「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         国は何故建国記念日祝典を主催しないのか

2013-02-11 07:14:58 | Weblog
今日は三連休最後の休日だが”ハッピー.マンデイ”ではない。れっきとした国が定めた「建国記念の日」の祝日である。しかし「建国記念の日」がどういう日なのか知っている日本人はどれだけいるだろうか?記紀によれば紀元前660年、奈良県の橿原宮で初代神武天皇が即位した日である。神武天皇は高天原(宮崎県)に降臨したニギニギノ命の曾孫であるという神話を戦前僕らは学校で学んだ。そして「建国記念の日」は「紀元節」と呼ばれ、この日には学校で祝典があり「紀元節の歌」を歌った。 
            ♯「紀元節の歌」(作詞高崎正風 作曲伊沢修二)
              雲にそびゆる高千穂の 高根おろしに草も木も
              なびきふしけん大御世の 仰ぐ今日こそ楽しけれ

戦後「紀元節」は連合軍によって天皇制復活につながるとして廃止され、学校でも神話は一切禁止された。2月11日が「建国記念の日」と名前を変えて祝日になったのは1967年で”建国をしのび、国を愛する心を養う”(祝日法)ということであった。しかし、一部の市民活動家から建国記念日は国家主義の復活、戦争を美化するだと反対、政府が後援して開催されていた「建国記念の日」を祝う式典も2005年以降中止されている。つまり政府主催の式典はないのである。

毎年8月17日、僕は招かれて東京のインドネシア大使館大使公邸で開催される独立記念日式典に出席しているが、羨ましき限りである。国旗掲揚、国歌斉唱に始まって1945年8月17日の独立宣言日を模した式典には在京のインドネシア人が全員参加する。そして式典の後には大使を中心に会食し、時にはゲームを楽しんだりする。戦前の「紀元節」でも子供たちにお祝いの紅白の饅頭や鳥の子餅が配られた。たとえ神話であっても建国の歴史があり、綿々とそれが続いている国は誇りである。国が定めた建国記念日を国が主催しないのは何故なのか。不思議である。