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Phantom Planet / Raise The Dead

2008-05-05 | music : favorite


ロサンゼルスの地元仲間で結成された、パワー・ポップ・バンドPhantom Planet(ファントム・プラネット)。
現在メンバーは4人だが、94年の結成時は5人組で、当時のドラムスのJason Schwartzman(ジェイソン・シュワルツマン)は、Rooney(ルーニー)のフロント・マンRobert Schwartzman(ロバート・シュワルツマン)の兄であり、03年まで在籍していた。 
日本でも人気のTVドラマ 『The O.C.』 の主題歌で、一度聴いただけで耳に残るほどの印象的な曲、「California」 を歌っているのが彼らである。
そんな彼らの新作 『Raise The Dead』 が、先頃リリースされた。
ひと言でパワー・ポップ・バンドと言うには勿体ないくらい、このバンドはいろんな要素の音を持っている。
特に本作は、British Invasionの香りがプンプンと漂ってきて、陽気で明るいイメージが先行するカリフォルニア・バンドとは違い、60年代風のガレージ・サウンドやエフェクターを効かせたエレクトリック・サウンドが見事に融合していて、これまでとは一味違った一面を出している。
アコギの爽やかな音に乗って、力強くポップなアルバム・タイトル曲M-1 「Raise the Dead」 で始まり、全12曲それぞれがとても凝った、バラエティに富んだポップな曲で埋め尽くされている。
M-2 「Dropped」 でQueenを少し感じ、M-4 「Do the Panic」 やM-5 「Quarantine」、M-10 「Confess」 では、The Kinksを感じる。
どこか懐かしいのだが、確実に新しい音を作り出している。
M-6 「Ship Lost at Sea」 では、エフェクターを効かせたVo.で、エレクトリック・ポップの雰囲気を上手く漂わせている。
一方、だんだんといろんな音が重なり、ダークで重厚なサウンドになって行くM-7 「Demon Daughters」 は、とても面白い仕上がりになっている。
パーカッションをふんだんに取り入れた、M-9 「Too Much Too Often」 のダンサブルで複雑なリズム・パターンと凝ったアレンジは、ライヴで映えそうな熱いナンバーでカッコいい。
これぞパワー・ポップ!と言わんばかりのドライヴィング・チューン、M-11 「Leave Yourself for Somebody Else」 のほとばしる疾走感もたまらなく気持ちいい。
コーラス・ワークとアレンジに趣向をこらしていて、くり返し聴けば聴くほど各曲のいろんな面白さを見い出すことができる。
とても楽しみながら聴ける作品である。

Leeland / Opposite Way

2008-03-18 | music : favorite


イタリアの旅行記は、まだ3分の1ほど残っているのだが、今日はこのブログの本来のテーマ、音楽について。
美しい煌きを放つ素晴らしい楽曲に魅了させられた、前作 『Sound of Melodies』 から1年半、2ndアルバム 『Opposite Way』 を先月リリースしたLeeland。
正直なところ、楽しみにはしていたがそんなに期待はしていなかった。何故だかは自分でもわからない。
しかし、マイスペで先行UPされていた曲を聴いて、そんな気持ちが少しずつ変わって行っていたのは確かだった。
そして、旅行から帰ってきて初めてアルバム全曲を聴いた時、あまりにもスケール・アップした彼らの成長ぶりに度肝を抜かれた。
デビュー・アルバムのリリース前に、オリジナル・メンバーだったギターのJeremish Woodがバンドを離れ、その後はパーマネントなメンバーを持たなかった彼らだったが、今回新たにMatt Campbellを新メンバーとして正式に迎え、新生Leelandが誕生した。
19歳になったバンドの中心人物Leeは結婚もし、私生活も益々充実していることも影響してるのか、どの曲にもエモーショナルな幅広い感性がにじみ出ている。
結婚と言えば、昨年来日時はドラムスのMikeだけ妻帯者だったが、その後全員結婚した。
私の知る限り、やはりクリスチャンは結婚が早い。というのも、敬虔なクリスチャンは、男女の付き合いの、いわゆる “一線” を越えることは、重大な罪だからなんだと思う。
話が反れてしまったが、今回のアルバム、本当に完成度が高い。是非多くの人に聴いてもらいたい。
前作と違って、“God” や “Jesus” と言った、いかにもクリスチャンという歌詞は減り、ジャケットの真ん中の矢印が意味する、“自分たちの信じるように行動する。たとえそれが他の人たちと逆方向(Opposite Way)であろうとも・・・” というテーマに沿って発信する、自信に満ち溢れた楽曲が並ぶ。
そして何よりも、とてもロックなアルバムということ。天まで突き抜けるような澄み切った輝く美しいメロディは、より一層煌びやかになり、エモーショナルなアレンジで、サウンドの厚みも何倍もスケール・アップしている。
LeeのVo.もひと回り太くなっていて存在感があり、豊かなソング・ライティングの才能が確信できる。

M-1 「Count Me In」 のサビに繋がる壮大な展開を聴くだけで、そのあとにはどんな曲が待っているのか、期待せざるを得ない。
歌が終わって残像のように音が残り、そのままM-2 「Let It Out Now」 に入ると、とってもポップで美しい旋律が流れてくる。更に、軽快に展開するサビのメロディが心地良い。
デビュー・アルバム収録の 「How Wonderful」 を彷彿させる、圧倒的スケールのバラードM-3 「Enter This Temple」 はグッと心に響くナンバー。
アルバム・タイトル曲M-4 「Opposite Way」 は、アコギの爽やかな音が広がる、これまた美しい曲。
ガラッと雰囲気が変わって、M-5 「Wake Up」 では、力強いロック・サウンドを奏で、伸びやかなVo.が映える。
アルバム唯一のマイナー・コードの曲M-6 「Beginning and the End」 では、変化に富んだリズム・パターンで、今までと違う一面を披露している。
ピアノをフィーチャーしたM-7 「Brighter Days」 は、初めしっとりと、そして後半になるにつれてエモーショナルに歌い上げるバラード。
アップ・テンポだが、賛美歌のように美しいM-8 「Falling For You」 のメロディ展開は、熱いものがこみ上げてくるほどに切なく美しい。
ラスト・スパート3曲は、再び軽快に力強くロックする、とってもキャッチーなM-9 「Don't Go Away」 から、ストリングスも取り入れ、アコギとピアノがバランス良く絡まるバラードM-10 「Thief In the Night」 へと続き、とても美しくてドラマティックなM-11 「May Our Praise」 で幕を閉じる。

何度くり返し聴いても、心が洗われる気持ちの良いアルバムで、一歩間違えれば大袈裟になりがちなくらいのアレンジの壮大さも、楽曲の素晴らしさが見事に伴っているので、輪をかけてアグレッシヴに料理されている。
昨年も今年も、ツアーに明け暮れる毎日を送っている彼ら。ロードで得た経験もプラスとなり、確実に前進して成長しているのが一聴してわかる。
さほど期待していなかっただけに、この完成度の高いアルバムに驚きと喜びを感じ、そして一曲一曲に酔っている。

Ben Kweller / Sha Sha

2007-10-09 | music : favorite


この、ちょっと気だるくてふわ~っとしたゆったり感がたまらない・・・。
そしてこの親しみやすすぎる、何とも言えぬジャケ!
去年リリースされたセルフ・タイトル・アルバムも絶品だったBen Kwellerの2002年リリースの1st 『Sha Sha』。
彼の音楽は肌に優しく、そのゆったり感が体中に充満して心地良い。
音はもちろん、それ以上にBenちゃんの声に癒される。
The Bensでユニットを組んだBen FoldsはBen Folds、Ben LeeもBen Lee 、しかし彼のことは “Benちゃん” と呼んでしまう私。(笑)
決してゆったりとした曲ばかりではなく、ちゃんとロックしているのにゆったりしているところがツボ。
ヴァースの切れ目で “Sha Sha~” とまるで面倒くさいかのように気だるく歌う、タイトル曲M-1 「Sha Sha」。
Benちゃんらしさが漂うバラードM-5 「In Other Words」 は、ピアノの音が温かく響き、アップ・テンポになって行く最後の曲の展開がおもしろい。
アコースティックながらも、軽快でポップなM-6 「Walk On Me」 。 
私の大好きなM-7 「Make It Up」 は、歌い出しはゆったりと、そしてサビに向って力強く歌い上げて行き、最後にまた一度しっとりとさせてから盛り上げる。
この何気ないけど凝ったメリハリが、繰り返し聴いても飽きさせないところかも知れない。
アコギだけでしっとりと聴かせるM-9 「Lizzy」 では、Benちゃんの歌声が引き立つ。
そしてとても可愛くてポップなナンバーM-11 「Falling」 で締めくくる。
また、ガッツリとロックしているM-2 「Wasted And Ready」、M-4 「Commerce, TX」、M-8 「No Reason」 も外せない。
ポップなメロディとさり気なく凝ったアレンジで全曲楽しませてくれる。

gbyさんのブログで、Benちゃんのライヴが本当に素晴らしかったという感想を読み、行けなかったことが今でも悔やまれる。
ところで、巷では “weezerを彷彿させる” なんて言われていたが、私はそうは思わない。
そう言われていたのはもしかしたら、M-10 「Harriet's Got A Song」 のギターの音のせいなのかも・・・?

Fountains of Wayne / Welcome Interstate Managers

2007-09-11 | music : favorite


来月Fountains of Wayneのライヴに行くので、ほぼ毎日聴いていた最新アルバム 『Traffic and Weather』 をちょっとお休みして、1st 『Fountains of Wayne』 と2nd 『Utopia Parkway』 を交互に聴いて準備中。
しかし、何故かグラミー賞までをも受賞した2003年リリースのこの3rd 『Welcome Interstate Managers』 を持っていなかった。
あまりにも有名な彼らの代表曲 「Stacy's Mom」 は、もちろんお気に入りのナンバーなのに・・・。
で、“これはいけない” と思い、先日かなり遅ればせながら購入し、愛聴している。
ひとことで言うと、とっても優しいアルバムだ。音楽が優しさで溢れ返っている。
それはもう1曲目の 「Mexican Wine」 に触れただけで、心の奥底までその優しさが伝わってきて、ぐぐ~っと引き込まれて行く。
M-2 「Bright Future In Sales」 のノリのいい弾むポップ・ロック・チューンはクセになる。
しっとりとしたナンバーM-4 「Hackensack」 を聴くと、私は 『Traffic and Weather』 に収録されている 「Michael and Heather At The Baggage Claim」 を思い出してしまう。
アコースティックなM-7 「All Kinds Of Time」 では、元スマパンのJames Ihaがギターを弾いている。
思わず手拍子したくなるM-9 「Hey Julie」 は、いろんなパーカッションが入っていて、これも 『Traffic and Weather』 の中の 「Planet Of Weed」 を思い起こす。
M-11 「Hung Up On You」 では、いかにもアメリカ~!というカントリー調のペダル・スティールの音色が心地良く鳴り響く。
優しく温かく包み込まれるようなバラードM-12 「Fire Island」 は、間奏のフリューゲル・ホルンの音色と、それを追いかけてかぶさるように響くギターの音色にぐっと来てしまう。
タイトルからも想像できるちょっとサイケデリックな M-13 「Peace And Love」 などなど、とっても聴き易いのにワン・パターンではないので、いろんな楽しみ方ができる。
1分ちょいのラスト・ナンバー 「Yours And Mine」 のピアニカの音は、そのチープな音が何とも可愛くて、思わずクスッと笑みがこぼれてしまうほどだ。
覚え易いメロディの癒されるサウンドがぎっしり詰まっていて、今更ながら、Adam SchlesingerとChris Collingwoodの怖いくらいにピッタリと息の合ったソング・ライティングと音作りは、やはり鳥肌ものだ。
それにしても、Chrisの英語は本当にわかり易い。歌詞がハッキリと聴き取れるので、ストーリー性のある曲は情景を思い浮かべながら聴ける。
う~ん、来月のライヴがとっても楽しみだ~♪

Plain White T's / Hey There Delilah

2007-09-01 | music : favorite


昨日、Plain White T'sの記事をUPした後、改めて繰り返し 「Hey There Delilah」 を聴いていたら、その歌詞の切なさとストレートな気持ちの表現に改めて感動。
対訳がなくてもわかり易い歌詞なので、ココに紹介しておこう。


Hey there Delilah
What's it like in New York City?
I'm a thousand miles away
But girl tonight you look so pretty
Yes you do
Times Square can't shine as bright as you
I swear it's true

Hey there Delilah
Don't you worry about the distance
I'm right there if you get lonely
Give this song another listen
Close your eyes
Listen to my voice it's my disguise
I'm by your side

Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
What you do to me

Hey there Delilah
I know times are getting hard
But just believe me girl
Someday I'll pay the bills with this guitar
We'll have it good
We'll have the life we knew we would
My word is good

Hey there Delilah
I've got so much left to say
If every simple song I wrote to you
Would take your breath away
I'd write it all
Even more in love with me you'd fall
We'd have it all

Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me

A thousand miles seems pretty far
But they've got planes and trains and cars
I'd walk to you if I had no other way
Our friends would all make fun of us
and we'll just laugh along because we know
That none of them have felt this way
Delilah I can promise you
That by the time we get through
The world will never ever be the same
And you're to blame

Hey there Delilah
You be good and don't you miss me
Two more years and you'll be done with school
And I'll be making history like I do
You know it's all because of you
We can do whatever we want to
Hey there Delilah here's to you
This ones for you

Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
Oh it's what you do to me
What you do to me

Oh oh
OOOoohhhh

Plain White T's / All That We Needed

2007-08-31 | music : favorite


この前、Plain White T'sのアリバム 『Every Second Counts』 のことを書いた(こちら)約1ヶ月半後の7/28に、私が彼らを知るきっかけとなった曲 「Hey There Delilah」 が、なんとビルボード・チャート1位に!
そして、現在もまだまだチャート上位を持続している。
しかもこの曲は、今回紹介する2005年リリースのアルバム 『All That We Needed』 に収録されていた曲で、翌2006年に再度この曲をフィーチャーし、タイトルにしたミニ・アルバムにも収録されていた。
火が点いたきっかけはわからないが、最初のリリースから2年後の大ヒットという快挙。
まぁいちばん驚いているのは本人たちかも知れないが、“僕らは変わるつもりはない” と常日頃言っている10年選手の彼らにとっては、大騒ぎするほどのことでもないのかも知れない。
『Every Second Counts』 がとても気に入った私は、その後即、ミニ・アルバム以外の過去2枚のアルバムを購入。
この2ndは、『Every Second Counts』に比べると、スピード感が強いかなと感じる。
ポップなメロディはひねりが効いていて、ストレートでキャッチーな楽曲が並び、特に力強いドラミングが印象に残る。
そんな弾むような力強いドラムのビートで始まるアルバム・タイトル曲M-1 「All That We Needed」 。
とってもスピード感のあるM-3 「Take Me Away」。
マイナー・コード曲だがとてもキャッチーなM-4 「My Only One」 のサビは、ちょっと切なくなるメロディ・ライン。
M-8 「Lazy Day Afternoon」 なんて、パワー・ポップ好きの私には、直球ストレートと言った感じにもうツボに入りまくり。
M-10 「Sing My Best」 は変則リズム、最初はベース音だけで歌うM-11 「Faster」 も、かなりひねりが効いている。
そしてラスト曲 「Hey There Delilah」 は、アコギだけの弾き語り。
歌詞もメロディもたまらなく切なくて、Vo.でソングライターのTom Higgensonの実体験を歌ったもの。(彼は殆んど実体験を曲にしている)
Tomが友達に紹介されて一目惚れをした女の子、Delilahのことを歌っている。
New Yorkに住むDelilahには当時彼氏がいて、“もし僕が彼女と一緒にいられたら・・・” という叶わぬ想いをこめて作られた、とても優しくて切ないラヴ・ソング。
そんなストレートな想いを綴ったこの曲が、同年代の若者たちに共感を与え、しかもこういうシンプルな曲が注目され、大ヒットとなったことは素晴らしいことだと思う。

★PVもとっても切ない 「Hey There Delilah」

Rooney / Calling The World

2007-07-25 | music : favorite


待ちに待ったRooneyの4年ぶりの新作、『Calling The World』。
来月リリースされる国内盤には、“世界が僕らを呼んでいる” という何とも大げさな邦題が付いているらしいが、その出来はと言ったら・・・。
そのタイトルは全然大げさではない。
17日の発売日より2日遅れで入手し、以降毎日繰り返しこればかり聴いている。
4年の歳月は、彼らをより一層大きくしたようだ。
デビュー作でも十分に印象付けてくれていた、キーボードを中心としたアレンジにぶ厚いコーラスは、更に磨きがかかっている。
電話のベルが聴こえ、“ク~ッ!” と思わず声を出してしまいそうになる、泣きのギター・メロ満載のイントロで始まるオープニングのアルバム・タイトル曲 「Calling The World」 は、もうサイコー!
楽曲のメロディ・ラインがとてもエモーショナルで、手応え大有りの傑作。
Vo.のRobertは、母音の “a” と “o” の発音に特徴があり、とてもピッチが効いていて、その歌い方がこれまたこの曲のメロディにとてもマッチしている。
シングル・チューンのダンサブルなM-2 「When Did Your Heart Go Missing?」、E.L.O.辺りの80年代のエレクトロ・ポップを思い起こさせるM-3 「I Should've Been After You」。
そしてダイナミックなバラードM-4 「Tell Me Soon」 では、また泣きメロでガツンとやられる。
M-5 「Don't Come Around Again」 は、彼らの地元カリフォルニア・ビーチが似合いそうなポップ・チューンで、コーラスがとにかく光っている。
まるでBon Joviを思わせるようなキーボードの連打が続くM-6 「Are You Afraid?」 は、どこかいなたくて憎めない。
サビの “Love me, Love me, Love me or Leave me” のリピートが一度聴くと耳から離れないM-7 「Love Me Or Leave Me」 は、とってもキュートな曲。
ハード・エッジなナンバー M-8 「Paralyzed」 に続く、アコギをフィーチャーしたM-9 「What For」 は、ペダル・スティールの音も入り、何となく懐かしい感じのするアメリカン・ロック。
M-10 「All In Your Head」 はとってもRooneyらしいおちゃめな曲。それでもサビでは厚いコーラスでガッツリとハートを掴む。
王道ロックと言った感じのM-11 「Believe In Me」 でも、そのコーラスに感服してしまう。
そして最後にM-12 「Help Me Find My Way」 で、ストリングスとピアノだけでしっとりと歌い上げる。
ストリングのアレンジが壮大で、とてもドラマティックに仕上がっている。

とまあ、ザッと全曲の感想を書いてみたが、本当にどの曲も素晴らしい出来で、何度でも聴いていたくなる。
とにかくコーラスが素晴らしく、Jellyfishも顔負けなほどの部分も垣間見られる。
そして、キャッチーなメロディ・ラインとキーボード・サウンドは、やはりこのバンドの最大の魅力だ。


= note =
Vo.のRobertが、映画 『ロッキー』 のエイドリアン役のタリア・シャイアの息子というのは有名な話。
そのタリアはフランシス・F・コッポラが兄で、ソフィア・コッポラとニコラス・ケイジはRobertのいとこ。
RobertもRooney結成前は俳優としてソフィア・コッポラ監督の 『Lick The Star』、『The Virgin Suicides』 、ディズニー映画 『The Princess Diaries / プリティ・プリンセス』 などに出演し、2004年には大人気TVドラマ 『The O.C.』 にも本人役で出演している。
兄ジェイソン・シュワルツマンも俳優で、ニコール・キッドマン主演の 『奥様は魔女』 や、ソフィア・コッポラ監督の 『マリー・アントワネット』 に出演している。
Robertは、Rooneyのスタートを期に名前をRobert Schwartzmanから父親カーマイン・コッポラの名を取ってRobert Carmineと名乗っていたが、今回再び本名のRobert Schwartzmanに名前を戻した。
それにしても、凄いDNAだなぁ・・・。

Manic Street Preachers / Send Away The Tigers

2007-06-14 | music : favorite


前作から約3年ぶりの、Manicsの8作目の新作 『Send Away The Tigers』。
先日zumaさんの記事を読んで、聴こうと思う気持ちが強くなり、1曲目のさわりだけ試聴して即買いした。
それだけピンと来るものがあった。いやぁ・・・いい! とっても・・・。
私が大好きだった、初期のManicsらしさがあちこちににじみ出ていて嬉しくなった。
デビュー・アルバムで解散と言っていた若気のいたりは置いといて(笑)、今や本国UKでは誰もが愛する国民的バンドにまで大きくなったManics。
そんな貫禄ささえ感じる、素晴らしいアルバムだ。
昨年はJamesとNickyがそれぞれソロ・アルバムを出したりと個人的な活動が多かったが、いよいよバンドとして再始動という感じの勢いのある曲が並ぶ。
パイプ・オルガンの音色が鳴り響き、心地良いギターが絡むイントロで始まるアルバム・タイトル曲M-1 「Send Away The Tigers」。
壮大なサビ・メロや間奏のギターの音は、心くすぐらずにいられない。とてもカッコ良くて、気持ちを高揚させてくれる。
M-3 「Your Love Alone Is Not Enough」 は、The CardigansのNina Perssonとのコラボで、ドラマティックだがとっても可愛い曲だ。もちろん彼女の歌声が聴ける。
M-4 「Indian Summer」、M-5 「The Second Great Depression」 と、 私が大好きな3連リズムが続く。
イントロのギター・メロがとても英国らしさを奏でているM-7 「Autumnsong」 は、とてもドラマティックで、メロディ・ラインもとても美しく、歌い上げるJamesの歌の上手さに惚れ惚れする。
英国らしさと言えば、ダークでヘヴィなM-8 「I Am Just A Patsy」 にもそれを感じる。
M-10 「Winterlovers」 のコーラスはとても重厚で迫力があって、聴き応え十分。
クレジットではこの曲で終わりだが、最後にJohn Lennonの 「Working Class Hero」 のカヴァーがシークレット・トラックとして収録されている。
全体的にとてもドラマティックな楽曲が並び、耳障りの良い骨太いロックがガンガン鳴り響いてくる。
久しぶりに昔のアルバムも聴いてみたくなり、いちばん好きだった 『Gold Against The Soul』 を聴いたりしている。

これに収録されている 「Life Becoming A Landslide」 は、やはり今聴いてもとってもいい曲だ。
久しぶりにライヴも観てみたい気持ちになっているので、単独で是非ライヴをやって欲しい。

Cheap Trick / Rockford

2007-04-26 | music : favorite


今頃?と言う感じなのだが、往年のパワー・ポッパーCheap Trickの昨年リリースされたアルバム 『Rockford』。
途中、Tomが抜けていた頃は殆んど聴かなかったので、いったいこれは何枚目になるのかわからない。
永遠の美少年Robinももう54歳(でも今でも美しい!)。しかしこれが50歳を超えたおじさん達が放つ音楽とは、とても思えない。
パワフルでキラキラしていて、本当にCheapワールド炸裂。
Robinの声も昔とちっとも変わらず、輝きを放っている。
M-1 「Welcome To The World」 を聴いただけで、気持ちのいい新鮮な風を吹き込んでくれる。正に “Welcome To The Cheap Trick World” で、ワクワクさせられる。
全曲捨て曲なしで、ガンガン飛ばしていて本当に元気。
Rickのギターも冴え渡っているし、Bun E. Carlosのドラムもズシンと貫禄十分にビートを轟かせる。
そして時に華やかに、時に麗らかに響くTomの12弦ベース音。
こんなに素晴らしい曲を変わらずに持続し続けて生み出して行ってくれていることに、本当に感動する。
キャッチーなポップ・ナンバー、激しいロック・チューン、胸に沁みるバラード、どれを取っても聴きどころ満載。
スピード感はあるし、聴かせるところは聴かせるし、本当にここにきてこんな秀作を発表するなんて、やるね!って感じだ。
思えば当時、世のロック・キッズに “武道館” を広めたのも彼らだし、彼らに影響を受けてきたバンドは数知れず。
今でもライヴでは想像以上に飛び回り、シャウトし、爆音を放つとてもパワフルなステージを披露している彼ら。
Cheap Trickと聞いて、“懐かしい” と思っている方、いやいや “やんちゃなおじさん達” Cheap Trickはまだまだ現役、これからもずっと弾けて行くに違いない。

Fountains of Wayne / Traffic And Weather

2007-04-16 | music : favorite


悪い訳がない。3年半ぶりのFOWの4thアルバム 『Traffic And Weather』。
極上のポップ・サウンドはもちろん変わらずだが、本作ではいろんな楽器をアクセントに使い、無駄のないコンパクトで安定したポップ・チューンが並ぶ。
爽やかさや甘酸っぱさを少し押さえた感があるが、それでもやはりChrisとAdamの最強タッグは、ミラクル・ポップを惜しげもなく発揮してくれている。
ニュー・ウェーヴやオルタナっぽい曲があるかと思うと、カントリーっぽい曲があったり、極上のギター・ポップがあったりで、どれもが心地良く耳に入ってくる。
初めてM-1 「Someone To Love」 のイントロを聴いた時は、“ん??” と思ったが、歌に入った瞬間に安心。
“次はどんな曲?” という期待に胸を躍らせてくれる。
楽しくて前向きなラヴ・ソングM-2 「'92 Subaru」 は、ピアノの音弾む気持ちの良いロック・チューン。
この “Subaru” はもちろん車のスバル。女の子を誘うには車が必須だもんね。(笑) 
サイケでニュー・ウェーヴ色のM-4 「Traffic And Weather」 で異空間にトリップさせられたかと思うと、カントリーっぽいM-5 「Fire In The Canyon」 で、素朴な世界に引き戻してくれる。
こういう持って行き方が、FOWの得意なわざ。
M-6 「This Better Be Good」 のメロディ展開はもう涙もの。優しいコーラスにもジーンときてしまう。
間奏のギター・メロは、なんとなく60~70年代を思わせ、ちょっとQueenっぽい。コーラスもそんな感じだ。
そして、王道のギター・ポップ・チューンM-8 「Michael And Heather At The Baggage Claim」、ニュー・ウェーヴなキーボードと、スペース・ヴォイス加工のコーラスが魅力のM-9 「Strapped For Cash」 、温かさと優しさが溢れるノスタルジックなM-10 「I-95」、最高にポップなM-11 「Hotel Majestic」 へと続く。
M-12 「Planet Of Weed」 は、本当にたくさんのいろんな打楽器系の音が入っていてとても可愛い。
メンバーが楽しみながらレコーディングしている姿が目に浮かぶ。
キーボードが思いっきり80年代エレクトロ・ポップしてるM-13 「New Routine」。
そして最後は、ハーモニカとアコギのイントロで始まるカントリー・ワルツ 「Seatbacks And Tray Tables」 で終る。 (国内盤はボートラ2曲入)
とにかく余計な説明はいらない。ポップス・ファンにはマスト・アイテムと言っても過言ではないだろう・・・。
先日記事にしたThe Fratellisとは、また違った楽しさを味わうことができる。