ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

NHK教育テレビ「日本人は何を考えているのか」~大逆事件

2012年01月30日 | テレビ

NHK教育テレビで「日本人は何を考えるか」第4回~大逆事件、幸徳秋水、堺利彦

日露戦争にあたって非戦を唱えた幸徳秋水、堺利彦。二人は日本の社会主義思想の始まりをリードしたが、1910年の大逆事件で幸徳秋水は処刑される。
近年、大逆事件で処刑された人々の復権が熊野、岡山など日本各地で進むなか、非戦と平等を唱えた幸徳と堺の再評価の動きがひろがっている。フランス・ボルドー第三大学教授のクリスチーヌ・レヴィさんもその一人だ。ユダヤ人の伯父を第2次世界大戦で失ったレヴィさんは、帝国主義の時代が始まろうとする時、「非戦」を唱えた幸徳と堺の存在は世界的に評価されると考える。レヴィさんは幸徳の主著「廿世之怪物帝国主義」をフランス語に翻訳。二人が非戦と平等の思想を生み出した背景を探っている。
大逆事件は当時、アメリカやフランスでも注目され抗議が行われたが、幸徳ら12人が処刑される。残された堺は遺族を訪ね歩き、「社会主義・冬の時代」を生き抜いていく。文筆でなお「非戦」を唱え続けた堺にも新たな光が当てられようとしている。
番組ではフランス人レヴィさんの目で、非戦を唱えた幸徳と堺の思想を世界史の中で見つめていく。

【出演】クリスチーヌ・レヴィ(フランス・ボルドー第三大学教授)、山泉進(明治大学教授)、
三宅民夫アナウンサー・・・・・・・(以上、NHKの記事紹介)


☆昨夜はずっとこの番組を見たことで「大逆事件」幸徳秋水や堺利彦のことをくわしく知ることができ、「坂の上の雲」に出てこない二人のことや、「非戦」ということ、またこの裁判が非公開でほどなく処刑されたこと、アメリカやフランスから批判があったこと、明治政府はなぜこのような汚点を、と思わずにはいられなかった。

中江兆民の弟子でもある幸徳秋水の言葉は、あの世界的なチェリスト、パブロ・カザルスと共通点も多い。
カザルスの母は息子に「戦争に行くんじゃないよ、相手になんのうらみもないのに、相手も家族がある、そして悲しむ。
逃げなさい」と諭したことを昔、カザルス自伝で読んだことがあった。

幸徳秋水の言っていることと同じである。
日露戦争に反対し、「非戦」を訴えた幸徳秋水、今は彼の名誉回復がすすんでいるときく。
また非公開での検事は平沼騏一郎、これは番組では述べていなかったが調べたらわかる。
平沼赳夫の義理の父である。(平沼赳夫は騏一郎の養子になった)
この「大逆事件」のことを昨年2月に平沼赳夫はテレビで語ったというが、その記録は捜してもなかった。

またフランスの女性学者でレヴィというボルドーの大学教授(ユダヤ系)の視線で語られるというが、この女性、古い日本語の文書もフランス語に訳し、しかも日本語は古書に至るまで自由自在という学者、ただ、レヴィというのはラビ(ユダヤ系の宗教指導者)ではないかと思う。

この事件に関しては明治政府は完全に間違っている。ただ、ひとこと言わせていただければ、あのころのロシアの南下政策について、NHKはたった一言も述べていないことだ。
ただ「非戦」である。もっと歴史を立体的にとらえることが必要ではないか、明治政府の誤った裁判を弁護しているのではない。
レヴィ女史の視点だけでなく、日本の視点も付け加えていくべきだったと思う。

そして堺利彦、この人は日本共産党の創始者ときく。「土蜘蛛」と自身で言っている。
古代日本で、天皇を認めない地方豪族のことである。
日本共産党の先祖は「土蜘蛛」であったのか、などと思ったりもした。

とにかく無知な私は、この番組の衝撃でいろいろ検索した。

大逆事件を堂々と批判し、実際に声をあげたのは徳富蘆花であったこと。
そしてあの永遠の少年?といえば失礼かしら・・・石川啄木、
また永井荷風(荷風はあまり興味ないが)、夏目漱石や森鴎外らの本格的インテリはどう思ったのか・・・調べるつもりだ。

今回のNHKの番組は見ごたえがあったが、日本の公共放送である。
非は非として、なぜこのような左派を抑えねばならなかったか、当時の歴史も幅広く報道すべきと思った。(ベッラ)




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