安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

横井雅子著「ハンガリー音楽の魅力 リスト・バルトーク・コダーイ」(東洋書店)を読み、関連のCDを聴きました。

2023-08-17 19:30:00 | 読書

7月22日開催の角田鋼亮指揮 群響定期演奏会(その記事へのリンク)で、初めてコダーイ作曲「ガランタ舞曲」を聴いたら、コダーイやハンガリーの音楽に興味が湧き、横井雅子著「ハンガリー音楽の魅力」を読んでみました。また、関連のCDを聴きました。

   

表紙

(著者紹介)

横井 雅子(よこい まさこ)

桐朋学園大学作曲理論科卒業、ハンガリー国立科学アカデミーに留学後、東京藝術大学大学院音楽研究科修了、現在、国立音楽大学大学院特任教授。専門は音楽民族学。中・東欧の音楽文化研究に幅広く取り組み、特にロマ音楽の調査を通して民俗音楽、大衆音楽、古典音楽を取り繋ぐ楽師像を探求。主な著書に『音楽でめぐる中央ヨーロッパ』、『伝統芸能復興-ハンガリーのダンスハウス運動』、『音楽論』など。

(大まかな目次)

1 リスト ―「ハンガリー風」・「ジプシー楽団」・「祖国」
  リストの生涯(1811~86)、リストはハンガリー人だったのか―リストと“祖国”のかかわり

2 バルトーク ― 伝統音楽に新しさを求めた音楽家
  バルトークの生涯(1881~1945)、伝統音楽との出会い、バルトークの創作と伝統音楽

3 コダーイ ― 人間の声のもつ可能性を信じて
  コダーイの生涯(1882~1967)、伝統との出会い、声に秘められた可能性をさぐる

(本書の感想など)

プロローグにある『「アジア」の人々が住むハンガリー』という小見出しにはびっくりしましたが、同国に親近感がわきました。リスト、バルトーク、コダーイという作曲家の生涯や楽曲にも触れますが、その3人を通してハンガリーの音楽史をたどっていくといった内容で、かなり面白い本です。

リストは、小さい頃からパリで活動していただけに、ハンガリーの音楽家という位置づけは新鮮でした。バルトークとコダーイは、同国の民謡を研究していて、ジプシー(ロマ)の音楽は、それらとは別のものだということも強調されています。

コダーイの曲を聴くと、稀にですが、日本の音階が使われたような部分が出てきます。ハンガリー民謡から採譜したメロディを使っていると思うのですが、ルーツはアジアにあるのかもしれないと想像を逞しくしました。

(扉ページにある3人の肖像)

   

   

   

(CDを新たに購入して、コダーイ、リストの音楽を聴きました。)

    

コダーイ:管弦楽曲全集。アンタル・ドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカ(DECCA  1973年録音 CD3枚組)。コダーイの主要な管弦楽曲が網羅されています。「ハンガリー民謡〈孔雀〉の主題による変奏曲」には日本の曲かと思うような部分がでてきます。解説を読むと、この民謡自体が五音音階旋律だそうです。

   

コダーイ:「ハーリ・ヤノシュ」他名曲集。シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団(LONDON 1994年録音)。デュトワがコダーイの音楽を録音していました。洗練されていて、ちょっとフランス音楽のムードも。

   

リスト:ハンガリア狂詩曲集。ジョルジ・シフラ(ピアノ)(ERATO 1972年~75年録音)この本の巻末のディスク案内で、『ただでさえ難しいリストの曲に、シフラはさらに手を加えてほとんど曲芸的な演奏を聴かせている。』と横井さんは記しています。シフラはハンガリー出身で、父はロマでジプシー楽団の音楽家。



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