ビター☆チョコ

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ブラッド・ダイヤモンド 試写会

2007-03-27 | 洋画【は】行


1999年、内戦が続くシエラレオネ。
反政府テロ組織RUFは、村の働き盛りの男を拉致しダイヤモンド鉱山で強制採掘させた。
男の子は拉致されたあと、少年兵としてRUFに強制的に加えられた。
そうして採掘されたダイヤモンドは密輸され、その膨大な金額はURFの活動資金となっていく。
国民の宝であるはずの貴重なダイヤモンドという資源が、国民のささやかな幸せを奪ってしまったのだ。

ここにも不幸な父親がいる。
家族を、息子をこよなく愛している父親、ソロモン・バンディー(ジャイモン・フンスー)は、ある日村を襲撃してきたRUFによってダイヤモンド鉱山へと連れ去られる。
離れ離れになってしまった家族を思いながらも、ダイヤモンドを採掘する日々が続く。
最愛の息子がRUFの少年兵にされてることなど知るよしもない。

そんなある日、ソロモンは大きなダイヤモンドを見つける。
めったに採掘されることがないというピンク・ダイヤモンド。
人知れず地中に埋めたはずのダイヤモンドの存在が、実直な漁師だったソロモンを一人の男に引き合わせる。
ダイヤの密売人ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)にとって、そのピンク・ダイヤを手に入れることが人生の転機になるはずだった。

ピンク・ダイヤモンドをめぐって、人がいろいろな思惑で動き出す。
それぞれの真実を、願いを、ピンク・ダイヤモンドが叶えてくれるはずだった。

自然の恵みであるダイヤモンドが採掘され
美しく磨かれ
私たちの前に現れるとき
ほとんどの場合、それは幸せの象徴として現れる。
婚約指輪だったり
愛しい人への贈り物だったり
時には、いつもがんばっている自分へのご褒美だったりするかもしれない。

ダイヤモンドの輝きに胸をときめかせても
その原石が、どこでどのような形で採掘され
どのような経過をたどってここまでたどり着いたのか、
1度として考えたことはなかった。

「紛争ダイヤ」という
幸せとは似ても似つかない呼ばれ方をしているダイヤは
もしかしたら、私の耳にポッチリとかなり控えめに輝いてるダイヤのかけらにまぎれているかもしれない。

アフリカという広い大陸で
貴重な資源が国民を潤すどころか
戦争の道具に変わり、そして先進国がそれを煽って
アフリカの人々はいつも苦しんでいる。

ダイヤモンドの永遠の輝きに
人は何を求めるのか。
それはとても簡単で単純で、誰にでも手が届きそうなものなのに
なかなか手にすることが出来ない。

離れ離れになった家族を探し歩き
少年兵になった息子に、銃を突きつけられる父親の哀しい姿は見たくない。
命が消えかかるそのときに、
やっと自分が見つめる世界の美しさに気がつくような生き方はしたくない。

映画は、息をつく間もないような銃撃戦が続く。
内戦で傷つけあう人々と、その影に隠れてアフリカの資源を食いつぶそうとする先進国の姿が浮かび上がる。
2時間半という長さは、興味がそれるととたんに体のあちこちが痛くなりだすのだが、
この悲惨な事実の前では、その長さを感じる余裕もなかった。