教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

広島・土砂災害現場に行ってきた

2014-09-19 00:39:07 | 経済/経済/社会
いま広島県内にいる。
ちょうどいい機会なので土砂災害現場周辺を見物にいっていた。

もちろん興味本位が第1目的ではない。
もちろん記念撮影して帰りblogにアップするのが目的ではない。

目的は・・・
土砂災害が発生しうる地域かどうなのか、それを現地周辺を見て判断できる眼力を養うこと。
2次災害としてどういうものが発生するかを現地で確認し、2次災害についても避けられる眼力を養うこと。

ようするに不動産でババ物件をつかまないようにするためだ。



まずTVで報道されている内容から見る印象はどうだったかをまとめてみよう。


山のみぞになっている部分に土砂がまとめてなだれこんだ。
→そういうところのふもとすぐそばに家を建てたらダメに決まってるじゃん!
→→被害にあったヤツがバカだったんじゃないの?

昔は家を建てるようなところではなかったのに近年になって家が建った。
→不動産業界の利益至上主義のせいだ!
→→やっぱりゆきすぎた資本主義は弊害があるわよねぇ。

ここは土砂災害が実際に発生するような危険地域だった。
→こういうのは政府が家を建てたらダメだと言わないといけないんじゃないの?


という印象を受ける。
少なくともわたしにはそういう印象を与えられたかのような世論は存在するように見える。

これはどうなのか?

現地にいってその真偽がよくわかった。



山のみぞになっている部分に土砂がまとめてなだれこんだのかどうなのか?

たしかにそのように見えるところは存在する。
しかし現地で観察してみると、必ずしもそれは当てはまらない。
したがって土砂崩れが発生することが見え見えの場所が素人目にわかるかというと、それはかなり難しいと言わざるを得ない。

宅地として使うには不適切な急勾配の山林から宅地n側に入ると急に勾配がゆるやかになる。
そのゆるやかな勾配になって山からかなり離れているところでも土砂災害は発生している。
ふつうの人だったら
「山からこんだけ離れていれば、仮に土砂崩れがあったとしても我が家は大丈夫だろ」
と思うほど離れているにもかかわらず被害にあっている。

だから被害にあったヤツがバカだったんじゃないの?…という意見は短絡的すぎる。



昔は家を建てるようなところではなかったのに近年になって家が建ったのかどうなのか?

昔ながらの農家の民家みたいなのは全くないが、築40年ありそうな家はそこら中にゴロゴロ建っている。
なのでここが新興住宅地と思っているならそれは見当違いだ。

そもそも路線沿線になるとマンションも建つほどになっており、ようするにマンションを建ててもペイするくらい土地代が高いという意味でもある。
だから勢いそういうところでしか戸建てを買えない人は大勢いるわけであり、それを責めるのも酷だというものだ。



ここは土砂災害が実際に発生するような危険地域なのか?

実際に発生した事実からしてズバリ危険地域だと断言できる。
ただし、人間が手をいれて擁壁を設置した部分ばかなり多くあり、そこでは土砂崩れは発生していなそうに見えた。
人間側も完全に無策だったわけでもない。

ってか、だからといって政府の規制がなかったせいにするのは責任放棄というものだろう。
かの民主党政権時代に、いかに政府が頼りにならず自分の身は自分で守らなければならないのかを、我々は身をもって体験したはずだ。
もう忘れたとは言わさんぞ。



TVでは伝わらないような二次災害はあったのか?

ある。

まず、アスファルト舗装の道路がかなり広範囲に砂っぽくなっている。
これは、土砂で排水溝が埋まってしまい、高台のくせに水はけがとても悪くなったんじゃないかというような仮説がたつ状況に見えた。
昨今はバリアフリーといて段差のない家が好まれるが、本来水はけの良い高台でもヘタすると水没の危険はあるということで、戸建てで玄関からのバリアフリーも考えモノだと思った。
マンションの2階以上ならそれは問題なかろう。

もう1つ。
ボランティアの人、おそらくほとんどは近所の人たちが、現時点でもまだ土砂をどける作業をこなしていた。
かなりつかれた感じだった。
蟹工船の労働者はこんなツラしてるんだろかというようなツラだった。

これで思ったことが1つ。
自分に地学の素養があり、
「こっちはやばいがこっちだったらギリギリ大丈夫なはずだ!」
みたいな見切りが仮にできたとして、それで自宅が助かったとしてもだな。
近隣の土砂をどけるのに自分がボランティアとして参加せざるを得ない状況に追い込まれるに違いないと思ったわけよ。

これは広義の二次災害である。

この二次災害に巻き込まれないようにするにはどうすればいいか?

1つは、二次災害が発生したらさっさと出て行くだけ生活基盤のフットワークを軽くしておく。
もう1つは、君子危うきに近寄らず、ではなく、危うきから大幅なマージンをとって距離を置くべし。
ということしか対策できない。

このへんに実家がある人で実家のあたりに家を買わないといけないという制約があるとしたら、この災害に絶対巻き込まれないように低コストでリスク回避するのはかなり難しいとみた。



新聞やTVのニュースばかり見ていると、
「なんでこいつらこんなことしたんだろ…。俺だったら絶対そんなことしないのに…」
みたいな印象を受けるものがものすごく多い。

だがそれでは本質を見破れない。

なぜなら、そいつから見えた事実関係がそれだけだったとしたら、
「そいつがバカだったからだよ。自業自得さ」
「資本主義の世の中がいけないのさ」
「政府の怠慢のせいに違いない」
みたいな教訓しか得られないからだ。

先の大戦にしたって、
「日本がアメリカに勝てるわけないじゃん。なんでアメリカと戦争しようと思ったんだよ? 当時の総理大臣はバカだったの? それとも戦争キチガイだったわけ? 軍国主義ってそういうこと?」
みたいにしか思っていないヤツは戦争の本質はほんの少しも理解できない。

世の中はそうではない。
そこにいた当事者がそう判断したのも無理からぬことだと思えるくらい状況を理解しないと本質にはたどり着けない。
今回わたしが実地調査しなければ得られなかったものもそういう貴重なものである。


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2 コメント

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災害は忘れた頃にやってくる (おーちゃん)
2014-09-19 01:59:20

今回、の広島の土砂崩れは一週間以上毎日見かけるものでしたね。

最近はゲリラ豪雨など異常気象が目立ちますね。

過去に平気といわれてきたものがゆるいできている気がします。

もし、家を持っているならば、防災対策は必須ですね。
今回の場合は共済や保険とかしなない気がします。

災害管理コスト(自作)の有無を考えると結局は都市部でもイーブンっぽいなと思いました。
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インフラ破壊工作 (教団「二次元愛」教祖)
2014-09-19 14:04:41
都市部の災害においての最大のリスクは、インフラが切断されることなんじゃないかという気がします。

農村部なら人口密度が低いのでトラックで物資を運んでも十分間に合いますし、交通機関がマヒしたといっても道路がつながっていればどうにでもなるようなところはありますし。
都市部では必要な物資の量が2桁増えるでしょうから、居住者は物資の不足にかなり悩まされそうな気がします。

都市部で2次的にその困った問題が発生しうる災害としては、東海地震か、あとは戦争ですかね。
東海地震で自衛隊の国防関係が手薄になることは十分ありえますし、
それを好機としてとなりの国が対馬に攻めこんでくることも十分ありえますから、
日本国内にいるあいつら在日60万人のうちのコンマ何%かがインフラ破壊工作を一斉にはじめたとしたら…。
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