安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

高瀬龍一ビッグバンドコンサート (11月20日 須坂市文化会館)

2016-11-24 21:49:18 | 演奏会・ライブ

11月20日(日)に須坂市文化会館メセナホールで、高瀬龍一ビッグバンドを聴いてきました。昨年も同じホールで公演があったのですが、都合で行けずに残念な思いがしていたので、今回聴くことができてよかったです。カウント・ベイシーの曲を演奏するビッグバンドですが、僕の好みにぴったりなので、期待して出かけて行きました。

   

(メンバー)

高瀬龍一(指揮、tp)、沖野ゆみ(vo)

Trumpet  ルイス・バジェ、浦田雄輝、松島啓之、伊勢修一郎
Trombone 中路英明、橋本佳明、三塚知貴、堂本雅樹
Alto Sax  萱野昌樹、辻野進輔、Tenor Sax 吉本章紘、白石幸司 Bariton Sax 鵜木孝之
piano 板垣光弘 Bass 山下弘治 Drums 丹寧臣

(曲 目)

(1st Stage)

The Heat's On
Freckle Face
Shiny Stockings
The Lady is A Tramp(vo)
Embraceable You(vo)
Too Darn Hot(vo)
Wind Machine
One Mint Julep
Sweet Georgia Brown

(2nd Stage)

Corner Pocket
The Swizzel
C.B.Express
Summertime(vo)
Alright Ok You Win(vo)
Flight of The Foo Bird(メセナ・ビッグバンド)
The Queen Bee(メセナ・ビッグバンド)
The Kid From Red Bank
In A Mellow Tone

(アンコール)

Jumpin At The Woodside
Pensive Miss

サミー・ネスティコやニール・ヘフティ作のものなど早い曲も多かったのですが、乱れるところのないサウンドは、さすがに一流プレイヤー揃いです。僕はベイシーバンドのサックスセクションのソリ(一部の楽器セクションの合奏パート)が大好きですが、当夜の高瀬龍一バンドでも、「In A Mellow Tone」をはじめ、うねるようなサウンドで決まっていました。

サックスの吉本章紘、白石幸司のソロもそれぞれよく、ことにアンコール曲の「Jumpin At The Woodside」における二人の掛け合いは、1930年代のハーシャル・エヴァンスとレスター・ヤング、1950年代のフランク・フォスターとフランク・ウェスのコンビを髣髴とさせるもので、当夜のハイライトでした。

トランペットの松島啓之や伊勢修一郎、ピアノのカウント・ベイシーに似たプレイをする板垣光弘のソロもそれぞれ楽しめました。白石幸司は「Sweet Georgia Brown」では、クラリネットのソロをとりましたが、甘いサウンド、フレーズの多彩さと、素晴らしい演奏でした。

   

ヴォーカルの沖野ゆみは、声量があり、ステージも華やかで、ビッグバンドにも向いています。彼女の歌も大いに楽しめましたが、「Alrigjt Ok You Win」をやってくれて、それだけでもポイントが高いです。  

須坂市のメセナホールでは、この公演に向けて、アマチュアのビッグバンドを組織し、高瀬龍一ビッグバンドのメンバーの教えを受け、その成果も2曲披露されました。そんな活動もやっているこのホールには敬意を表します。高瀬龍一がトランペットソロをとるバラードの「Pensive Miss」で終演となり、満足した気分で車に向いました。


カリン・プラトー DOWNWARD DANCING

2016-11-23 21:14:00 | ヴォーカル(E~K)

長野駅前に東急レイホテルが11月16日にオープンしました。この建物は、サンルートホテルとして営業されていましたが、同ホテルの近くへの移転後、1階から上は空きビルになっていたので、東急レイホテルの営業開始は、賑やかさが戻って、結構なことです。昔、出張やプライベートで、かなり東急ホテルズを利用していたので、このホテルの名前には親しみを感じます。 親しみやすい歌声です。

KARIN PLATO (カリン・プラトー)
DOWNWARD DANCING (karinplato 2006年録音)

   

カリン・プラトーは、カナダの歌手で、ジャズ批評誌2012年9月号の特集「いま旬の歌姫たち」にも掲載されたのですが、知名度はかなり低いように思います。ダイアナ・パントン、エミリー・クレア・バーロウ、バーブラ・リカなど続々とカナダの女性歌手が紹介され国内盤CDも発売されています。彼女らに比して、紹介されることは少ないですが、4ビート主体の落ち着いた歌を歌うカリン・プラト―も忘れることができません。

メンバーは、カリン・プラト―(vo)、Nancy Walker(p)、Steve Wallace(b)、Joel Haynes(ds)。Nancy Walkerは、カナダのトロントを本拠として活躍するピアニストで、彼女のホームページを見ると7作のCDを作っています。フレッド・ハーシュに教えを受けたことがあるそうで、適度なグルーヴィーさと弾き過ぎない伴奏で、好感が持てます。エミリー・クレア・バーロウの伴奏者として来日したことがあるようです。

曲は、スタンダードとプラトーの自作です。スタンダードが、「Gypsy In My Soul」、「Let There Be Love」、「So In Love」、「He Was Too Good to Me」、「Falling In Love With Love」、「Sometimes I'm Happy」、「You Are Too Beautiful」、「Oh, What A Beautiful Morning」、「Sometime Ago」、「Hi Li Li Hi Lo」。彼女の自作が、「Shoe Passion Blues」と「Downward Dancing」。Sometime AgoとHi Li Li Hi Loはメドレーです。「Let There Be Love」と「Oh, What A Beautiful Morning」は、ペギー・リーの歌唱が忘れられませんが、プラトーがどう歌うか興味が湧きます。

カリン・プラトーの歌は、大人のヴォーカルという趣です。彼女のコントラルトの声に加え、ウォーカー(p)のヴォーカルに寄り添った伴奏で、じっくりとメロディーや歌詞を楽しめます。ミディアムテンポでゆったりと歌った「Let There Be Love」は、伴奏も含めて特筆もので、スローバラードの「He Was Too Good To Me」もかみしめるように歌っていて、情感が伝わってきます。「Falling in Love With Love」では、ヴァ―スを歌っていて、他の歌手が普通は取り上げないので、この点も特長の一つ。プラトーのオリジナル曲では、ベースの伴奏だけで歌った「Shoe Passion Blues」が面白かった。

【Karin Plato ホームページ】

KarinPlato.com

【Nancy Walker ホームページ】

nancywalkerjazz.com

【長野東急レイホテル】

長野駅前に立地しています。観光とビジネス客用のホテルで、レストランは朝食の時間だけ営業するようです。会議室などもないので、地元の人が使えるホテルではありませんが、街の賑わいにつながればよいですね。なお、地下には飲食店が入っています

  

駅前のペデストリアンデッキから撮りました。

  

  

この前の歩道は、結構人通りがあります。

  

エレベーターで2階に上がるようになっています。お祝いの花が飾ってありました。

  

地下は、飲食店が入っています。


ホシガラス山岳会著「あたらしい登山案内」(バイ インターナショナル)

2016-11-22 20:30:27 | 読書

長野市にある小さな書店「ch.books」で本棚を眺めていたら「あたらしい登山案内」という気になるタイトルの本があったので、購入しました。著者の「ホシガラス山岳会」とは、「本を作る」という仕事を通して知り合った8人の女性からなる山の会で、それぞれが分担して執筆しています。

   

通常の山のルート案内などでは、山の難易度や北アルプスといった地域・場所で分けていくところ、8人がそれぞれの山へ行くスタイルを反映させた視点からの記述となっています。副題に「趣味と気分で選べる山ガイド」とありますが、目次がそれを表していいるので、掲げます。

A  森美穂子の「尾根の山」
B  小林百合子の「山小屋の山」
C  金子奈津子の「岩の山」
D  野川かさねの「花の山」
E 山戸ユカの「食べる山」
F 高橋 紡の「街の中の山」
G しみずまゆこの「異国の山」
ホシガラス相談室
山でよく使われている言葉だけど
今さら聞けない・・・。だから、こっそり教えます事典

登山経験の浅い女性向けの内容といっていいのですが、僕のような高年初心登山者にとっても参考になることが多々ありました。例えば、著者の一人一人の服装や持ち物が写真入りで掲載されていて、どの山へはこんな持ち物でいったということが具体的にわかります。さらに、山小屋宿泊の際の持ち物が細かに掲載されていて、これは特に女性に喜ばれるのではないでしょうか。

   

「花の山」の章のページです。『尾瀬ヶ原を歩くための持ちもの』

お薦めのルートや山小屋も上記のような視点から選択され、紹介されています。また、そのルート上には、山小屋(あるいはテント)での宿泊をほぼすべて入れていることに驚きました。東京在住なので、必然的にそうなる面はありますが、やはり一番は一日に歩く時間、体力を考えてのことだと思います。

僕は、今のところ日帰り登山だけですが、年齢のせいもあり、山道を6時間程度歩くと足が痛くなったり、こむら返りが起こることがあります。そこで、休憩を多めにとるといった対策の他に、山小屋での宿泊を利用するのも選択肢だと考え始めたので、この本は参考になります。ただ、相部屋が全く苦手なので、シーズンオフに使うとか、個室利用も検討しようと考えています。

   

「花の山」の章のページです。『白山(石川県)のルート案内』

面白い内容の本なのですが、リクエトしたいのは、活字をもう少し大きめにしてほしいということです。多分、女性、男性問わず、僕のような年齢の読者も存在するのではないでしょうか。


蛍(蕎麦 長野県北安曇郡小谷村)

2016-11-21 19:45:48 | グルメ

11月13日の大渚山登山のあと、昼食に蕎麦屋「蛍」に寄りました。お昼にはやや遅い時間だったのですが、思いのほか混んでいて約20分間外で待ちました。新蕎麦の季節で、しかも、こちらのお店は11月下旬には冬季休業に入るので、お客様が多く訪れていたのでしょう。

古い民家を使ったお店で、囲炉裏やランプが残っています。蕎麦を茹でるのは、大きな釜で、燃料は薪を使っています。地元の小谷産の蕎麦粉を使った蕎麦は、ほんのりと香りもし、たいへん美味しくいただきました。11月20日に今季の営業を終了し、営業再開は、来年のゴールデンウィークだそうです。 

  

数組の方が待っていました。

  

  

囲炉裏も残っていました。

  

ランプは、実際に使っていました。囲炉裏はともかく、ランプを実際に使っているお店(飲食店や旅館)は、はじめてです。

  

ガラスの奥は土間になっていて、蕎麦打ちなどの作業が行われます。

  

この釜で蕎麦を茹でます。薪が燃えていて、いいムードです。

  

  

そば茶です。濃厚な味で、このそば茶は美味しかった。

  

窓から光が差し込んでいて、いかにも田舎へ来た感じがします。

  

なす。手間がかかっています。僕はナスが好きです。

  

野菜の天麩羅。

  

【そばや 蛍】

住所:長野県北安曇郡小谷村中土真木16588
電話:0261-85-1810
営業:11:30~17:00 
営業期間4月下旬~11月中旬
定休日:火曜日・水曜日(但し祝祭日、お盆・紅葉の季節は休まず営業)、冬季休業
ホームページ:otarimura-net


ケニー・ドーハム SHORT STORY

2016-11-20 09:55:47 | トランペット・トロンボーン

小谷村(長野県北安曇郡)の大渚山登山の帰りに「蛍」という蕎麦屋で昼食を食べました。ちょうど、小谷村内では、新そば祭りが行われていて、会計の際に景品があたるくじ引きが行われていました。僕も引いたところ「そば茶」が当たりました。煮出しする必要がありますが、「蛍」で出されたそば茶が美味しく、それと同じものなので、味に期待が持てます。お茶受けは、先日東京駅で購入した「ごまたまご」です。味わい深いトランペットを。

KENNY DORHAM (ケニー・ドーハム)
SHORT STORY (SteepleChase 1963年録音)

   

デンマークのスティープルチェイスレーベルは1972年の設立で、主にヨーロッパへ移住したアメリカのベテランミュージシャンの新規録音を行いました。その一方、過去のライブで録音されたものを発掘するなど、古い録音のものもあります。最も有名なのは、バド・パウエルの「At The Golden Cirlce」だと思いますが、この「Short Story」もドーハムがその実力を発揮したものとして忘れることができません。

メンバーは、ケニー・ドーハム(tp)、アラン・ボッチンスキー(fh)、テテ・モントリュー(p)、ニールス・へニング・エルステッド・ぺデルセン(b)、アレックス・リール(ds)。ドーハム以外はヨーロッパのミュージシャンで、コペンハーゲンのジャズクラブ「カフェ モンマルトル」におけるライブ録音。

曲は、ドーハムのオリジナルの「Short Story」、あとはスタンダードで「Bye Bye Blackbird」、「Manha De Carnaval」(黒いオルフェのテーマ)、「The Touch Of Your Lips」、「My Funny Valentine」の全5曲。ドーハム作の「Short Story」ですが、一聴して、「Tickle Toe」だなと思わせるメロディです。

このライブが行われた1963年は、ケニー・ドーハムがBlue Noteレーベルへ快作を録音していたころで、気合十分で好調なプレイが楽しめます。「Bye Bye Bklackbird」は、珍しく早いテンポによる演奏ですが、ドーハム(tp)は長くてメロディアスなラインを吹いていて、創造力が感じられます。ボッサの「Manha De Carnaval」は、ドーハムのワンホーンで、哀愁メロディを美しいトーンで綴っていきます。「Bye Bye Blackbird」におけるテテ・モントリュー(p)のスインギーでアグレッシブなプレイも聴きもの。

【琥珀そば茶、ごまたまご】