昨年末にジャズが流れる喫茶店「パウゼ安曇野」に寄りました。薪ストーヴで部屋中が暖かく、ゆったりと寛げ、上質なオーディオ装置からは、アート・ペッパー(as)の素晴らしいサウンドが流れていました。ペッパーのアルバムを。
ART PEPPER (アート・ペッパー)
THE RETURN OF ART PEPPER (JAZZ WEST 1956年録音)
アート・ペッパー(as, 1925~1982年)は、大好きなアルト・サックス奏者ですが、最も好んでいるのは、1953~56年の麻薬による収監から復帰して録音した56年8月から60年頃までの作品です。傑作揃いですが、その初めが本作です。日本のキングから再発されたレコードで聴きました。
メンバーは、アート・ペッパー(as)、ジャック・シェルドン(tp)、ラス・フリーマン(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)。ジャック・シェルドンの起用は、やや違和感があったのですが、明るくスイングする演奏は、テンポの早いものに向いていると、最近は肯定的です。
曲目は次のとおり。
1 Pepper Returns (Art Pepper)
2 Broadway (Billy Bird)
3 You Go To My Head (J. Fred Coots)
4 Angel Wings (Art Pepper)
5 Funny Blues (Art Pepper)
6 Five More (Art Pepper)
7 Minority (Art Pepper)
8 Patricia (Art Pepper)
9 Manbo De La Pinta (Art Pepper)
10 Walkin' Out Blues (Art Pepper)
アート・ペッパーの自作が8曲、あとの2曲はスタンダード曲です。彼の意気込みが伝わってきます。
1956年のアート・ペッパー(as)を聴いていると、個性的で、ひらめきが全てというようなフレーズ、タイミング、音の強弱によるアドリブの連続で、他の人が真似できない演奏の最右翼のような気がします。ややアップテンポの「Pepper Returns」や「Five More」を聴いていると、一層そんな思いがつのります。バラードの「You Go To My Head」や「Patricia」では、ストレートに吹いていて、ほの暗く美しいペッパーのサウンドが印象に残ります。ラス・フリーマン以下のリズム隊の弾むようなリズムが効果的。
(参考)本作より、「Pepper Returns」が聴けます。
Pepper Returns - Art Pepper Quintet - YouTube
(参考2)アート・ペッパーの1956年録音の主なアルバム。
8月:The Return of Art Pepper(Jazz West)、The Marty Paich Quartet Featuring Art Pepper(Tampa)
10月:Chet Baker And Art Pepper Playboys(World Pacific)
11月:The Art Pepper Quartet(Tampa)、The Way It Was(Contemporary)
12月 : Modern Art(Intro)
【パウゼ安曇野】
住所:長野県安曇野市豊科南穂高353−9
電話:0263-31-6996
営業:水~金 10:00~19:00 土日祝 9:00~18:00 定休日:月・火
ホームページ:パウゼ安曇野(Yahoo!ロコのページ、口コミが掲載されています)
お店の外観
お店の前からは、北アルプス常念岳(2,857m)が望めます。午後の陽を浴びています。
店内
暖炉。横に腰かけているので、放射熱で体が温まり、最高です。
オーディオ機器。変更はありません。スピーカーは、JBL4344Mです。
本日は、レコードをかけてくれました。
五加音響研究所製のプリメインアンプ。パウゼ安曇野のスピーカーにあわせて、設計製作されたオリジナルアンプです。五加研究所のホームページ:五加音響研究所 ラントシャフト (localinfo.jp)
チェット・ベイカーとアート・ペッパーの「PLAYBOYS」。最近、再発されたレコードです。ペッパーのアルトサックスが、上質なサウンドで再生されていて、ペッパーのアルバムを聴きたくなりました。
珈琲は、キリマンジャロなどをいただきました。美味しい。
外には、ストーヴ用の薪がたくさんストックしてありました。マスターといろいろなお話も出来て、楽しい一時でした。今年(2023年)も、たまに寄るつもりです。