「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      ”がんばろう” は日本独特の言いまわし

2011-05-12 06:23:51 | Weblog
途上国の技術研修員の面倒をみていて通訳するのに困った日本語の一つに”がんばろう”があった。日本人同士なら、時と場合で”がんばろう”の意味が理解できるのだが、英語には残念ながら、ひとつの単語で、それを的確に表現するものがない。”がんばろう”はやはり日本独特の言いまわしなのだろう。

先日、ラジオで大学の英語の先生が”がんばろう”には、三つの意味ー”Do your best"(最善をつくせ)”Don't give up"(へこたれるな)”Let's do it"(さあ、やろう)ーがあるとと言っていた。”がんばろう”には、ケース・バイ・ケースでいろんな意味があって使われている。東日本大震災のあと、今、全国津々浦々で大合唱の”がんばろう東北””がんばろう日本”の”がんばろう”は、この三つだが。

外国では、日本のように日常の挨拶がわりに”がんばってね”という、言いまわしはないみたいだ。英語では”Take it easy"(お大事に)が普通である。友人のスペイン語の大家に聞いたら、スペイン語には がんばれに相当する"animo"という言葉はあるが、やはり挨拶がわりの”がんばってね"の場合は”divertato mucho"(楽しんで)という表現だそうだ。インドネシア語では”santai saja"(お気楽に)と言う言いまわしもある。中国では昨年の北京五輪のさい、応援に「加油」という言葉を使っていたが、日常の挨拶に「加油」は使用しないと思う。

日本人は狭い国土に住み、これといった自然資源に恵まれていない。だから昔からがんばって生きてきた。だから、日常の挨拶語に”がんばってね”があるのもしれない。