイスのアカペラ。
なんてインパクトのある歌なんだろう・・・。
当時、この曲にかなり魅せられ、何度も何度も聴いては切ない気持ちになった。
Journeyのヴォーカリスト、Steve Perryが86年にリリースした初のソロ・アルバム 『Street Talk』。
彼は、元々はソウル・ミュージックに影響を受けたヴォーカリストということもあり、このソロ・アルバムはかなりソウルフルな仕上がりになっている。
そして一曲目を飾るのが、その歌い出しの曲 「Oh, Sherrie」 だ。
実在の恋人Sherrieのことを歌ったドラマティックなラヴ・ソングで、PVにはそのSherrieが実際に登場していた。
自分が最も愛する人に捧げた曲というだけあって、彼のVo.はちろん、メロディも何もかもが素晴らしく、何度聴いても本当に素敵な曲だ。
繊細で切なく歌い上げるM-4 「Foolish Heart」、深みのあるゆるやかなM-8 「Running Alone」、魂をふり絞るかのように熱唱するM-10 「Strung Out」 など、素晴らしいバラードが多い中、ハードなロック・ナンバーのM-6 「She's Mine」 なども聴き逃せない曲だ。
Perryの声は特徴があり、Journeyも彼がVo.になってからヒットを連発した。
艶っぽいハスキー・ヴォイスがなんともセクシーで、このアルバムはJourneyよりも彼の魅力が出ていて、本当によく聴いた。
そして、Journeyでの彼とはまた違う雰囲気を味わうことができる。
成熟された、温かみのある大人のロック・アルバムとも言え、今聴いても十分に浸ることができる。

ポップス・クラシックス その四

2005-12-15 | music : basics


このレコードのジャケ写を探すのに、ちょっと時間がかかった。
1975年にキングレコードからリリースされた、The Carpentersの2枚組セルフ・タイトル・アルバム。
GEMシリーズというものらしく、編集盤である。10年以上前に中古レコード店で手に入れたもので、全24曲、名曲中の名曲が揃っている。
彼らの曲は音楽の教科書に載り、Carpentersの曲とは知らずに歌っている小さな子供たちもたくさんいる。
好き嫌いは別として(・・・というより、嫌いな人なんているだろうか?)、洋楽を聴かない人ですら彼らの曲を全く知らないという人はいないだろう。
それほどまでにポピュラーで偉大で、親しまれ続けている。
兄RichardとJohn Bettisコンビのソング・ライティングの才能、Richardの巧みなアレンジ、そして妹Karenの洗練されたヴォーカル。
アップ・テンポな曲でもどこか寂しげな憂いが漂うKarenのVo.は、Carpentersの透き通るような美しい世界をより一層素晴らしいものにしている。
70年代当時、シングル 「Close To You」 「We've Only Just Begun」 が立て続けにヒットするも、アメリカのミュージック・シーンでは過小評価しかされていなかった。
しかし、そんな受け取られ方とはウラハラに、彼らの音楽はどんどんクウォリティが高まり、後にヒット曲を集めた73年にリリースした 『The Singles』 をきっかけに、評論家筋が彼らを見直し始める。
彼らの音楽の特徴のひとつに、数々の名曲のカヴァーがある。Carpentersで聴いたあとで、原曲を知るということも少なくないだろう。
私も、「A Song For You」 「Superstar」 「The Masquerade」 と言ったLeon Rusellの名曲は、Carpentersが先だった。
The Beatlesの 「Ticket To Ride」 「Help」 や、The Marvelettesの 「Please Mr.Postman」、The Eaglesの 「Desperado」、Neil Sedakaの 「Solitaire」 なども代表曲のひとつだ。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、Burt Bacharachの手による素晴らしい曲の数々。
Bacharachの珠玉のポップ・ナンバーが、Karenの切なく哀しげな声に、見事なまでに合致している。

Karenの英語の発音は、とても綺麗でわかり易く、英語のヒアリングにも最適だと中学の英語の先生に言われたことがある。
親しみやすいメロディと、子供の耳にもクリアに聴こえるその綺麗な発音のKarenのVo.が、今も人々の心の奥まで浸透し、これほどまでに多くの人に親しまれている理由のひとつとも言えるだろう。
大人から子供まで、世界中の誰からも愛され口ずさまれている数々の曲。これからもずっと受け継がれていくことだろう。

数多くの素晴らしい曲の中で、いちばん好きな曲を挙げるとしたら、私は 「Rainy Days And Mondays」 を選ぶ。

STARTING OVER

2005-12-08 | music : basics


今日はやっぱりこれでしょう・・・。12月8日という日・・・。
正確には日本時間では明日なのだが、音楽ファン、特に洋楽、中でもロックやポップスを愛する人にとっては永遠に忘れられない日。そして、音楽の歴史の中でも最も重大な事件が起こった日。
きっとみんな今日はJohnの歌を聴いていると思うし、ブログに書いている人も多いだろう。
そして、今日は街の至るところでJohnやThe Beatlesの曲を耳にした。スタバ、コンビニ、ガソリンスタンド、スポーツ店、雑貨屋さんetc...
私も日付が変わってからは、JohnのCDがヘヴィ・ローテーションしている。
ニューヨーク滞在記」で、セントラル・パークの “Strawberry Fields” に行った時のトピにも書いたが、25年前のこの日のことはまるで昨日のことのように記憶に残っている。

89年リリースの 『The JOHN LENNON Collection』。後に 『Lennon Legend』 が出て、確か今はもう廃盤となってしまったこのコンピレーション。
収録曲は6割ほど同じで、『Collection』 には 「I'm Losing You」 「Dear Yoko」 「Move Over Ms.L」 が、『Legend』 には 「Mother」 「Nobody Told Me」 「Borrowed Time」 「Working Class Hero」 が収録されていて一曲多い。
私はJohnの曲は、アルバムを聴くよりもこういうコンピを聴くことの方が多い。名盤 『Double Fantasy』 も、どうもYokoの声や歌い方が苦手なので、あまり聴かない。
テロが多発し、幼い子供たちが残虐な目に合い、犯罪も決して減らない今、誰よりもLove & Peaceを訴え、誰よりも願っていたJohnの想いは未だ叶っていない。
天国からこんな地球の様子を見て、きっと悲しんでいることだろう・・・。

好きな曲はたくさん有れど、群を抜いて好きなのが、「(Just Like) Starting Over」。
Johnの遺作となったこの曲は、息子Seanの子育てが一段落し、音楽活動の再出発という意思を込めた曲。しかし、皮肉にもそんな矢先の12月8日だった。
『Double Fantasy』 の一曲目でもあるこの曲。鐘の音が響き、“Our life together・・・” とJohnの声が聴こえてくる・・・。
ノリのいいリズムで、歌詞はとても前向きな内容。“遺作” とあまりにも言われてきたため、つい感傷的になって聴きがちだが(かく言う私もそんなひとり・・・)、Johnのこの曲に込められたメッセージは、“新たに始めよう” という前向きなメッセージ。
受け入れ方は人それぞれあるだろう。私は数年前まではこの曲を聴く度に涙腺が緩くなっていたが、改めて歌詞を見つめ直し、Johnのメッセージに耳を傾けることができるようになってから、更に大好きな曲、いちばん好きな曲になった。

thank you, John.
we have grown
let's take a chance and fly away
it'll be just like starting over.....

ポップス・クラシックス その参

2005-12-04 | music : basics


12月に入り、街はイルミネーションで輝き、クリスマスの雰囲気漂う季節に突入した。
聖夜って本来はキリスト教のお祭りなのに、日本ではもうすっかり当たり前の普通の行事になっている。
まあ、深く追求することは止めて、今日はこの曲について・・・。
今から約20年前の1984年にリリースされた、WHAM!の 「Last Christmas」。
数多くあるクリスマス・ソングの中でも、この曲は大好きな曲のひとつだ。
当時のヒットは言うまでもなく、20年以上経った今でも衰えることなく、クリスマス・ソングのスタンダード・ナンバーとして、多くの人に親しまれている。
毎年リリースされる様々なクリスマス・ソングのコンピにも、必ず収録されている。
この写真は12"のジャケで今でも大切に持っているのだが、プレゼントを抱えたGeorge Michaelに対して、裏側はトナカイの格好をした相棒のAndrew Ridgelyの姿が・・・。
WHAM!はGeorgeがメインで、Andrewはいつも引き立て役のような存在だった印象が強い。
この 「Last Christmas」 のPVに至っては、GeorgeとAndrewと、Andrewの彼女との3人でクリスマスを山荘で過ごすという設定で、やがてGeorgeに彼女を取られてしまうという内容。
当然のようにGeorgeの方が遥かに人気もあった訳で、解散後もGeorgeはソロとして活動し、今も現役だが、Andrewのその後は不明だ。
確か去年、Georgeのドキュメント映画で、再会のシーンがあったが・・・。でもやはりWHAM!はAndrew居てのWHAM!だったと思う。

当時覚えたこの曲は、今でも完璧に歌える。
イントロを聴くだけで、もうクリスマス一色の気分になれる。雪が舞っているかのようなシンセの音と鈴の音が響き、そして囁くような歌声で始まる。
この12"ヴァージョンでは間奏にちょっとロックっぽいアレンジが入るが、とっても綺麗で感傷的なメロディと、決してハッピー・エンドではない切ない歌詞がリンクしている。
誰もが口ずさめる、素晴らしいポピュラー・ソングとして、これからもずっと愛され、歌い継がれて行くことだろう。

余談だが、折りしも今日、George Michaelが長年付き合っていた “ボーイフレンド” と結婚するというニュースを聞いた。(あぁ、やっぱり・・・)

繊細な温もり溢れる余情

2005-11-28 | music : basics


先日の80年代に観たライヴのトピに登場した、Rickie Lee Jones。最近聴いていなかったので、懐かしくなって久しぶりに彼女のレコードを聴いた。
1979年リリースの彼女のデビュー・アルバム 『Rickie Lee Jones / 浪漫』。この一枚だけで、彼女の魅力を十分に堪能することができる。
まずジャケット。トレード・マークである真っ赤なベレー帽をかぶったRickieが、うつむき加減に煙草をくゆらせている。この煙草を吸う姿が、実にカッコいい。
彼女は、相当のヘヴィ・スモーカーだったと言う。そういうことを聞くと、しゃがれ声をイメージしてしまうが、レコードの針を落として聴こえてくるのは、少女のような愛くるしいとっても可愛い声なのである。
Bjorkの声がよく似ていると言われているが、私はBjorkのあの声は苦手だ。Rickieの声には、もの憂げで温かみがあって、そこはかとない色気が感じられる。
デビュー当時は25歳。Little FeatのLowell Georgeに見出され、デビューに至った訳だが、それまでの彼女は、子供の頃のジプシー的な生活、やがて家出、ドラッグ中毒、そして酒に溺れ、Tom Waitsとの恋に破れると言った波乱に満ちた人生だった。
そんなバック・グラウンドも、彼女のアンニュイな歌の世界にかなり影響を与えたことだろう。
ブルーズ、フォーク、ロック、ジャズが絶妙にミックスされた、無駄のない音に仕上がっているこのアルバムは、Randy Newman、Steve Gadd、Jeff Porcaro、Michael McDonald、Nick DeCaro、Tom Scottなどと言った錚々たるメンバーのバック・アップで制作され、見事に成功を掴んだ。
プロデューサーは、後にワーナー・レコーズのナンバー・ワン・プロデューサーとなるLenny Waronkerと、Little Featのプロデューサーで有名なRuss Titleman。
RickieとLennyとRussは、恐らく幼なじみ。3人一緒に映った、幼少時代のモノクロ写真が収められている。
そして、Rickie自身もギターの他、キーボードとパーカッションをプレイしている。
1曲目を飾っている 「Chuck E.'s In Love」 は彼女の代表曲で、成功を掴んだ曲である。Lightnin' Hopkinsのツアー・メンバーだった親友のChuck E. Weissのことを歌った歌である。ちなみに、彼女にTom Waitsを紹介したのはChuckだったそうだ。
ミディアム・テンポでリズム・パターンにとても特徴のあるこの曲は、ジャズの独特なスキャット唱法も取り入れたポップでジャジーなナンバーになっている。キュートで愛らしく、それでいてパンチの効いたVo.が澄み渡る。
アルバムに収録されている11曲全てが繊細であったかく、それでいてもの憂げな陰も感じられる。
しかし、とても聴きやすい曲ばかりで、あまり女性Vo.ものを聴かない私にとって、彼女とCarole Kingは女性シンガーの最高峰だ。
このアルバムは、後に数多くの女性シンガー・ソングライターにも多大な影響を与えることとなり、最近ではNorah Jonesなんかがそうなんじゃないだろうか。Norah Jonesの曲の感じや歌い方を聴いて、すぐにそう感じた。
Rickieはその後、『Pirates』、『My Funny Valentine』、『The Magazine』 と言った数々の名盤を生み、また、ロック&ポップスのスタンダード・ナンバーをカヴァーした、『Pop Pop』、『It's Like This』 という2枚のアルバムも好評だった。

『Pirates』 1990     『Pop Pop』 1995

そして今年、Rhino Recordsより、彼女の集大成とも言える3枚組のベスト・アルバムがリリースされた。そして、まだまだ現役でいてくれていることが、何より嬉しい。

『duchess of coolsville : an Anthology』 2005

ロック・クラシックス その参

2005-11-22 | music : basics


数あるStonesのアルバムの中で、いちばん好きなのを選べと言われたら、ベタかも知れないが私はこのアルバムを挙げる。
やはりこれをいちばんよく聴くし、このアルバムに込められたStones流ブルーズ・ロックが体の芯まで浸透してくる。
1972年の作品 『Exile On Main Street / メイン・ストリートのならず者』。
アメリカ南部のルーツ・ミュージックをずっと追求してきたStonesが出した答えが、ここに詰まっていると思う。
モノクロの写真でコラージュされ、手書きの文字が並ぶジャケも大好きだ。
ここでStonesの歴史や彼らが築いてきた音楽についてツラツラと述べるつもりはないが、自らのレコード・レーベルを立ち上げ、このアルバムのひとつ前の 『Sticky Fingers』 をリリースした頃は、皮肉にも既にThe Beatlesは解散していて、常に比較されていたライバルが居なくなったこともあり、文字通りNo.1バンドとなった、ということだけ書いておこう。
そしてこのアルバムで大活躍の、GのMick Taylorが在籍した最後のアルバムであることは、ご承知のとおり。

私がStoneを初めて聴いたのは、『Between The Buttons』 だった。「Let's Spend The Night Together」 に心踊り、「Ruby Tuesday」 に感動し、そしてそこからどんどん彼らにハマって行った。
いろいろ勉強(?)もした。私の初のUK行きもStones絡みだったし、音楽の趣味もかなりStoneに影響されている。
ただ、この曲はこうで、あの曲はこうで・・・となど、今更語るまでもあるまい。それだけ、世にはStonesに精通した人がたくさんいる。みんなそれぞれ自分なりの解釈で聴いているはずだ。
私がこのアルバムをよく聴く理由のひとつに、Nicky Hopkinsのピアノの音色がある。ホンキートンクに転がる様なタッチの彼のピアノは、最高に心地良い。
そして、Bobby KeysとJim Priceのホーン・セクションのバック・アップも欠かせない。
一般的にも知られている 「Tumbling Dice」 以外は、わりと地味な曲が多いのだが、一曲一曲がとても味わい深く、しみじみと聴き入ってしまう。
粘っこいMickのVo.と、ちょっと下手っぴぃな感じのKeithのハモりが、これまた絶妙にマッチしていて魅力を放つ。
レコードでは2枚組なのだが、それぞれA面とB面のコンセプトを伺うことができて面白い。
中でも特にお気に入りの曲だけを順番に挙げると、まずやはり1曲目の 「Rocks Off」。KeithとCharieのコンビネーションが最高にカッコいい。後半でサイケになるところも憎い展開だ。
M-5 「Tumbling Dice」 はやはり外せない。女性コーラスのゴスペルっぽいところや、スワンプ・ロックっぽいところも、Stoneのアメリカ音楽の探求の答えのような気がする。KeithとMick Taylorのツイン・ギターの絡みも素晴らしい。
レコード1枚目のB面1曲目 M-6 「Sweet Virginia」 はとっても美しいカントリー調の曲で、この手の音も今の私の趣味にかなり影響を受けている。間奏のSaxのメロディが切なくさせる。
そしてM-7 「Torn And Frayed」。The Black Crowesが今年のツアーでもカヴァーしていたカントリー・ブルーズ・ナンバー。Al Parkinsのスティール・ギターがアメリカの大地の香りを思い起こさせてくれる、とても美しいメロディだ。
1枚目の最後を飾るM-9 「Loving Cup」 は、Nickyのピアノがイントロから美しく響く。Keithのアコギで歌が始まり、途中でCharieのドラムが入るところからは、最高にカッコいいグルーヴを放つ!
2枚目の1曲目を飾るのは、KeithがVo.のM-10 「Happy」。Keithの気だるく歌う歌い方が可愛くって大好きだ。そして、Mick Taylorのスライド・ギターに酔う。
2枚目の最後M-14 「Let It Loose」 はソウルフルな美しいバラード。Keithのコーラスも味があって泣けてくる。もの哀しく、郷愁漂う一曲だ。間奏のホーンとピアノが、より哀愁満ちた音になり、歌い上げるMickのVo.と最後に女性コーラスが絡み、ゴスペルっぽくなるところも感動する。
3枚目の1曲目M-15 「All Down The Line」 も、Mick Taylorのスライド・ギターが全体に渡って唸りまくる、軽快なロックン・ロック・ナンバー。とにかく、このスライドの音が気持ち良くってノレる。
M-16 「Stop Breaking Down」 はRobert Johnsonのナンバーで、ピアノはIan Stewart。渋いブルーズ・ナンバーで、ここでもMick Taylorのスライド・ギターが炸裂している。もはやこのMick Taylorのスライド・ギターがないと、このアルバムは無に等しいのかも・・・と思うほどだ。
M-17 「Shine A Light」 はこのアルバムの中でも特に好きな曲で、この手のグルーヴに私はからっきし弱い。ピアノとオルガンのアレンジをフィーチャーした、ゴスペル色の強いミディアム・テンポのグルーヴィな曲。効果的に入るスライド・ギターの音も気持ちいい。

絞りに絞って、全18曲中10曲。聴けば聴くほど、今私が好きな音楽のルーツになってるな~ってことを実感する一枚である。