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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「明治節」も遠くなりけり「文化の日」

2018-11-03 05:04:57 | 2012・1・1
今日は11月3日‘文化の日」の祝日である。しかし、戦前生まれの僕らの世代にとっては、「明治節」の呼び方のほうがピタリとくる。12年前の平成18年、このブログを始めた年、僕は”「文化の日}が「明治節」だった頃”という「明治節」追慕の一文を書いている。”アジアの光日出づるところ、聖の君のお生まれまして”で始まる「明治節」の式歌を学校で歌い、紅白の饅頭を貰った日が忘れられない。

今年は明治150年で全国に色々催事が行われているが、聖の君の誕生日に特別な催しがないのは寂しい。”降る雪や明治は遠くなりにけり”という俳人、中村草田男のこの一句は昭和6年、草田男が雪の日、東京青山の母校を訪れた際、一句したものだが、その時はまだ明治が終わってから20年ほどしか経っていない。草田男のこの時代からでも88年経過、今、明治時代に生まれた方(106歳以上)はどのぐらいおられるだろうか。

明治、大正、昭和、平成と四代が続き、その平成も今年で終わりである。戦争を挟んで昭和の時代は波乱の時代だったが、日本の長い歴史を後の夜になって振り返ってみると、明治はわが国の近代国家の礎石をつくった時代として忘れられない。「昭和の日」はあるが、「明治の日」がないのはどんなものだろうか。戦後すぐの占領下に制定された「文化の日」はいかにも安っぽらしい。

”秋の空澄み菊の香り香高き今日の良き日"を皆で、ことほぎ祝った時代が懐かしい。「明治の日」の復活を望みたい。「文化の日」というと僕には進駐軍の安いジープの玩具が想い出される。