安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジャネット・サイデル CHARADE

2017-03-08 20:23:59 | ヴォーカル(E~K)

原田マハの「太陽の棘」という小説を読みました。終戦後の沖縄に赴任したアメリカ軍の絵を愛する若き軍医が、沖縄の画家たちが暮らす集落に行きつき、そこで出会った画家たちとの交流を深めていきますが、軍人がらみの事件で本国へ帰るまでを描いています。実話を基にした小説で、テンポよくストーリーが展開されていました。それぞれの曲にふさわしいテンポで歌われるヘンリー・マンシーニ曲集。

JANET SEIDEL (ジャネット・サイデル)
CHARADE (LA BRAVA MUSIC 2007年録音)

   

オーストラリアの歌手、ジャネット・サイデルは、ペギー・リーやドリス・デイ、ブロッサム・ディアリーといった歌手が歌った曲を取り上げてコンセプトのあるアルバムを作っていますが、これは、映画音楽の巨匠ヘンリー・マンシーニの曲集で、古い映画や映画音楽そのものを好きな方にもよさそうなアルバムです。

メンバーは、ジャネット・サイデル(vo)、ジョー・チンダモ(p)、チャック・モーガン(g)、デヴィッド・サイデル(b)、ファビアン・ヘビア(ds, bongos)。サイデルは、通常は、ピアノ弾き語りで歌いますが、ここでは、ジョー・チンダモ(p)を迎えて、歌に専念しています。

曲は、「Dreamsville」、「Slow Hot Wind」、「Straight to Baby」、「Whistling Away the Dark」(暗闇にさようなら)、「Days of Wine and Roses」(酒とバラの日々)、「Charade」(シャレード)、「Nothing To Lose」、「Dear heart」、「The Loss Of Love」(ひまわり)、「Mr Lucky」、「Moment To Moment」(その日その時)、「Crazy World」、「Don't You Forget」、「Two For the Road」(いつも二人で)の全14曲。映画の中やオーケストラ演奏で耳にするメロディが多く、改めてマンシーニの業績の大きさに感嘆しました。

ジャネット・サイデル(vo)が名曲をストレートに歌っていて、心惹かれます。ジョー・チンダモ(p)以下のバックは、あまりソロをとらず歌に焦点をあてているのもよい。CD(輸入盤)の解説には、それぞれの曲の歌詞が印刷されているので、メロディとともに詞が楽しめます。マンシーニの名曲ばかりですが、スロー・テンポで哀愁を感じさせるものが好きなので、「Whistling Away the Dark」、「Dear Heart」、「The Loss of Love」、「Moment To Moment」、「Crazy World」あたりが特に心に残ります。サイデルの歌唱は、力むところがない柔らかなもので、寛いで聴けます。 

【ジャネット・サイデル ホームページ】

janetseidel.com

ライブの予定がコンスタントに入っていて、活発な活動を続けている様子もわかります。

【原田マハ著「太陽の棘」(文春文庫)】