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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             バスケ主将の自殺とビンタ

2013-01-11 07:36:40 | Weblog
大阪市立高校のバスケット部キャプテンが監督顧問の数重なる体罰が原因で自殺したという。どうして、こんな事件が何度も起きるのだろうか。どうも日本の社会の一部には暴力に寛容で、これを是認する風潮があるのではないだろうか。数年前あれだけ世間を騒がせた愛知県のヨットスクール事件についてもこれを弁護している人たちがいる。

10年ほど前、インドネシアの独立は日本によって達成されたとする映画が日本で制作され上映されたが、インドネシア側から強い反発にあい興行的にも失敗した。反発の原因の一つは、PETA(インドネシア独立義勇軍)の訓練にあたって、日本軍指導者が暴力をふるったシーンだった。関係者によると実際にあったことだそうだが、演技が真に迫っていてインドネシア人には見るに耐えないものだった。

戦時中、日本の軍隊では上官が部下をビンタすることは日常的に行われていた。ビンタとは平手で鬢(びん)や頬(ほほ)を殴る意だが、これによって耳の鼓膜を破られるケースが多かった。僕の知人(複数)が、ビンタによって難聴になっていた。戦後のBC級裁判の記録を見ると、捕虜収容所で捕虜をビンタしたという理由で有罪になっているケースが多い。

軍隊のこの悪習は学校でもあった。当時中学生(旧制)だった僕の学校でも剣道の教師が、何かというと竹刀で生徒の頭を殴り評判が悪かった。大阪のこの高校ではバスケ部だけでなく、バレー部の顧問も暴力をふるっていた。学校の校長や教育委員会も、前もってこの事実を知りながら隠ぺいしていたようである。やはり暴力を是認していた、といわれても仕方がない。テレビのお笑い芸人が、笑いをさそうと相手の頭に手をかけるシーンがあるが、お笑いではなくやめたほうが良い。