「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     99歳先輩から届いた21年前の「朝日新聞」誤報コピー

2013-01-20 07:18:23 | Weblog
誕生日がくると99歳になる大先輩から今年初の「定期便」が届いた。「定期便」にはいつも朝日新聞を購読していない僕のために大先輩が気が付いた同紙の記事の切抜きと先輩の時事所感の手紙が添えられている。新しい所感の手紙は「癸巳(みずのとみ)」の年、脱皮しない蛇は死す」で始まり”日本のマスコミの良識が共生と調和で自然の希望の光をそそぐことを市井の老骨は祈ってます”とあった。

「定期便」の中には21年前の1992年1月11日付けの朝日新聞の”従軍慰安婦”を女子挺身隊の名で強制連行したという大誤報に関連して、その1週間後に訪韓した宮沢喜一首相(当時)の韓国国会での演説要旨や記者団との懇談会の要旨(1月17日)のコピー記事が入っていた。またべタ記事だが韓国教育省が、挺身隊問題について、日本の植民地下の全国約2千の国民学校を対象に調査を開始するという記事もあった。

改めて宮沢首相の記事を見て驚いた。宮沢首相は”最近いわゆる従軍慰安婦の問題が取り上げられているが、実に心の痛むことであり、誠に申し訳なく思っている”と発言、さらに記者団との懇談会では”(教科書に従軍慰安婦問題を記述するかどうか)は事実として分かってきたのだから隠すことはよくない”とまで言い切っている。まったくこの問題について誤った認識を持っていたのだ。

宮沢内閣の河野洋平官房長官が”従軍慰安婦”の強制連行を事実上認めた「談話」を発表したのは宮沢訪韓の翌年の93年8月である。宮沢発言も河野談話もすべて朝日新聞の誤報に基づくものなのだ。市井の老骨を称する99歳の大先輩は、シンガポール作戦に従軍、敗戦まで慰安婦のいないインドネシアの孤島セラーム島に3年間駐屯していた兵士である。先輩にとっては、国のため生命をなげうって逝かれた英霊にたいし、戦争が慰安婦とといった低い次元で、しかも誤った認識で問題にされるは耐え難いのであろう。