安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

太田和彦著「風に吹かれて、旅の酒」(集英社文庫)。面白く、実用的です。

2023-07-14 19:30:00 | 読書

太田和彦著「風に吹かれて、旅の酒」(集英社文庫)を読みました。

   

(表紙)

(カバー裏にある本書の紹介)

   

(感想など)

太田さんの本を読むのは初めてですが、面白くて、実際の役にも立ちそうです。著者の本職は、グラフィックデザイナーで、美術や映画、音楽、俳句などに造詣が深く、本書では、お酒や料理のことばかりでなく、多方面の話題が取り上げられます。

著者は長野県松本市出身で、松本に関する記事もあり、隣の安曇野市生まれの僕には親しみも湧きました。居酒屋探訪家として、テレビ番組にも出演するなど、全国的に知られた方ですが、まさか松本の出身だとはびっくりしました。

週刊誌「サンデー毎日」に連載されたエッセイが元で、42編が収められています。「山奥の三十二の瞳」、「忌野清志郎と飲んだ夜」、「神戸の歩き方」、「居酒屋に通って」、「蔵と名水の町」、「音楽の日々」あたりが特に印象深かった。

以下、本書掲載の写真など抜粋。

著者は、最初期からの忌野清志郎のファンです。

   

「上野でとんかつ」から。御三家「ぽん多」「蓬莱屋」「双葉」のうち「双葉」は閉店。

   

「銀座散歩」から。『私は銀座が大好きでそこの会社(資生堂)に20年通った、わが町感もある。』と記しています。

   

「神戸の歩き方(1)」から。『まずは昼飯。神戸ならば中華。餃子の質の高さと店の個性は、”圧倒的”日本一で、』と記しています。

   

「神戸の歩き方(3)」から。『いろいろあるんだとさらに坂を上がり、これもなじみのバー「Keith」のドアを押した。』とあります。

   

「蔵と名水の町」から。『大鳥居から女鳥羽川をはさんだ民芸喫茶「まるも」は朝八時からやっている。』と記してあります。松本の喫茶店「まるも」は、作家池波正太郎さんもお気に入りのお店でした。

   

「松本の中華と古時計」から。『昼を終えたら少し散歩。白黒なまこ壁がきれいな〈同心小路〉は〈元禄九年(1696年)に藩主・水野忠直が設けた町同心屋敷から同心小路とよばれた~〉と記される。』とあります。 

   

「音楽の日々」から。『音楽はイヤホンではなく、スピーカーから流れ出る生音で聴きたい。愛用の真空管アンプは音色がやわらかく艶がある。』とあります。ヘンデルやディーリアスなどのイギリスの作曲家、シューマン、R・シュトラウス、ブルックナーがお好きで、ジャズや女性ボーカルも聴いていらっしゃいます。

(本書にある著者紹介)

    

太田和彦さんの他の著書も読みたくなりました。

(参考)太田和彦さんの出演番組

太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選[字]|BS11(イレブン)|全番組が無料放送



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4 コメント

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おはようございます。 (siawasekun)
2023-07-15 03:11:34
素敵なショットと解説から様子、雰囲気などが伝わってきました。

ご紹介、ありがとうございました。

いろいろ情報交換できる、ブログでのコメント交流、いいものですね。

応援ポチ(全)。
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Unknown (azumino)
2023-07-15 10:19:02
siawasekunさん こんにちは

書店で名前を見ることはあったのですが、初めて太田和彦さんの本を読みました。幅広い好奇心が溢れている素材、グラフィックデザイナーらしい描写力、文章力で一気に読ませました。

登場するお店は、参考になりますし、久々に面白いエッセイ集でした。
うまく感想が伝わるか心配だったのですが、共感して読んでいただき、コメントもありがとうございます。
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スピーカーから流れ出る生音で聴きたい。 (mobu)
2023-07-15 18:38:19
>『音楽はイヤホンではなく、スピーカーから流れ出る生音で聴きたい。
共感します。いいイヤホンの良さもわかりますが、やはり空気を震わせ空間を飛んでくるなんとも言えない時間が好きです。
真空管はトランジスタにない良さがありますね。だからいまだにJAZZ喫茶の爆音に個人的にあこがれるのかもしれません。
太田和彦 選曲・デザイン・監修 JAZZ at IZAKAYA Vol.1というコンピレーションを出しておられ、酒場で聴く音楽を
選曲・デザインされております。さすが、デザイナーですね。
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Unknown (azumino)
2023-07-16 11:16:07
mobuさん こんにちは

太田和彦さんは、居酒屋好きな方達の間では知られて存在だったのですね。僕は、この本で初めて知りました。

僕もヘッドフォンは使わない派なので、まさにmobuさんお書きのとおり、そう思います。

他にも著書がたくさんあるので、すこしづつ読んでいきたいと考えています。
コメントありがとうございます。
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