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James Morrison / Songs for You, Truths for Me

2009-01-10 | music : favorite


“酔いしれる” というのは、正にこういう音楽を言うのだということを、心の底から実感させてくれるアルバム。
UKのSSW、James Morrison(ジェイムス・モリソン)の2年ぶりの2nd 『Songs for You, Truths for Me』。
彼のデビュー作 『Undiscovered』 は、完全に波に乗り遅れて後追いだったのだが、そのソウルフルでハスキーな歌声と、才能の豊かさが伺える楽曲の素晴らしさに一聴しただけで大好きになった。
そして待望の新作では、そのソウルフルな歌声は更に磨きがかかって味が出て、ポップでブルージーな心温まる素晴らしい曲がビッシリ詰まっている。
アップ・テンポなM-1 「The Only Night」 で幕開け。イントロから掛け声なんかがあってかなり弾けているが、歌に入ると軽快なピアノに乗って、もうそこは彼の世界。ヴァースの滑らかなメロディ・ラインにはぞくっとさせられる。
M-2 「Save Yourself」 のサビ・メロも素敵だ。ゴスペルっぽい女性コーラスが更に盛り上げる。
M-3 「You Make It Real」 は、昨年9月に先行シングルとして発売された曲で、ゆったりとしたグルーヴィな切ないナンバー。
カナダの女性シンガーNelly Furtado(ネリー・ファータド)とのデュエットM-5 「Broken Strings」 は、とても力強くて説得力があって、ふたりの絡み合う歌声がとてもセクシーだ。
M-6 「Nothing Ever Hurt Like You」 では、ベーシックなソウル・ミュージックへのオマージュが伺える。
M-7 「Once, When I Was Little」 の淋しげな歌い出しと、広がりが感じるサビの展開は、もう鳥肌が立つほどキューッとなるメロディで、ストリングスとコーラスが合わさって素敵なハーモニーを奏でる。
M-8 「Precious Love」 は、文句なしで私のツボに入りまくりの一曲。大好きな3連で、オルガンのメロディがどこか懐かしく、横揺れのソウルフルなグルーヴが気持ちよくてストレートに響いてくる。
多彩でポップなM-10 「Fix the World Up for You」 も、シンプルなバラードM-11 「Dream on Hayley」 も素晴らしい。

本当に白人のイギリス人が作り出す音楽とは思えないほど、魂が溢れている。目を閉じて聴いていると、そこには黒人の聖歌隊が浮かんでくるほど、ブラックなインスピレーションを感じる。
どの曲も本当に素晴らしく、深みのある心に沁みる曲ばかりで、何度も何度もくり返し聴いてしまう。
『Songs for You, Truths for Me』 という、とってもピュアなタイトルについて、彼はこう語っている。“このアルバムをそう呼ぶのは、僕が感じていることだから。全ての歌はジル(ガールフレンド)とみんなのための歌なんだ。だって、僕にはそれが当り前のこと。僕がどんなにそのことを感じているかなんだ。” と・・・。
イベントやショーケースで来日はしているものの、昨年残念ながら喉の病気のために初の単独来日が中止になったままなので、現在国内盤が発売延期というのが気になるが、この素晴らしい2ndの曲を引っさげて早く再来日してほしい。

Jack's Mannequin / The Glass Passenger

2009-01-04 | music : favorite


久しぶりのCDレビュー。昨年9月頃から、気になるアーティストの新譜が続き、それぞれなかなか良くてハズレがなかったので、旅行記も終ったことだしボチボチ取り上げて行こうと思う。
まず今日紹介するのは、12日にライヴを控えたJack's Mannequin(ジャックス・マネキン)の2nd 『The Glass Passenger』。
前作 『Everything In Transit』 と比べると、弾けっぷりがおとなしめなので、初めて聴いた時はもの足りなささえ感じた。でも、何度かくり返し聴いて行く内に、やはり楽曲の良さがだんだん伝わってきて、いいな~という気持ちが徐々に大きくなった。聴けば聴くほど味を占めるアルバムというのは、飽きがこない。
M-1 「Crashin」 は少しインパクトに欠けるが、流れるようなメロディが漂い、M-2 「Spinning」 にうまく繋がって行く。
アグレッシヴに歌い上げるM-3 「Swim」 や、オルタナ風のサビ・メロが印象的なM-6 「Suicide Blonde」 は、とてもクウォリティが高い。
いろんな試みが垣間見える中、M-9 「Drop Out- The So Unknown」 は最も前作に近い雰囲気を持った曲。しかし、これがもし一曲目だったら、何も変わっていないと感じて逆にダメだったかも・・・。
“子守唄” と題されたM-10 「Hammers and Strings (A Lullaby)」 での熱唱は、とても切ない。そして、静かに語りかける様に歌うM-13 「Caves」 は、ぐっとくるとても美しいバラードで、後半からぐわ~んと盛り上がって綺麗なメロディが広がって行き、最後はしっとりと終わる。この2曲は特にピアノの旋律が存分に活かされている。
そう、Andrew McMahon(アンドリュー・マクマホン)の書くメロディは、ピアノの美しい旋律に滑らかに纏い、高めの歌声が綺麗に響き渡る。
M-14 「Miss California」 はボートラだが、流れから行くと 「Caves」 でしっとりと終わった方が良かったのでは?とは思うが、いい曲なので良しとしよう。(笑)
今作は、ピアノを全面に出したアレンジよりも、バンドとしての音でタイトにまとめているのが多く、オーケストレーションを入れたりバッキング・コーラスも充実しているのが新鮮で、まとまった構成だがメリハリが効いている。
めちゃくちゃ楽しくてハッピーな気持ちにさせてくれた、丁度2年前のライヴ。果たして今回は、どんなステージを見せてくれるかが楽しみだ。


★2007年のライヴ・レポはこちら

Plain White T's / Big Bad World

2008-10-05 | music : favorite


ヤバい! 唐突な書き出しだが、何がヤバいのか・・・。
すごく好きなアーティストのアルバムでも、必ずと言っていいくらい、1曲はちょっと好みに合わなかったりで、iPodで聴いていてもつい飛ばしてしまう曲がある。
全曲捨て曲なしと感想を書くアルバムにも、自分には “ちょっと違う” という感じの曲がどうしてもある。
ところが、このアルバムにはそういった “ちょっと違う” という感じの曲が全くなく、ヤバいくらいに全10曲どの曲も私のツボに入り、琴線に触れ、好みの曲ばかりなのだ。
そのアルバムとは、昨年 「Hey There Delilah」 の大ヒットでグラミー賞にもノミネートされ、一躍全米に知れ渡ったシカゴの5ピース・バンド、Plain White T's(プレイン・ホワイト・ティーズ)のニュー・アルバム 『Big Bad World』。
2006年に3rd 『Every Second Counts』 のツアーでその 「Hey There Delilah」 がクチコミでヒットし、ずーっとツアーに明け暮れていた彼らが、いつの間にレコーディングをしていたのか・・・とちょっと驚いたが、乗りに乗っている今だからこそ、このようないい楽曲が作れる環境にあったのかも知れない。
ここで彼らのことを取り上げる度に、PWT'Sはエモ系でもパンク系でもなく、パワー・ポップだと毎回同じことを書いているが、今回のアルバムは今まで以上にそれを証明してくれる。

心地良い軽やかなリズムに乗って、アルバム・タイトル曲 「Big Bad World」 で始まる。ホーン・セクションがアレンジに加わり、楽しい曲に仕上がっている。
先行シングルのM-2 「Natural Disaster」 はとてもPWT'Sらしい曲で、ちょっと複雑なリズムを刻むドラムスに、覚えやすいとてもポップなメロディがうまく乗っかり、合間に入るハンド・クラッピングも気持ちいい。女の子とのことを “Natural Disaster(天災)” と表現しているところは、ユーモアのセンスがある。
切なさが漂うギターのイントロから入るM-3 「Serious Mistake」 は、Aメロは明るく流れ、イントロのメロディと同じメロディのサビでぐっと切なく迫ってくる。この曲にもホーンが入っていて、サウンドの厚みを感じさせ、後半にCメロで盛り上がったあと、最後はAメロで終わると言う、メロディ展開がとても面白いミディアム・ロック。
アコースティックなM-4 「Rainy Day」 ではストリングスが加わり、綺麗なメロディとさり気ないコーラスが心地良い。
M-5 「1,2,3,4」 はとっても可愛い曲で、ギターはソロもバッキングもアコギで、生の音が楽しめる。ハーモニーもとても綺麗で、「Hey There Delilah」 路線の曲とも言える、ラヴ・ソング。
M-6 「That Girl」 は、ステップを踏みたくなるような軽快でポップな明るい曲。“ドゥドゥッドゥ~” とか “ララッラ~”、“ババッバ~” というコーラスが、Do do do you~、La la love~、Ba ba bottom~という歌詞に続き、ライヴでは一緒になって楽しく盛り上がれそうな曲だ。
M-7 「Sunlight」 にはヤラれた。これまでもビシッと決まったコーラス・ワークを聴かせてくれている彼らだが、この曲の素晴らしく綺麗で厚みのあるコーラスは、本当に感動的。なんとも言えない切ないメロディの、心に沁みる美しいバラードだ。叙情的に歌い上げるTom Higgenson(トム・ヒゲンソン)のVo.に、美しいハーモニーが絶妙に重なり、より一層エモーショナルに展開して行く。一瞬ア・カペラになるところなんて、ゾクっとする。
ガラっと変わって、アップ・テンポで明るく楽しいM-8 「I Really Want You」 では、Tomがハープを吹き、間奏の転がるようなピアノも軽快だ。
M-9 「Meet Me In California」 は、王道路線的なミディアム・ロック・バラード。丁度いいテンポが気持ちよくて、覚えやすいサビ・メロのくり返しと転調していく様は、アグレッシヴでぐぐ~っと盛り上がらずにいられない。
最後の曲M-10 「Someday」 では、アコースティックでしっとりと始まり、後半はストリングスのオーケストレーションが入り、ドラマティックに盛り上がってアルバムの最後を締めくくる。

曲は全てVo.のTomによるものだが、彼の作り出す楽曲は、必ずと言っていいほどCメロがある。Aメロ(1番)⇒サビ、Bメロ(2番)⇒サビと続いたあと、間奏が入って新しくCメロが流れてくる。
このメロディ展開が予想外の時もあり、それが一曲一曲のメリハリを効かせている。
そして特に今回のアルバムでは、コーラス・ワークの素晴らしさが目立つ。
どちらかというとポップ路線寄りの曲が大半なので、これまでのアルバムに比べるとロックぽさは欠けるが、そのポップなメロディが明るく楽しく、時には切なく泣きも入り、パターン化することなく1曲1曲を楽しませてくれている。
PUNK SPRING 08の来日中に出演した 「ベスト・ヒットUSA」 で、来年また来日すると言っていたので、彼らのポップでノリのいい曲を、早くライヴで聴いてみたい。

★とっても可愛い曲 「1,2,3,4」 を始め、「Natural Disaster」 と 「Big Bad World」 の試聴はこちら
 (2008/10/04現在)

weezer / maladroit

2008-09-06 | music : favorite


weezer FESTIVAL” まで10日を切り、ここんとこ毎日彼らのアルバムをとっかえひっかえ聴いて、すっかりweezerモードになっている。
今回単独には行かないので、フェスの方を目一杯楽しみたいと思っている。
そんなweezer(ウィーザー)の来日に合わせて、『Red Album』 にDVDが付いたデラックス・エディションがリリースされた。
DVDは、2005年に新木場STUDIO COASTで行なわれたライヴ映像と、『Red Album』 からのPV2曲にインタビューなどを収めた内容となっている。
その2005年のライヴ映像が、昨夜MTV Japanで放送された。DVD収録の曲とは違う曲も放送され、私が見た最終日の模様ではなかったが、当時を思い出させる内容で、なかなか楽しめた。
USではもうお馴染みになっている、ファンの子をステージに上げて一緒にプレイする映像もあった。
この映像は海外でも放送する予定なのだろうか・・・。というのも、Rivers(リヴァース)がところどころで発する日本語に、英語の字幕が付いていたのだ。逆に英語で話すところには、日本語字幕なし。
私が見た日は、“チョットマッテ” や “ムカツク”、“ゲンキデスカ~” とか、いちばん笑わせてくれた “セブンイレブン、イイキブン~” なんて言葉も発していたが、MTVで放送された映像には、“イキマショ~!” を連発していて、その字幕が “Let's Go!” でちょっと笑えた。いや、確かにLet's Go! なのだが・・・。
何はともあれ、映像を見て益々ライヴが楽しみになってきた。

★再放送は次のとおり。
・9/7(日) 20:00~21:00
・9/8(月) 13:00~14:00
・9/8(月) 25:00~26:00


さて、weezerのアルバムでまだコラムにしていなかった、2002年リリースの4th 『maladroit』。
私が持っているのは、国内盤と同じ 「Island in the Sun」 のボートラと、7曲のライヴ映像(CD-ROM)が付いているUK盤。
実は今までリリースされたアルバムの中で(Redは除く)、『maladroit』 はいちばん聴いている回数が少ないかも知れない。
全体的にヘヴィで元気なナンバーが多いこのアルバムは、M-1 「American Gigolo」 のゴリゴリっとしたヘヴィなドラミングとギターで始まる。でもヴァースに入るとポップで明るいメロディが流れてくる。
M-2 「Dope Nose」 の“Oh~Oh,OhOhOh~” は、もはやライヴでは不可欠。
M-5 「Death and Destruction」 は、そんな中でもゆったり&しっとりとしたナンバー。でもギターはぶ厚く唸る。
アルバム唯一のマイナー・コード M-6 「Slob」 に続くM-7 「Burndt Jamb」 は、トロピカルな雰囲気が漂う、リズムとギターのカッティングが心地良いナンバー。
2分足らずのM-8 「Space Rock」 には、この頃Riversがやりたかった音が凝縮されているような気がする。
M-9 「Slave」 は、まさに泣きメロ炸裂、weezer節全開で、琴線触れまくりである。
M-10 「Fall Together」 ではメタル張りのヘヴィなギター・リフを聴かせ、M-11 「Possibilities」 では疾走まっしぐら。いやはや、元気一杯である。
M-12 「Love Explosion」 では、ぶ厚い音の上を這う、ポップなメロディが堪能でき、最後は私のいちばんのツボである、三連のリズムをふんだんに聴かせるM-13 「December」 で締めくくる。この曲のメロディは本当に切なく美しい。
発売当初、賛否両論でわずかに否の方が多かったような記憶がある。私は『pinkerton』 もそうだったのだが、このアルバムは何回か聴いて行く内、後になってだんだんと好きになって行くアルバムなんだと思った。
そして、全体的にヘヴィでぶ厚くてパワフルなこのアルバムを、最近いちばんよく聴いている。

今回の “weezer FESTIVAL”、日本のバンドとの共演とは言え、フェスティヴァルというタイトルが付いているのだから、どうせなら各アルバムからまんべんなく選曲して、単独とは違った構成をして欲しいな、というのが個人的な願望。
そこで、非常に難しい選択だが、各アルバムから “これは是非聴きたい!” と思う曲を2曲ずつ選曲してみることにした。
・ 『Blue Album』 ・・・ 「No One Else」 「Holiday」
・ 『pinkerton』 ・・・ 「The Good Life」 「Pink Triangle」
・ 『Green Album』 ・・・ 「O Girlfriend」 「Smile」
・ 『maladroit』 ・・・ 「Slave」 「Burndt Jamb」
・ 『make believe』 ・・・ 「The Other Way」 「Perfect Situation」
・ 『Red Album』 ・・・ 「Dreamin'」 「Heart Songs」
う~~~ん、当然のことながら、めちゃくちゃ悩むハメに・・・。アレもコレもでやっとのことで選曲。もちろん、捨てがたい曲が山ほどあるのは周知のとおりである。
みなさんも、考えてみてはいかが?

Jason Mraz / We Sing, We Dance, We Steal Things

2008-08-21 | music : favorite


最近、毎朝聴いているのが、Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)の 『We Sing, We Dance, We Steal Things』。
とっても優しい歌声と、自然体のオーガニックな音楽で、安らかに癒してくれ、朝からすがすがしい気持ちにしてくれる。
2002年にアルバム・デビューし、現在USサンディエゴを拠点に活動するSSWのムラーズさん(・・・と私は呼んでいる)は、これまで2枚のアルバムをリリースしている。
本作は、サンディエゴの燦々と輝く太陽と、心地良い爽やかな風を運んでくれるかのようなメロディで、一聴するとサラッと流してしまいそうだが、実はいろいろな要素が盛り込まれた個性溢れるポップ・ソングが詰まっている。
心地良いリズムで始まるM-1 「Make It Mine」 は、弾むようなホーン・セクションのアレンジが気持ちいい。
レゲエ調のM-2 「I'm Yours」 は、日本のFMラジオでもヘヴィ・ローテーションで流れていた先行シングル。木陰で感じる爽やかな南の風が、直接肌に触れているような気分になる。
Colbie Caillat(コルビー・キャレイ)という女性Vo.とのデュエット曲M-3 「Lucky」 は、サビのハモりの部分が切なく心にしみる。
ボサノヴァ・テイストのM-5 「Live High」 は、ペダル・スティールの音色がとても綺麗で、アコースティックで軽快に流れ、最後にダイナミックなゴスペル風コーラスで盛り上がる。
M-6 「Love For A Child」 は、このアルバムの中でいちばん好きな曲。これ以上に優しい曲は今まで聴いたことがない、と言ってもいいくらい。今にも壊れそうな繊細で傷ついた心を、あったかい愛に溢れたマシュマロのような柔らかさで、優しく包みこんでくれるような感じ。
それは、“I'd love to believe it's all about love for a child.” という最後の歌詞に、全てが凝縮されている。
M-7 「Details in the Fabric」 は、UKのSSW、James Morrison(ジェイムス・モリソン) とのデュエット曲。James Morrisonのハスキー・ヴォイスがムラーズさんの甘い声ととてもマッチしている。
M-10 「The Dynamo Of Volition」 の早口なヴォーカルは、ムラーズさんの得意とするところだそうで、ラップとフォークを融合させたかのような、独特な世界観を作り出している。
軽快なピアノの和音の連打に乗って歌うM-11 「If It Kills Me」 での、ストリングスの伸びやかなメロディが展開するサビは、奥行きがあってムラーズさんの音楽センスが光る。
最後の曲M-12 「A Beautiful Mess」、これまたステキなバラードで、ファルセットが混じるVo.が美しく響く。

私は、このアルバムがムラーズさん初体験なのだが、とにかくベタ褒めのアルバムで、これを聴く機会を与えてくれた同僚に深く感謝。
過去作も聴いてみたくなり、早速前作 『Mr. A-Z』 も購入。また別の機会にコラムにしてみようと思っているが、このアルバムも心地良いポップ・ソングが満載で、本作よりも早口ソングが多い。
今年のフジ・ロックに出演したムラーズさん。自然の中で聴く彼の歌声は、さぞかし気持ち良かったことだろう。
単独ライヴに行きたい!と思ったが、時既に遅し、Sold Outだった・・・。

weezer / weezer (Red Album)

2008-07-30 | music : favorite


今回のweezer(ウィーザー)の新譜 『weezer(Red Album)』 は、様々なヴァージョンがリリースされ、それぞれボーナス・トラックが異なっている。
どうせ買うならボーナス・トラック付にしようと思い、私が購入したのは6曲のボーナス・トラック入りで、歌詞とパーソナル・ライナー・ノーツが書かれたブックレットが付いた、UK盤デジパック。(文中のメンバーのコメントは、そのライナー・ノーツより抜粋)
プロデューサーは、前作 『make believe』 に引き続き、大御所Rick Rubin(リック・ルービン)。
先行シングルの 「Pork and Beans」 を初めて聴いた時、“ん?ちょっと違うな~” と何かしら違和感を感じた。でもそれは最初の部分だけで、ブリッジに入るとヘヴィなギター音が炸裂し、ポップなメロディが展開。気持ちは “いいんじゃない~?” に変わった。
オープニングを飾るM-1 「Troublemaker」 は、同じようなメロディのくり返しなのに、何故かポップで楽しい。
M-2 「The Greatest Man That Ever Lived (Variations on a Shaker Hymn)」 は、ピアノの音は可愛いんだが、出だしのメロディは私にはどうしてもしっくりこなかった。でもそんな違和感は、すぐに打ち砕かれた。この曲にはいろんな要素がたくさん含まれていて、ロック調に展開したかと思うと、とってもポップになったりセリフが入ったり、そして途中でゴスペルっぽくなったりして、6分弱という長さの中で、様々な楽しみを味わわせてくれる壮大な曲だ。
たくさんのシンガーやバンドの名前が出てくるM-4 「Heart Songs」 は、Riversにとってとてもパーソナルな曲だそうで、学校の寮の部屋でこの曲のアイデアが浮かび、自分が覚えている限り、これまで自分の成長と共に聴いてきた曲をリスト・アップしたとのこと。そして、この曲にABBA(アバ)の名を何故挙げたかというと、10歳の時に初めて買ったのがABBAのアルバムで、彼らは常にRiversの中の偉大なるバンドだからなんだそうだ。
M-6 「Dreamin'」 は、これまでのweezerが示すままの、厚みのあるギターとキャッチーなメロディで流れて行き、 『Green Album』 に近いサウンドを感じる。
M-7 「Thought I Knew」 でリードVo.を取るのはBrianで、曲を作ったのも彼。ずっとSorry~と歌い続ける歌詞には、コメントできないとRiversは言っている。でも、このアルバムの中でいちばん楽しい曲だろうとのこと。この曲では、Riversがドラムを叩いている。あっさりした軽快な曲で、私が初めてこのアルバムを聴いた時に、最初に好きになった曲だ。
Patが作って歌っているのが、M-9 「Automatic」。彼の家族について歌った曲だそうで、ヘヴィなギター・リフが至る所に炸裂する、ヘヴィ・ロック・チューン。そんなアグレッシヴなギターを、ドラムスのPatが全部弾いたそうだ。
6分45秒という超大作のM-10 「The Angel and the One」 は、しっとりと始まり、後半からドラマティックに盛り上がる、スタンダードなポップ・ソングで、アルバム本編の最後を締めくくる。
ボートラの1曲目 「Miss Sweeney」 は、ゆったりとしたドラマティックな曲で、この曲のアコースティック・ヴァージョンのデモを、RiversがBrianに送って来た時から彼の大好きな曲で、アルバムに是非入れたくてずっと要望していたが、収録曲の最終選考で漏れてしまったらしい。確かに、本編に入ってもいいくらいの完成度の高い曲だ。
「Pig」 は、どこかで聴いたことがあるような懐かしいメロディで、サビでちょっとQueen(クィーン)の 「Bohemian Rhapsody」 を、ちょこっと感じさせたりする。
「The Spider」 は、アコギの音が綺麗に響き渡る中、ギュイーンと言うEギターのアクセントやストリングスが入る、しっとりとした美しいバラード。
「King」 は、このアルバムのデモ・セッション 『Deliverance At Hand!』 の中で、ベースのScottがいちばん好きだと言う、ちょっと哀しげで切ないメロディが印象的な曲。
「The Weight」 はご存知The Band(ザ・バンド)のカヴァーで、本家本元のこの曲が大好きな私には嬉しいカヴァー。weezerらしい音作りで、オリジナルのイメージを損ねることなく、彼らのオリジナリティも存分に発揮している。
「Life is What You Make It」 は、あまり私好みの曲ではなかった。

今回のアルバムは、往年のweezerファンにとっては賛否両論のようで、確かにいろいろ挑戦していてあまり統一感のないアルバムではある。
でも、初めて聴いた時と何回も聴いた今とでは、印象が確実に違って上昇している。ちょっと???な曲もなくはないが、やっぱりweezerだな~って感じのアルバムだ。ジャケ写の怪しげなヒゲとカウボーイ・ハットのRiversは、どうかと思うが・・・。パパにもなったことだし、メガネの弱々しいRiversくんは卒業ということか・・・?
ブルー、グリーン、レッドと来て、果たして次は何色だろう? イエローとかパープルとか? 意表を突いてブラウンなんて、面白いかも。
9月に久しぶりに来日公演を行なう彼ら。東京と大阪では、weezer Festivalなるものが開催される。
東京でも単独がきっとあるよな~という予感が当たり、Zeppで行なわれるのだが、既にフェスのチケットを買っていたので、お財布と相談して断念。
フェスに出演する日本のアーティストに関して私は未知なので、取りあえず一緒に行く同僚にアジカンだけは曲をコピーしてもらったが、まだ聴いていない。
単独と変わらないセット・リストで、全力ステージを期待したい。
ところで、出演者リストには載っていないが、BoAちゃんは飛び入りするだろうか・・・。(笑)

Ben Kweller / Ben Kweller

2008-07-06 | music : favorite


いつもゆったりとした気分にしてくれる、Ben Kweller(ベン・クウェラー)の音楽。
何故か、Benちゃんのそのゆる~い脱力感に、いつも癒される。
彼のアルバムの中で私がいちばん好きなのは、デビュー作 『Sha Sha』
でも、3作目であるこの2006年リリースのセルフ・タイトル・アルバムも素晴らしい。
ピアノをフィーチャーした曲が多く、そのピアノの美しい音色とノスタルジックなメロディが、ピュアで感性豊かな彼の才能を引き出しているかのようである。
語りかけるように歌うM-1 「Run」 は、ミディアム・テンポの爽やかな可愛い曲。
このアルバムの中でいちばんのお気に入りは、M-2 「Nothing Happening」。 ピアノとアコギの音がとても美しく響き、心温まる。
M-3 「Sundress」 は、もの哀しく始まるが、後半は力強く歌い上げる感動的なナンバー。
とってもポップなM-4 「I Gotta Move」 や、アップ・テンポのM-6 「Penny On The Train Track」 でさえも、ゆるくてふんわりしている。
M-9 「Red Eye」 とM-10 「Until I Die」 と続けてしっとりと聴かせてくれた後、ガラッと雰囲気の変わる最後の曲M-11 「This Is War」。
ただ、どうしても私はこの曲があまり好きになれない。いつも飛ばしてしまう。
アルバムの中でいちばんハードでエッジの効いた曲なのだが、ちょっとこの曲だけテンションが違うので、折角味わってきたゆったり感が崩れてしまうというのが個人的な感想。
そうは言っても、やはり全体的に自然体で研ぎ澄まされたソングラインティングの素晴らしさに心奪われる、ステキな一枚である。

The Fratellis / Here We Stand

2008-06-26 | music : favorite


The Fratellis(フラテリス)が、デビュー作 『Costello Music』 から1年半余り、早くも新作 『Here We Stand』 をリリースした。
購入前、いろんなサイトで感想を見たら、前作と違いすぎるだの、らしくないだの、スタイルが変わってしまっただのという不満の声が目立った。
でも、前作と違っていて当然ではないだろうか・・・。
同じだったら、それこそ何の進歩もチャレンジもないではないか。
不満を漏らす人たちは、何を期待しているのか私にはよくわからない。前作と同じだったら、2枚目を作る必要なんてない。

ブツクサ言うのはこのくらいにして・・・。
さて、そのニュー・アルバム。ジャケがまたまた粋でカッコいい。
今回は、セルフ・プロデュースで制作されたとのこと。きっとのびのびと、自分たちのやりたい音作りができたに違いない。
確かに少し勢いがないような気もするが、逆に言えば、前作は勢いが先立って突っ走っていた感があるので、一曲一曲のメリハリが効いている今作は、まとまりがある。
M-1 「My Friend John」 のエネルギッシュなロックンロールは、気持ちを高ぶらせてくれ、間奏がカッコいい。
今回、ピアノをフィーチャーした曲が3曲あり、それがハード感を和らげる役目も担っている。
その内の2曲、M-2 「A Heady Tale」 は、鍵盤を転がる指が見えてきそうなくらいの楽しいパーティー・チューンで、M-6 「Mistress Mabel」 は、連打するピアノの音が心地良く鳴り響くスカッとするノリノリのロック・チューン。
その後に続く、軽やかなアコギで始まるM-7 「Babydoll」 は、とってもキュートなナンバーで、ホッとひと息付かせてくれる。
初めて聴いた時にビビッと来たのが、M-3 「Shameless」 とM-10 「Lupe Brown」。
「Shameless」 は、彼らならではのブギウギ感がたっぷりとつまっていて、サビメロの広がりがとっても気持ちいい。
「Lupe Brown」 は、歌に入った瞬間、“うわ~、コレ大好き!” と私のツボにストレートに入ってきた。
音の厚みはヘヴィなのだが、ちょっとノスタルジックな何とも言えない気持ち良さが、ゆったりと体を横に大きく揺らす。
エンディングのギターのメロディ・ラインなんて、やられた~と言った感じ。
M-4 「Look Out Sunshine!」 とM-9 「Acid Jazz Singer」 ののびのびとしたグルーヴは、疾走感溢れるハードな空間を和らげるかのような、おおらかなミディアム・テンポで温かいナンバー。
もう1曲のピアノをフィーチャーした曲が、最後のM-10 「Milk And Money」 で、優しい極上バラードが流れてくる。
しかし、これで終わらないのが彼らの味付け。歌が終わった後アップ・テンポになり、一気に盛り上げて終わるのかと思いきや、再びイントロのピアノのメロディがリフレインしてしっとりと幕を降ろす。
オリジナルはここで終わり。国内盤には3曲ボーナス・トラックが入っていて、更に “Marine Climax Edition” なるものには、去年のサマソニのDVDが付いている。
国内盤は同僚がCDに焼いてくれたので、その3曲も聴いたが、本編に入れて欲しかったなと思うほどではなかったので、私はオリジナルVer.で十分。
今作は、より引き締まったバンド・サウンドに仕上がったと、私は感じる。
そしてやはり彼らが作り出す音楽は本当にセンスが良く、心地良いノリのいいリズムとポップなメロディが絶妙に絡み合い、それに何と言っても楽しい。私は今回も満足だ。

本国UKではフェスに引っ張りだこの彼らは、今年もサマソニのステージに立つ。
そして、またまた今年も単独公演が決まった。

PWT's / Friends Don't Let Friends Dial Drunk

2008-05-29 | music : favorite


先日、PUNK SPRING 08で初来日した、Plain White T's(プレイン・ホワイト・ティーズ)。
彼らは昨年夏、Fall Out Boy(フォール・アウト・ボーイ)のツアーでサポート・アクトをしていた。
そして、ライヴで聞いた人たちからアコースティックなバラード 「Hey There Delilah」 がクチコミで話題になり、この曲があれよあれよという間にビルボード・チャートで1位になり、バンドは一気にスターダムに踊り出た。
惜しくも受賞は逃がしたがグラミー賞にもノミネートされ、この曲の主人公の女性と共にレッド・カーペットを歩くと言った経験もした彼ら。
既に今年で結成10年。もう本国やUKでのライヴは全てソールド・アウトと言った人気ぶりだ。
今回紹介する、3rdアルバム 『Every Second Counts』 に収録されている 「Friends Don't Let Friends Dial Drunk」 は、私が彼らの曲の中でも特にお気に入りで、たまらなく大好きな曲。
文字にするとダサいが、“ズズチャチャッ、ン、チャッ” のリズムが特徴で、メロディと歌詞がず~っと頭に残るほどにキャッチーな曲。
特にサビ・メロは、もう “ク~~~ッ” と唸りたくなるほどに、私のツボに入りまくる。
Vo.のTom Higgenson(トム・ヒゲンソン)が作る曲は、全て彼の恋愛や人生の実体験やそれを膨らませたもので、この曲もいつも酔っ払っている時にしか電話してこない女の子のことを歌った曲。
彼らの音楽は、ポップ・パンクとかエモ系などでくくられているが、私にとって彼らの音楽は正にパワー・ポップ!
この曲のイントロが流れてくるだけで、毎回ワクワクする。
PUNK SPRINGのラインナップでは彼らだけしか興味がなかったので、1バンドだけのために行くのは止めたのだが、この曲をプレイしたと知って、ちょっと悔しい。
でも、来年までにまた来日すると言っているので、単独ライヴを期待したい。

★本文中のリンク以外の関連記事はこちら

Plain White T's / Friends Don't Let Friends Dial Drunk
★アルバム・ヴァージョン(静止画)



Matchbox Twenty / Exile On Mainstream

2008-05-25 | music : favorite


昨年リリースされた、Matchbox Twenty(マッチボックス・トゥエンティ)の、新曲を6曲加えたベスト・アルバム 『Exile On Mainstream』。
既にデビューから10年、これまでに3枚のアルバムをリリースし、次々とシングル・ヒットを出している。
彼らの音楽は、星条旗が目に浮かんでくるくらい、アメリカらしい骨太正統派ロック。
フロントマンのRob Thomas(ロブ・トーマス)は、声良し、ルックス良し、ファッション良しな上、ソング・ライティングの才能も秀でている。
2004年に一旦バンドとしての活動を休止し、Robがソロとして活動。Santana(サンタナ)の大ヒット曲 「Smooth」 でVo.を取り、第42回グラミー賞で3冠を達成した。
国民的アーティストとなったRobだが、その栄光に舞い上がることなく、再びバンドとして始動した。
冒頭6曲が新曲で、ギタリストのAdam Gaynor(アダム・ゲイナー)が脱退し、4人になってから初めてレコーディングされた作品で、U2でおなじみのSteve Lillywhite(スティーヴ・リリーホワイト)が、プロデュースを手がけている。
ストレートでシンプルでキャッチーなメロディは、気持ちいいくらいにすんなり耳に入ってくる。
イントロを聴くだけで、弾むような気持ちになるM-1 「How Far We've Come」、そして、M-4 「These Hard Times」 の感情がこもった切ないVo.にはゾクっとさせられる。
7曲目からは、大ヒット・チューン 「Push」 を筆頭に、トラディショナルでセンスのいい佳作が並ぶ。
M-7 「If You're Gone」 のホルンの音色を聴くと、とても温かい気持ちになる。
グルーヴ感が究極にツボに入ってくるM-8 「Mad Season」 と、バンジョーの音色がとても美しく響くM-10 「Unwell」 は、特に好きな曲。
とても贅沢なベスト盤だが、やはりここは早く新作を聴きたいものである。