ビター☆チョコ

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SAYURI

2005-12-14 | 洋画【さ】行
                

9歳の時,貧しい漁村から芸者置屋に売られた千代(大後寿々花)は,置屋の売れっ妓芸者の初桃(コン・リー)の執拗ないじめにひたすら耐える毎日を送っている。
自分の将来に希望を失いかけていた千代だったが,ある日「会長さん」と呼ばれる紳士(渡辺謙)に出会い,淡い恋心を抱く。
どこの誰かも知らない「会長さん」に会いたい一心で一流の芸者になルことを誓う千代。
15歳になった時,チャンスがやってきた。初桃のライバルである豆葉(ミシェル・ヨー)が千代を妹分として,一流の芸者に育て上げたいと申し出たのだ。豆葉の厳しい指導で千代は花街一の芸者SAYURI(チャン・ツイィー)に成長する。


しっかりと脇を日本人の配役で固めたのに,どうして中心となる芸者が日本人でなかったのだろう。
知名度を考えればどうしてもチャン・ツイィーがベストだったのだろうけど,それならせめてヘアメイク,衣装がもう少し日本的だったら良かったのに。
チャン・ツイィーもコン・リーもミシェル・ヨーもとても美しかったし,たぶん芸者を演じるために色々と学んだのだろうが,置屋での着物姿がまるでバスローブ姿のようにしか見えなくて残念だった。

母方の実家が賑やかなことが好きな家だったので,お祝いごとなどの宴席の時,よく年配の芸者さんが来ていて踊ってくれたのを覚えている。
着物も派手なものではなかったのだが,明らかに周りの女の人とは違う身のこなし方は子供だった私の興味をひいた。
踊ってる時にちらりと覗く足首や足袋の白さにドキリとした覚えがある。
チャン・ツイィーの舞は芸者さんの踊りと言うよりはショーのような。。。
ヘアスタイルにしてもちょっと違いませんか?
意地悪な目でみてしまったのかなぁ。
やっぱりどうしてもよその国の文化を描くのはむずかしいのだろう。
これは日本ではなくアジアのどこか架空の国のお話。。。のような感じがした。

そんな架空の国の話としては充分面白かった。
特にSAYURIの少女時代を演じた大後寿々花ちゃん,堂々たる女優でした。
観客が一番沸いたのは,舞の海が登場したこと。
できれば「はたきこみ?」なんて地味な技じゃなく,「猫だまし」とか「八双とび?」みたいな派手な技でハリウッドデビューを飾って欲しかった。

この映画で高級娼婦と海外で思われてる「芸者」を,「一流の芸をもった芸術品のような人」と改めて認識させることができたのだろうか。
ラストを観た感じでは,それはちょっと難しかったような。。。
どんなに素晴らしい芸を持っていても,結局は「旦那さん」に寄り添って,影でしか生きられないような印象を受けた。
それはそれで大変な人生だろうとは思うのだが。