「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              近頃 東京初午事情

2013-02-09 07:20:32 | Weblog

二月最初の午の日は初午である。といっても、わが家では特別なことをするわけではないが、散歩がてら先日訪れた近くの末広稲荷神社を再び訪れた。住宅街の中の一角に鎮座しているお稲荷さんである。小さな境内にある「由来」によると、三百年前ほど前の元禄時代に創建されたものので、かっては初午の日には講中の参拝客で賑わったとのこと。昭和20年3月の空襲で焼失、石の鳥居は30年に再建されたとある。
僕が子供だった戦前昭和の頃、住んでいた五反田の三業地にはお稲荷さんが二つあった。初午の日には、子供たちは二つの神社を”はしご”してお菓子の袋を貰ったり太鼓を叩いて甘酒を飲んだりした。東京でも場所によっては、こんな習俗も残っているのかもしれない。しかし、今住んでいる町には「稲荷橋」という名前の陸橋はあるが、どこに社があるのかも判らない。
JR目黒駅近くにある従弟の家は江戸時代から続く旧家で、昔は屋敷内にお稲荷さんがあったが、今は6階建てのビルの屋上に社は移っている。しかし、毎年正月には京都伏見稲荷の本山に詣でて家内安全繁栄を祈っているとのことだ。”土一升カネ一升”の東京では神社の維持も一苦労である。