★ ロシアの名バリトン、ホロストフスキー氏が55歳でロンドンにて亡くなった。
2017年11月22日 21時45分 時事通信
ディミトリー・ホロストフスキー氏(ロシアのバリトン歌手)22日、ロンドンで死去、55歳。脳腫瘍を患い、闘病生活を送っていた。同氏の事務所が発表した。
ロシアのクラスノヤルスク生まれ。20代で国際声楽コンクールで優勝。世界各地の主要歌劇場でオペラ公演を続けてきた。同世代最高のバリトン歌手の一人としての名声を確立し、端正な容姿でも人気を集めていた。
★ 彼はまぎれもなく「ロシアオペラ界」だけでなく「世界の星」だった。情熱的な歌は聴衆を沸かせた。そして気品もあり、ロシア・オペラ以外にイタリアオペラをはじめレパートリーは広く、どれもが名演だった。
このブログにも何度かホロストフスキーが歌うロシア歌曲や民謡、オペラをご紹介してきたが、脳腫瘍で闘病生活、そして最近は少しステージでその美声を聴かせていたが、どうも様子が心配だった。
在りし日のホロストフスキーの歌・・・彼のボロディン作曲「イーゴリ公」はついにDVDにならなかった。彼ほどこの役を魅力的に歌えるバリトンはいないのに。
1、ボロディン作曲「イーゴリ公」から
Dmitri Hvorostovsky - Prince Igor' Aria-
草原の覇王コンチャーク・ハーンとの戦いで捕らわれの身となったイーゴリは敵のコンチャークをも魅了する英雄だった。祖国に残してきた妻のヤロスラヴナが悲しんでいるだろう、そなたこそ私を理解してくれるだろう、必ず雪辱を、と歌う。(イーゴリは歴史上の実在人物でルーシーの英雄)
2、ヴェルディ作曲「イル・トロヴァトーレ」~決闘
ルーナ伯爵は政敵で異民族の英雄マンリーコと敵対し、二人ともひとりの美女レオノーラに憧れていた。レオノ―ラはマンリーコと恋仲になる。憎しみ合う二人だが実はマンリーコは昔赤ん坊の時に誘拐された実の兄弟だったことも知らず・・・。
Battle scene: Jose Cura vs Dmitri Hvorostovsky (Il trovatore)
The Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House
Conductor: Carlo Rizzi
Manrico: Jose Cura
Count di Luna: Dmitri Hvorostovsky
Leonora: Veronica Villarroel
3、ロシア民謡~黒い瞳
Dmitri Hvorostovsky - Dark Eyes
★ 偉大な名歌手ホロストフスキー氏のご冥福をお祈りします。