「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            世界一大富豪のDNA

2011-05-23 07:43:49 | Weblog
東日本大震災で中止されていたスペイン協会の文化の集い「ドンキホーテ・クラブ」が再開され参加した。3・11のあの日から思考が止まったような僕の頭には、違った世界の話は刺激になって面白かった。中でも僕には縁遠い世界一大富豪、メキシコのカルロス・スリム・ヘル氏が中東のレバノン系の移民だというのは興味深かった。

米国の経済誌「Forbes」が2011年度の世界長者番付の一位に選んだカルロス・スリム・ヘル氏はメキシコ最大の電話会社TelectとAmerica Movilというケータイ会社の社長で、資産総額は740億ドルの大金持だ。13年連続世界一だったマイクロ・ソフトの創設者、ビル・ケイツ氏に代わって昨年から連続一位の座についている。

カルロス・スリム・ヘル氏はレバノンからの移民の子だが、レバノン系の移民といえば、日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏もそうで、父親はレバノン系ブラジル人、母親もレバノン系フランス人である。先年、フォード・モーターズの社長を辞任したジャック・ナッカー氏もオーストラリアへ移民したレバノン人で、見習い社員から社長に登りつめた。

何故、レバノン移民に富豪が多いのだろうかー。僕はレバノン人には紀元前、地中海交易で繁栄した、あのフェニキア人の血が綿々と流れているのではないかと思った。ローマ時代の前、地中海にカルタゴなどの植民地を築きあげた、あのフェニキア人の商売上手のDNAである。

カルロス・スリム・ヘル氏の人生訓が面白い。”世界一でも二千位であっても自分には意味のないことだ。家族との生活や自分の時間と仕事を両立することの方が豊かになることより重要なのだ”考えさせられるが、それができることは羨ましいかぎりだ。