安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

飯森泰次郎指揮 名古屋フィルハーモニー交響楽団演奏会(3月26日 上田市サントミューゼ)

2017-03-30 20:09:41 | 演奏会・ライブ

長野県上田市のサントミューゼ(交流文化芸術センター)で、3月26日(日)に名古屋フィルの名曲コンサートがあったので聴いてきました。

   

(出 演)

指揮:飯森泰次郎
ピアノ:金子三勇士
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

(曲 目)

ワーグナー / 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲
バルトーク / ピアノ協奏曲第3番
チャイコフスキー / 交響曲第5番 ホ短調 作品64
アンコール曲 チャイコフスキー  / 歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「ポロネーズ」 

(感 想)

チャイコフスキーの素晴らしさを堪能できました。交響曲第5番のメロディーやハーモニー、リズムと曲に没入できて、この曲は別格です。それも、飯森秦次郎指揮の名古屋フィルの好演があったからで、特に、第2楽章の甘美で儚げな旋律を吹いたホルン主席の安土真弓さんの演奏が、まろやかな音色とフレージングで印象に残りました。

飯森さんの指揮は、低音の響きが豊かで、重厚さが感じられ、大きく鳴らすところと小さなところの対比が大きいようにも思いました。第4楽章では、ティンパニが活躍しますが、短い音符を長く続けている場面もあって、初めてティンパニもいろいろと使えるのだとわかり、感心しました。

ティンパニを演奏した窪田健史さんは、地元の上田高校出身だそうですが、「ニュルンベルクのマイスタージンガーより第1幕への前奏曲」では、サイド・バイ・サイドと称して地元の高校生たちが舞台にあがり名古屋フィルと一緒に演奏をしました。この取り組みは、励みや想い出にもなるよいもので、名古屋フィルの活動に敬意を表し、大きく拍手しました。

バルトークのピアノ協奏曲第3番は、第2楽章など抒情的なところもあり、バルトークとしては親しみやすい曲です。第1楽章や第3楽章に登場する、パーカッシヴなピアノの扱いは、フリーがかったジャズの演奏に通じるものがありました。金子三勇士さんのピアノ演奏は、迫力がかなりあり、力のこもったものでした。