安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ボブ・ミンツァー IN THE MOMENT

2014-11-26 19:24:41 | テナー・サックス

先日、同級会に参加した際、小学生の時に遊びに行った仲のよい友達の家がある筑北村(旧坂北村)の青柳に行ってみました。そこは、かつての北国街道の青柳宿で、村により案内看板が整備されていて、歴史ファンなど訪れる方もいるのでしょう。宿のはずれにある、切通しは、岩を砕いて通した路ですが、近くで見ると開削時のたいへんな苦労が偲ばれます。切れ味のあるテナーを。

BOB MINTZER (ボブ・ミンツァー)
IN THE  MOMENT (Art of Life 2004年録音)

   

10月末に所用で東京へ出かけたのですが、帰りに御茶ノ水のJazz Tokyoで、試聴して買ったCDです。ボブ・ミンツァーは、つい先日、ビッグバンドを率いて来日し、ブルーノート東京や川崎モンタレージャズフェスに出演しました。これは、スモール・コンボによる録音で、オリジナル曲の曲想の良さや、テナー・サックスの音色の美しさに惹かれて購入しました。

メンバーは、ボブ・ミンツァー(ts,bc)、フィル・マーコウィッツ(p)、ジェイ・アンダーソン(b)、ジョン・ライリー(ds)。ミンツァーは、コルトレーンやマイケル・ブレっカーの系列といっていいかと思いますが、ここでは伝統的な面もみられ、また、曲によりベース・クラリネットを使っています。マーコウィッツらリズムセクションは協調したプレイぶりです。

曲は、ミンツァーの自作が、「Straight Ahead」、「Aha」、「Simple Song」、「What's The Word」、「Play Pretty」、「Blues」、メンバーのマーコウィッツの「Forgiveness」、エディ・ハリス作「Listen Here」、ジュール・スタイン=サミー・カーン作のスタンダード「Time After Time」の全9曲。「Sraight Ahead」や「Play Pretty」はかっこいいし、「Simple Song」は胸を打つようなバラードで、オリジナルの出来がよいです。「What's The Word」と「Blues」は、ベース・クラリネットによる演奏。

陰影の感じられるテナー・サックスによる落ち着いたプレイが楽しめます。また、ベース・クラリネットのサウンドに、ちょっとドルフィーを想いおこしました。「Straight Ahead」は、出だしからランニング・ベースに乗ったミンツァーの吹奏が心地よく、マ―コウィッツ(p)やアンダーソン(b)のソロもよく一番の聴きもの。モーダルなプレイが新鮮な「Time After Time」や、美しいバラードの「Simple Song」、そして、バスクラによる「Blues」なども印象に残り、じっくりと聴きたいアルバム。

【ボブ・ミンツァー・ホームページ】

BOB MINTZER

【長野県東筑摩郡筑北村青柳、切り通し】

      

青柳(宿)の街並み。江戸時代に宿場の長さは東西に600m、東方に横丁があり、家数は89軒を数えたそうです。

      

今に残る遺構の、石組の用水路。急な坂道沿いにある石垣に用水路を通してあります。

      

旧本陣のお宅。

      

切通しの手前から撮ってみました。この切通し周辺には、大小75体もの石仏があり、当時の信仰心の厚さが偲ばれます。

   

切通しです。岩が削り取られた跡が残っています。

   

切通し手前からの旧坂北村の光景。手前左側が青柳(宿)です。