「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       70歳―74歳医療費2割にせよ 後期高齢者からの提案

2013-01-13 07:18:19 | Weblog
安倍内閣が国民の大きな期待を荷なってスタートした。過去三代の民主党政権が政権だっただけに期待は大きいが、早くもかっての自民党の”旧体質”の馬脚が出始めてきた。その一つは、すでに決まっている70歳―74歳高齢者窓口負担2割決定を8月の参院選選挙まで据え置いた決定だ。見え見えの選挙対策である。

高齢者の医療負担増は、今わが国が抱える最大の問題の一つである。厚労省によれば、この世代の窓口負担を2割に引き上げれば毎年年間2000億円の税金がはぶけるという。それなのになぜ実施しないのか。民主党政権でさえ、昨年11月、平成25年度から2割にする決定をしている。

僕は後期高齢者医療保険だが、年金以外に若干収入があるため、現役世代とみなされ窓口負担は3割である。それ以前は1割負担であったが、後期高齢者にとって窓口負担1割と3割とでは大違いである。現役と違って身体のいたるところにガタが来ていて医療機関にかかる回数が増え、医療費がずしりと生活費にのしかかってくる。これに反して1割負担は他の物価に比べて割安感がある。だから老人の中には大した病気でもないに医者通いをしている。

そのせいかもしれない。高齢者の社会保障費に対する社会の風当たりが強い、とくに世代間格差への怨嗟の声さえ聞こえてくる。“ツケ先送り現役世代直撃”(産経新聞)とまるで、僕ら高齢者が悪いことをしているみたいだ。年寄りの僻みかもしれないが、若い世代に年寄りを蔑視する風潮があるのは、こんな政府のとっている世代格差政策の逆影響かもしれない。70歳と80歳以上の年寄りとでは医療機関にかかる回数も異なる。70歳―74歳の高齢者の窓口負担を2割に引き上げても後期高齢者に比べれば大きな問題にはならない。すでに決定をみているものは即刻実施すべきである。